発送電分離
EU ヨーロッパ ガス電力自由化による価格低下
http://www.youtube.com/watch?v=iwIFjJ6SXc8  9:25
  発送電分離: ヨーロッパでの電力網スマートグリッドICT技術 (英語)http://www.youtube.com/watch?v=xp1V219GE5I   8:52 
直接の引き金 発送電分離については、以前から議論がされてきたことだが、ここへ来てその実現性が高まってきている。言うまでもなく、3.11による福島原発大事故がその引き金である。
経済同友会

経済同友会は、日本の電力システムを利用者の視点で見直すべきとする提言をまとめている。今後も安価な電力を安定供給するには現在の地域独占体制では限界があり、各地の電力会社が行っている発電と送電、配電を分離し、送電は国などが広域運営し、発電と配電は新規参入を促進して競争を加速させるべきとしている。長谷川閑史代表幹事は「原発の停止、休止、再稼働などで来夏の電力供給に明確な見通しがない」と指摘。「将来の方向性に向けた議論を始めることが大事だ」としている。

経団連

前首相菅直人は、在任中、電力会社の発電部門と送電部門を分離する「発送電分離問題」について、「選択肢としてあり得る」と語った。これに対して日本経団連の米倉弘昌会長は、福島原発事故の賠償問題に関する、政府への東電擁護批判をかわすための政治的発言であり、「動機が不純だ」と批判している。発送電分離は10年ほど前に経済産業省が推進し、国家的な議論が行われたが、分離に反対する電力会社の猛反発により頓挫した経緯がある。

識者の指摘

分離論ではクリーンエネルギーの推進、スマートグリッド化の推進などから必須という立場をとる。自然エネルギーの全量買取り制が本格的にスタートすれば、直接、その取引先となるのは配電網を持ち、送電網を持つ現在の電力会社となるため、交通整理をしておく事項が多々生じてくることになる。ただ、広域間の電力融通、IPPの電力参入を容易ならしめるためには、ばく大な賠償責任が続く東京電力から送電網を分離して、他社の参入を促進しなければ、進むことが出来ないという点で分離は必須と見る。つまり化石燃料輸入を減らし、クリーンエネルギーの比率を「本気で」増やしたいのであれば、どうするべきか。そのためには、今の送電システムを大きく変えるイノベーションが必要であるとするものだ。

現時点での評価   発送電分離は、東京電力関しては実施可能性が高いと思うが、10電力全体としての国の電力政策が定まらない現状では難しい課題が多いのではないか。第3者の視点が大幅に取り入れられる体勢無しには、歴史的経緯からいって実現可能性へのハードルは高いと考えるのが妥当なところか。