もんじゅ再開へ向けての課題

原発の明暗、もんじゅ再開へ向けての課題
  
★原発問題をめぐる国会議員の責任
 河野太郎氏(外務大臣の2世議員)がマスコミの原発問題取り上げに関して、以下の疑
問を提示している。誤解のないために、そっくり引用をしておく。原発の建設を盛んにす
るための法案がろくな議論なしに国会を通ることに疑問を呈しているのである。
衆議院議員 河野太郎の国会報告からの引用(11月25日)。
——引用はじめ
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メールアドレスが変わりました。 konotaro@h5.dion.ne.jp です。
高熱が続き、ダウンしています。
先週末より、メールをたくさんいただき、ありがとうございます。貴重なご意見をお寄せ
いただいたことに対し、厚く御礼申し上げます。さて、原発立地促進法の商工委員会採決
が二十八日です。この法案に対しては、質疑を絶対にやらせてほしいとかねてより申し上
げていたにもかかわらず、九時から十二時まで三時間の審議時間、与党からの質問はしな
いということになり、河野太郎の質問もボツ。提出者もそれだけ自信がないのでしょう。
なさけない。これだけいい加減な法案が、これだけいい加減な状況で国会を通過しようと
しているにもかかわらず、マスコミがこの問題を取り上げないこと、異常すぎるぐらいで
す。電力会社がテレビニュースのスポンサーだからでしょうか。マスコミの政治報道のチ
ェックは誰がするのでしょうか。
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——引用終わり
 要するに、この国のマスコミは、電力会社とその高額なスポンサーシップのスレーブと
いうことか。善きにつけ悪しきにつけ、なぜスレーブ化するのか、その規模の巨大さを理
解していただければ理由は解るのだが、2,3の例証をあげよう。それぞれを単独で見て
も面白いし、つなげてみると共通の電力軸発想のようなものを垣間見ることができる。

★東電が漁業補償協定を締結(福島第一原発増設に関して)
 東京電力が12月8日、広野火力発電所5、6号機(福島県広野町)増設、福島第一原
子力発電所7、8号機(福島県双葉町)増設に伴って福島県内7漁協と結んだ152億円
に上る漁業補償協定は、まさに、巨額である。茨城県東海村の臨界事故などで原子力施設
への不信感がぬぐえず、佐藤栄佐久知事が増設受け入れに慎重な姿勢を見せている中で、
既成事実を積み上げるためのものと観測されたようだ。
 東電と補償協定を締結したのは、請戸、富熊、いわき市(旧久ノ浜)、鹿島、磯部、相
馬原釜、新地の7漁協。補償額の内訳は福島第1の増設分が122億円で、広野火発分が
30億円。補償費は年内にも支払われ、組合員1人平均は最も少ない相馬原釜漁協(相馬
市)でも約340万円、最も多いとされる請戸漁協(浪江町)では約4000万円が見込
まれている。
 東電は「漁業関係者の増設に対する合意は得られた」として補償額を年内にも支払うと
いう。原発建設には、用地取得や漁業補償のほか、知事らの同意も必要。だが、福島第一
原発の増設は、まだ県知事らへの立地申し入れがない。
 知事への同意の申し入れ前に漁業補償協定を結んだことについて、福島県庁で記者会見
した東電立地環境本部の久保誠部長は8日、「補償交渉を早く進めてほしいという漁業者
側の強い要望があった」と、漁業者からの要請を強調した。
 漁業者は盆と正月に借金などの清算をする習わしがあり、相馬市などでは市税の滞納分
を「補償費で支払う」という漁業者もいて、年内の“臨時ボーナス”を当て込んでいるム
ードになっているという。
 背景には、ヒラメ、カレイ類の不漁や安値傾向がある。実際、補償交渉は「増設には異
論がなく、配分比率の問題だけだった」とある漁協幹部は振り返るほどだった。
 だが、漁業補償の先行締結には異論も出ている。知事の判断が原発立地の決め手になる
ことを中部電力・芦浜原発のケースは示しており、知事判断はおろか、立地申し入れもな
い段階で漁業補償を受け取ることは、リスクを抱えることになるからだ。しかし、福島県
は「漁業補償が先行しても、東電自らのリスクでやっていること」とのスタンス。漁民も
漁民なら、役所も役所ということか。
 三重県では今年2月、知事の要請で芦浜原発の建設計画が白紙撤回され、支払われた補
償をめぐって中部電力と漁協が返還交渉に入る事態も生じている。「漁業補償=事実上の
住民同意」という形ならいいが、知事が最後にOKしないとなった場合、漁民は臨時ボー
ナスを返すだろうか。逆に”借金”を担保に是非の論議をしない、させないということ
か。
 「金で既成事実を積み上げて、受け入れに慎重な姿勢を見せている県をないがしろにし
ている。原発の影響を受けるのは漁業者だけではない」と、双葉地方原発反対同盟の石丸
小四郎代表(57)=富岡町在住=は漁業補償締結を憤る。確かに、これだけの補償額と
なると、早い話、一般の住民はどうなんだという話が出てきても不思議ではない。
 今回、漁業補償協定が申し入れに先行したことは、増設問題に加え、福島第一原発3号
機でのプルサーマル計画についても微妙な影を落としている。
 増設を担当する県の大庭誠司企画調整部長は「理論的には増設受け入れもあるし断念だ
ってある。知事のフリーハンドが、漁業補償協定で縛られることはない」と説明するが、
「東電は急ぎ過ぎ。(漁業補償金を)出してしまえば、後で返せというわけにいかず、実
質的に知事の選択肢を狭める」と知事周辺は危ぐする。
どのような結果になるのか知れないが、急ぐ東電の気持ちは解る。だが、お金で結果的に
漁民の歓心を買う方式は金融危機の際、借金を棒引きするモラルハザード手法と同じとな
りかねない。ともあれ、動きの鈍い県に対して、東電が先制攻撃を掛けたということかも
知れない。「漁業補償が先行しても、東電自らのリスクでやっていること」との、県のス
タンスが他人事的であるなら、仕方のないことかも知れない。ただ、役所というのは勝手
なところで、県を刺激したということで、東電側の描くシナリオが狂う事態も予想され
る。

