自民党総裁選

自民党総裁選

 自民党総裁選で小泉純一郎氏が新総裁に選ばれることが確実な情勢となった。
4月22日16時40分現在の自民党総裁選の地方票(予備選)の獲得票は、麻生氏0 
橋本氏7 亀井氏3 小泉氏50ということで、小泉総裁が予備選で圧勝の勢いである。
この流れからいって勝負あったということだ。
 小泉氏は、党三役人事と新内閣の組閣で、橋本、江藤・亀井両派や公明党が唱える「挙
党態勢、総主流派体制」論にどう対応するだろうか。
 小泉氏が山崎拓、加藤紘一両氏らとの「YKK」に偏らず、「総主流派体制」を作るこ
とになるのかがポイントとなる。
 それぞれの候補陣営の話を総合すると、主流派体制への舞台裏でのけん制が進んできて
いるようだ。具体的発言をピックアップしてみるとよく解る。
 麻生太郎経済財政担当相は22日午前、自民党総裁選の予備選で優勢な小泉純一郎元厚
相との連携について「(政策面は)いくつかの点で協調できる。薩摩は鉄砲が足りない、
長州はコメが足りないという時に、坂本竜馬が間に入って(手を結んだ)というのが歴史
だ」と都内で記者団に述べ、小泉氏が新総裁に選出された場合は協力することを早くも示
唆し始めた。野中広務前幹事長ら橋本派の有力幹部は「地方党員の声を尊重すべきだ」と
の立場から、24日の両院議員総会での1回目の投票で小泉氏が1位になった場合、橋本
氏は決選投票を辞退すべきだとの考えも伝えられてきている。亀井静香氏を推す江藤・亀
井派も両院議員総会での投票前に辞退することも検討すべきだとの声が出ており、小泉氏
支持に舵を切ることになる方向だ。
 自民党は今回の総裁選で、夏の参院選に向けた態勢づくりを目指してきた。そのため、
主流各派も「小泉新総裁」を前提にした挙党態勢づくりに焦点を合わせようというのは当
然の動きである。連立を組む公明党も、総裁選後の総主流派体制構築を3党連立堅持の条
件とする発言を神崎代表あたりが盛んに強調してきている。保守党、堀内派はここへ来て
全く音無である。
 もともと、小泉氏は「3役一新」をはじめ、派閥にとらわれた旧体制の打破を掲げてお
り、与党内調整型の内閣となった場合、単純に国民の信を得られるかどうか微妙なところ
である。
 小泉体制を確立するには、加藤、山崎派の論功行賞を入れた上、田中氏ほか、派閥を横
断した斬新なものとなるのではないか。幹事長に誰を起用するかが見物である。小泉氏は
「当面はゼロ成長やマイナスかもしれないが、必要な政策はやる」ということから判断し
て、収まりのいいところで、橋本派堀内派からは起用しないであろうから、懐の深い人事
をするとしたら亀井静香氏ということになる。財務大臣は長老が外れて柳沢金融担当大臣
が入れ替わり、外務大臣に麻生太郎氏が、行革担当大臣に若手起用など、新鮮さと斬新さ
を打ち出すことができれば、国民からの支持も上がるのではないであろうか。彼は首相公
選論者であるから、国会内に憲法改正のチーム作りを進めるのではないかと思うが、これ
には長年からの盟友である加藤、山崎派、中でも山崎氏の役割が大きくなってくるように
思える。行革推進、行政のスリム化、健全予算への見直し、省庁のリストラ、国会議員定
数の見直しもしくは議員歳費のカットなど、やるべきことは山積している。
 ただし、行政改革は、目に見える形で数字で公約して、国民の前に示すことができなけ
れば、自民党は、秋には今度こそ解体の路線を歩むことになりかねないものと思う。

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