太陽光価格2割下げ 電気料金負担を止められるか

アベノミクスの風化とともに、景気の急ブレーキを回避できるかどうか、剣が峰に差しかかってきたようです。

2016/4/2 2:00情報元日本経済新聞 電子版

経済産業省は、企業や家庭が発電した太陽光電気の買い取り価格を2019年度までに今より2割以上引き下げる。買い取り価格を高めにしたことで太陽光発電はいきおいよく普及してきたが、一般家庭に転嫁される料金の負担が重くなりすぎたため価格を適正な水準に下げる。電気を売るよりも、自宅や工場で使うようにうながす。太陽光発電に対する行き過ぎた優遇措置を是正する。

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12年度にスタートした再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」は、再生エネで発電した電気を電力会社が一定の期間、同じ価格で買い取るしくみだ。日本では150万戸超が太陽光発電に取り組んでいる。

買い取りにかかる費用は家庭や企業の電気料金に広く上乗せされる。再生エネが増えるほど太陽光を発電していない一般家庭などへのしわよせが増える。16年度の標準家庭の負担は1カ月当たり675円。制度が始まった12年度の10倍になった。

いちど買い取りが認められると家庭は10年間、企業向けは20年間、固定した価格で電気を売ることができる。16年度の価格はおもに企業が導入する10キロワット以上の太陽光が24円(以下、1キロワット時あたり)。住宅の屋根などに設置する10キロワット未満は31~33円だ。経産省は19年度までに買い取り価格を大きく下げる。

企業向けの太陽光電気は16年度の24円から毎年2~3円前後引き下げる。19年度に工場などの大口向け電気料金と同じ水準の17、18円程度にする。さらにコストが安い事業者が優先的に参入できる入札制を導入し、価格をおさえる。

再生エネ設備の9割が太陽光(福島県の設備)
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再生エネ設備の9割が太陽光(福島県の設備)

ソフトバンクグループやシャープなどは各地でメガソーラーとよばれる1000キロワット以上の大型太陽光発電所を稼働している。これらの設備ではすでに長期の買い取り価格が決まっているため影響はほぼない。

ただ、これから参入をめざす企業は価格下落で利益が減るため、太陽光発電の機運が後退する可能性が高い。

家庭向けの買い取り価格も17年度以降、毎年2~3円前後引き下げる。19年度には標準家庭の電気料金とほぼ同じ24円ほどにする。

経産省は太陽光発電などでエネルギーをまかない光熱費を実質ゼロにする住宅を20年度に新築住宅の半数まで増やす目標を掲げている。買い取り価格を家庭の電気料金並みに下げることで過度な優遇をあらため、自宅で使うようにする。

政府は30年度に再生エネによる発電割合をいまの10%程度から22~24%にする目標をかかげている。太陽光発電が電力全体にしめる割合は現在、2%程度にすぎず、この目標に沿って7%まで引き上げる計画だ。

ただ、高値で買い取ってもらえて設置もしやすい太陽光に事業者らが集中したことで、計画中のものも含めると太陽光の設備はすでに国の目標を超えている。政府は価格を引き下げて太陽光の安易な導入にブレーキをかける。

風力発電についても買い取り価格がドイツやフランスに比べて2倍程度高いこともあり、経産省は引き下げを検討する。

まだ導入が進んでいない地熱やバイオマス、中小水力などの買い取り価格は維持し、再生エネのバランスのとれた普及を進める。

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