太陽光パネルの無料設置 

太陽光パネル、無料で設置 韓国大手など参入へ
電力販売し費用回収 料金割安、管理で問題も
情報元:日本経済新聞 電子版 2019/8/29

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49182050Z20C19A8TJ1000/

発電事業者が家庭や企業の屋根に無料で太陽光パネルを設置する代わりに、その電力を購入してもらうというビジネスモデルが広がっている。国内でも、太陽光パネルで世界大手の韓国ハンファQセルズが9月にも事業を開始し、京セラ関西電力も今秋に参入する。家庭や企業は初期投資や保守管理が不要などの利点があり、企業でもSUBARU(スバル)などが導入を計画している。再生可能エネルギーの自家消費の拡大につながりそうだ。

このモデルはパネルの利用者と所有者が異なるため「第三者所有モデル」と呼ばれる。日本では家庭や企業が太陽光でつくった電力の余剰分を一定の価格で買い取ってもらう制度(FIT)がある。一方、こうした優遇策を早期に廃止・縮小した米国では、住宅用の太陽光発電の6~7割が同モデルを採用しているとのデータがある。

日本でも制度の見直し時期を迎えており、同モデルを使ったパネル設置が増えると見込まれている。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、同モデルの国内市場規模は2018年度の12億円から、30年度には823億円に拡大見通しだ。

日本で太陽光パネルのシェア首位のハンファQセルズは9月にも一般住宅など向けにサービスを始める。顧客はハンファ製の太陽光パネルを無料で導入し、発電した電力を購入する。ハンファはパネルなどのコストを電力料金に上乗せして回収する一方、料金は電力会社から購入するプランよりも安く設定する。

設備は原則として10年後に顧客に無料で譲渡する。ハンファの18年のパネル販売量は17年に比べて17%増の約90万キロワットだが、新サービスで攻勢をかける。

京セラと関電の共同出資会社、京セラ関電エナジー(京都市)も新築住宅など向けに太陽光パネルを設置し、10年で無料譲渡するサービスを始める。太陽光発電の不足分は関電が供給する。顧客が利用する電力の料金プランは通常の大手電力と比べ、年間で1万円前後割安になるという。

第三者所有モデルが国内でも普及し始めた背景には、太陽光発電を取り巻く環境の変化がある。日本では家庭用太陽光の余剰電力の買い取り制度が09年に始まった。ただ現在の買い取り価格は当初よりも下落。家庭側が売電するメリットは薄れており、今後は自家消費するケースが増える見通しだ。

スバルは群馬県の拠点に第三者所有モデルの太陽光発電設備を導入する

スバルは群馬県の拠点に第三者所有モデルの太陽光発電設備を導入する

一方、太陽光パネルが普及し、価格も安くなっている。事業者側は、パネルを無料で提供しても長期的に電力料金で回収して採算が取れる環境になってきた。

家庭だけでなく、第三者所有モデルで太陽光パネルを導入しようとする企業も増えている。世界の投資市場で環境対策などに熱心な企業を評価する「ESG投資」が広がっていることも、太陽光パネルの導入意欲の向上につながりそうだ。

スバルはNTTファシリティーズと組み、同モデルを使い、19年度中に新車用部品を扱う群馬県の拠点に太陽光パネルを設置する計画だ。つくった電力をその場で使い、この工場で排出している二酸化炭素(CO2)を約4割減らす。

イオン三菱UFJリースの子会社と組み、年内に滋賀県の商業施設で同様の取り組みを始める。数年内に約200店にまで広げる方針だ。環境対応の観点からもこうした動きが広がる可能性がある。

一方、先行する米国ではトラブルも起きている。米テスラは16年に太陽光パネル設置大手のソーラーシティを買収。だが、パネルの供給先の米ウォルマートから、店舗での火災を起こす原因になったとして19年8月に提訴された。ウォルマートはテスラが設備の欠陥を修理せず、放置していたとして損害賠償を請求している。

第三者所有モデルは割安感や利便性をアピールしやすいが、保守管理上のリスクなどがある。一定の規模による競争力がなければ、収益確保が難しい面もある。国内でも今後は価格競争による淘汰などが進みそうだ。(河野祥平)

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