★同じ日付で「もんじゅ」の事前了解願い。
 1995年12月8日の事故からちょうど5年にあたる12月8日、高速増殖原型炉
「もんじゅ」が再開に向けて歩を進めた。当初から懸念されていたナトリウムに関する事
故を起こし、その後も「ビデオ隠し」など不祥事が相次ぎ、組織の体質そのものが問われ
た核燃料サイクル開発機構(核燃機構、当時・動燃)。都甲泰正理事長は県への「事前了
解願」提出を終え、神妙な表情で信頼回復に努める決意を語った。
 提出を終えた都甲理事長は記者会見で、「事故で核燃機構への信頼が大きく失われた。
これまで施設を点検し、安全性確保のための改善策などを検討してきたが、何よりも『も
んじゅ』を一刻も早く正常な姿にし、信頼回復を図りたい」と話した。
 5年前の事故までは、「事故は起こさない」という前提で運転していたという。しか
し、今は考え方を変え、万が一の対応を常に考えている。「安全審査を通れば安全、とい
うわけではない。審査で要求された条件を運転段階でしっかりと守れば安全を確保でき
る、ということだ」と、慎重な姿勢を強調した。
 早速、高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市白木)付近で9日には「2000止めようもん
じゅ全国集会」が開かれ、8日に福井県と敦賀市が、もんじゅの改造工事に対する国の安
全審査の事前了解願を、核燃機構から受理したことについて、批判する声が相次いだ。
 集会は最初に、同市の白木海岸で、もんじゅに向かって「運転再開反対」とシュプレヒ
コール。高速増殖炉など建設に反対する敦賀市民の会の吉村清・代表委員が、「県は、空
港や新幹線など、目先の地域振興に走り、安全論議を棚上げしている」と訴えた。
 この後、もんじゅ入り口前で、蒸気発生器伝熱管の探傷検査機器の開発について、デー
タの公開を求める申し入れ書を、核燃機構職員に手渡した。
 午後からは、同市東洋町のプラザ万象で報告集会を開き、小林圭二・京都大原子炉実験
所助手が講演。11月に策定された「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」に
ついて、「高速増殖炉の実用化時期を不透明にしたのに、もんじゅの運転再開だけを強調
している」と批判した。
 集会後、会場からJR敦賀駅前まで、「もんじゅ運転再開反対」「地域振興を取り引き
に使うな」とシュプレヒコールを上げながら、デモ行進した。
 このほか、原発立地を巡る動きとして、中国電力が山口県上関町で進める原発建設計画
の用地交渉で焦点になっている四代八幡宮の林春彦宮司が9日、「人間と自然に悪い影響
がある原発には協力できない」と、神社地を売却する考えがないことを改めて示した。林
宮司に関しては、建設推進派の氏子総代が解任要求を出し、県神社庁は同日、宮司から事
情を聴いた、ということである。山口県では、当面、原発問題に目が離せなくなってきて
いる。  

