節電器採用の目安としてご参考にしてください

一般的に節電器といった場合、電圧を下げて消費電力を落とし節電するということになりますが、新聞記事にもあるように効果が全く無いに等しいことが起きえます。その理由は色々ありますが、主なるケースをあげてみました。
  • 電灯回路の場合(現状の供給電圧が100ボルトあると仮定して)
    節電器は電圧を下げると、あくまで目安ですが、5%下げると消費電力が9%下がります。一般的に電圧を下げることのできる限界値は、せいぜい8%止まりですから消費電力を15%以上節約できるということは、絶対といってよいほどありません。節電器を分電盤に取り付けて30%も節約できるというような商法は詐欺行為と言い切れます。
    電圧を8%以上も下げた場合、必ず負荷機器の誤動作、不具合が出てきます。電圧は下げても95ボルト以下にはしないという考えを守る必要があると思います。
    1.照明器具などは、通常、抵抗負荷といって電圧が下がると少し暗くなります(白熱球、蛍光灯)。
    2.水銀灯などは95ボルト以下では点灯しなくなります。
    最近の店舗では、インバーター式蛍光灯を使用しているところが多いですが、95ボルトでも点灯上、問題はありません。
    1.しかし、消費電力は100ボルトの時と変わらない機器を採用しているケースが殆どです。そのため、節電には全くなりません。今はやりのインバーター式電球もそうです。
    2.従来からの白熱球、通常の蛍光灯器具の場合、抵抗負荷ですから節電器による効果は出ます。ですが、30%も節電しようとしたら、電圧を20ボルト近くも下げなくてはなりませんので、そんな危険なことは絶対にやめるべきです。
    電灯負荷は、一般的に抵抗負荷といって、供給電圧の下げに比例して消費電力が落ちること自身には間違いがありません。問題は、どのような負荷になっているかを節電器の販売会社、お客様が相互に正しく認知しないで行うと、とんでもないことになるということです。信頼のおける販売会社を選択することだ大切です。大手メーカー品だからとか、テレビで宣伝しているからとかいった宣伝文句はあたりません。    
         
  • 動力回路の場合(現状の供給電圧が200ボルトあると仮定して)
    動力の分電盤に取り付ける節電器で電圧制御をすることは、一般的に効果は全くありません。動力負荷の殆どはモーター使用であり、この種の負荷は誘導負荷といって、電圧を下げた分、電流が上昇し、消費電力が変わらないように設定されているものだからです。ただし、希な例ですが動力を抵抗負荷で使用する場合には効果はあります。
    通常は効果がありません。
    ヒーター(抵抗負荷)を使っている機器には効果がありますが、限定的です。使用量の多い工場などでプラスチック工場などでは現に採用しています。一般の商店で冷蔵庫・冷凍庫などに効果はありません。
    エアコンの節電をしようとする場合、電圧による節電器ではなく、運転時間を制御する(需要を制御)する人力もしくは制御機器による他はありません。
    制御機器の一種で、動力のブレーカーを変更し契約電力を変える(より小さい容量のブレーカーに変更して基本料金を下げる)という方式も現に採用されています。
要は信頼できる販売会社を選ぶということだと思います。節電自身は地球環境の保護という点で、大切なことです。