東京電力の夏場停電問題に関して:


 東京電力の発表によると、原発16基の停止下での夏場における供給能力不足電力は、850万kWということになっている。東北、中部電力経由の融通電力を計算に入れても440万kWが不足するとのこと。
 原発の装置上の供給能力は、福島だけで909万kWあり、柏崎刈羽821万kWを加えて1,730万kWになる。1,750万kWといっても平均稼働率50%としてみれば(安全上フル運転はできない)、運転能力は900万kW未満でしかない。加えて、このうち稼働しているのは、柏崎刈羽1基の110万kWのみという異常事態でもある。
 一昨年の東京電力におけるピーク電力は、6,430万kWが計測されている。このときの空調需要がどの程度あるかというと約1,600万kW程度と推定される。現在の融通電力を差し引いた440万kWの電力不足は、空調使用の1/3−1/4の需要家が空調使用を控えないと停電を免れないということになり、相当のキャンペーンを張って空調需要の抑制を行わない限り、停電を回避できないと考えるべきだ。
 仮に、残り16基の原発の内、6月中旬から7月中旬までに6−7基程度の稼働が可能となるならば停電は防げる。柏崎は7基の内1基稼働で順次稼働の方向に行こうが、問題は福島であり、6月上旬までに一部の稼働ができれば、順次稼働の方向がなし崩し的に形成されると思う。5月末の報道では6月に、福島の6号機+1基、柏崎刈羽の追加1基が追加になる。7月に追加3基の稼働が見込まれれば停電は起きない。検査態勢の不備による稼働延期ということも考えられるので先行きは不透明。さらに地方自治体の意向と住民不安のかねあいで稼働できるかどうかの予測は困難な状況にある。7月以降の予測は70:30で稼働OKというところか。

   最近のテレビ報道
       1/31 日本テレビ 情報ツー  AM9:00
       5/9  日本テレビ プラス1  PM5:00
       6/4 テレビ朝日 Nステーション PM10:00
 7月23日の報道によると、柏崎狩羽原発4号機の7/22稼働によって、現在4基が稼働状況に入った。
これによって、夏の電力不足は解消の方向の様子。