東京都内の公立学校二千二百七十四校のうち、16%にあたる三百六十四校で現在もPCB(ポリ塩化ビフェニール)が入った照明器具が使われており、その数は約四万千個に上ることが三十日、東京都教育庁の緊急調査でわかった。都は、今年度中に都立校のPCB入り部品を交換することを決めるとともに、区市町村立の学校にも早期交換を指導した。
調査結果によると、PCB入りの安定器を組み込んだ照明器具が使われていたのは、区市町村立の幼稚園や小中学校二千一校のうち、三百三十五校で計三万三千六百二十二個。都立の高校や盲学校などでは、二百七十三校のうち、二十九校で計七千八百九十三個だった。交換費用は、都立校だけで約二億二千万円必要になる。PCBは一九七二年に製造が中止されたが、PCB入りの安定器の使用は続けられ、今年十月、八王子市内の小学校で蛍光灯が破裂するなど、各地で児童らにPCBが降りかかる事故が相次いでいた。
(2000年12月1日読売新聞)
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