★関西電力の珠洲原発用地取得を巡るゼネコンへの買収依頼工作  
 このゼネコン買収の問題は、朝日新聞が継続的に取材をしているが、その都度、関西電
力が否定してきた案件である。
 関西電力が石川県珠洲市に計画している珠洲原子力発電所の用地を秘密裏に取得してい
た問題で、立地を担当していた関電の元課長が「交渉の難航していた土地を分割して、ゼ
ネコン4社に買収を依頼した」とする申述書を東京国税局に提出していたことが12月4
日分かった。相手の地主は売却した土地の譲渡所得を申告しなかったとして、所得税法違
反(脱税)の罪で起訴され、横浜地裁で公判中だが、地主の税務申告時期を意図的に遅ら
せる内容の「税務申告案」を元課長が作成し、同国税局がこれを押収していたことも判明
した。関電は秘密裏取得へのかかわりを否定してきたが、一連の買収・隠ぺい工作を主導
しただけでなく、地主の脱税を指南していた疑いも濃厚になった。
 関係者の話などによると、関電は1993年ごろ、地元の大地主で、反対派とみられて
いた神奈川県の医師と直接、買収交渉をしていたが、価格が折り合わず決裂。その後、医
師所有の約10万平方メートルは9分割され、94年にかけて清水建設などゼネコンの関
係会社が取得した。
 一方、珠洲原発の立地を担当していた関電の元課長は、98年11月に東京国税局に提
出した申述書のなかで「私が医師の土地を分割したうえで、買収してくれる建設会社を探
すことになり、お願いに回った。協力を申し入れてくれた会社は4社あり、それぞれの傘
下の不動産会社が自主的に買い取ってくれることになった」と証言していた。
 関電はこれまで、用地の秘密裏取得は認めたものの、ゼネコンへの買収依頼を否定し、
「ゼネコンが自主的にやったこと」と責任を押しつけてきた。
 元課長はさらに、申述書の中で「94年2月ごろに税務申告案を作成し、医師の契約先
に手渡した」と述べていた。
 押収された税務申告案には、9分割された医師の土地についてそれぞれ実際の契約日
と、それとは異なる「譲渡年月日」「申告時期」が記載されていた。架空の売買日を定
め、所得税の申告時期を1年から2年以上意図的に遅らせる内容。課税所得を分散し、売
買の事実が目立たぬよう工作する狙いがあったとみられる。
 関西電力地域共生・広報室の話として、当時の立地担当課長が東京国税局に申述書を提
出したことは事実だが、内容については把握していない。「税務申告案」は当社にはな
く、作成者や内容については確認できない、とのことだが、これはもっと積極的に情報公
開すべき案件と思うが、リスクマネジメントに関する姿勢が我々とは違うのかも知れな
い。

★海外での原子力の活発先は共産圏。
 1986年4月、史上最悪の放射能漏れ事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原
子力発電所の惨事から14年。最後まで稼働していた3号炉が15日に停止し、同原発は
全面的に閉鎖される。これに伴って失業する運命の熟練技師や原子力研究者ら専門家数百
人がロシア、中国、イランの三カ国からスカウトされていることが明らかになった。ウク
ライナ側は今後の原発建設における貴重な戦力として温存しておきたいところだが、この
三カ国は破格の報酬を提示しており、“技術流出”は避けられない状況になっている。事
故は原発の信頼性に疑問を投げ掛けたが、ウクライナではその後も依然として電力供給の
大半を原発に頼らざるを得ないのが実情だ。
 チェルノブイリ原発のコマロフ副所長によると、同原発に所属する従業員は約九千人。
すでにそのうち数百人に対し、ロシア、中国、イランの三国がいずれも現行の給料をはる
かに上回る給料を用意して、“実弾”を武器に引き抜きに躍起だという。
 ロシアの技術支援で原発建設に着手したイランを含む三国が原発によるエネルギー源の
供給に力を注いでいる現実が浮かび上がった格好で、チェルノブイリ原発の完全閉鎖に伴
い、ウクライナ政府には、代替エネルギー源の確保とともに失業者の再雇用問題が頭痛の
種になっている。15日に向けて従業員たちが「閉鎖反対」を訴えるデモを行っているほ
どだ。
 政府は、同国西部に建設中のフリメニツキー、ロブノ両原発の完成後にチェルノブイリ
原発の従業員らを即戦力として雇用する腹積もりだが、その時期や全員の再就職を明確に
保証するには至っていない。

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