政局になるかニッポン

政局になるかニッポン
 
◆7年ぶりの政局になるか
 高度経済成長後の長い停滞社会で更なる経済発展が望めるのか、今の日本経済はその見
通しと目標の設定を巡って正確な判断ができるかどうかの瀬戸際にある。650兆円から
の負債を抱えたまま、構造改革に手をつけられない政権、これに国民の大多数ははがゆい
思いをしている。しかし、そこに日本の政治の野党勢力の弱体ぶりが影を落として国民の
活力を削ぎ続ける悪循環がある。
 1973年の細川政権の誕生した頃は国民の表情も明るかった。だが、このところの加
藤政局の動きに、国民の関心はあるものの、政局仕掛け人のレセプター能力(包摂能力)
と、国民一般の理解力の低下が邪魔をしている。国民の関心は、行政の構造改革にあるの
であって、目先の景気ではない。そのことがわかっている清新でパワフルなリーダーの登
場が実に望まれる。
 内閣不信任決議案への対応を巡って分裂含みの情勢となっている自民党内の抗争は11
月18日、対立が一段と激化した。主流派は18日夜に都内のホテルで派閥会長クラスの
会合を開き、加藤、山崎両氏への離党勧告を了承した。一方、加藤氏は「離党はしない。
自民党に残って改革のきっかけをつくる」と、重ねてわかりにくい論旨を強調している。
 また、加藤氏は19日午前のテレビ朝日の報道番組で、野党が森内閣に対する内閣不信
任決議案を提出した場合の対応について、「森首相が退陣することが確約されれば、不信
任案に同調することはない」とも述べた。一方、野中幹事長は同番組で、森首相の進退に
ついて、「首相としてやるべきことは、きちんとやらせて、そして、(首相が)自ら身辺
をきれいにするということは、考えなければならない。(首相の退陣の可能性は)ある」
と述べ、首相の早期退陣の可能性に言及した。また、野中氏は自民党総裁選の実施につい
て、「総裁選を前倒しすることは手続きとしては可能だ」とも述べた。
 前日に森内閣不信任決議案への対応をめぐり、野中幹事長は、不信任案賛成を表明して
いる加藤紘一・元幹事長と山崎拓・元政調会長に離党を勧告する旨の内容証明文書を発送
しておきながらである。そして、党執行部は、両氏が応じなければ20日に予定されてい
る衆院本会議採決前にも除名する構えである。
 この19日のやりとりは、多分に、司会者の田原氏のつっこみによる誘導発言であり、
現実味があるものとは思われないが、国民の目から見ると、双方ともに焦点ぼけの議論を
露呈する印象を与えているといえる。
 主流派の橋本、森、江藤・亀井、旧河本の4派と河野グループは18日、東京都内で派
閥会長や事務総長の会議を断続的に開き、加藤、山崎両氏への離党勧告や造反者の公認取
り消しの方針を決めるとともに、不信任案否決に全力を挙げ、可決の場合も内閣総辞職は
せず、首相に衆院解散・総選挙を求める方針を確認した。ただこれは、不信任可決派への
圧力の行使のためであり、実際には不信任可決の場合、野党側は総選挙を求めることにな
るので、主流派の主戦論はあまり意味を持たない。問題は、可決後に加藤、山崎両派が党
内第2自民党で戦うなどという分かりにくさとなったら、流れは加藤政局から野党政局へ
と変わっていくことになる。その意味で、今回の政変が大きな変化の時にあることは間違
いないのだが、細川政権の二の舞はやってほしくない。
 加藤氏は18日の同派在京議員の集まりで「今後2年間、自民党内に『加藤自民党』と
『森自民党』が並存する」と語るなど、離党はあり得ないことを強調している。加藤氏は
ことある度に、今回の政局で「我々は離党はしない。自分たちがやっていることが党を救
う行動だと思っている。除名は党規委員会で全会一致で決めることになっている」と語っ
ている。加藤氏は、賛成・欠席者が増えれば除名処分は不可能とみており、解散・総選挙
の可能性も否定。主流派の揺さぶりをかわしつつ、派内の動揺を抑えるための派内向きの
発信を繰り返しているのだが、これが国民にはわかりにくい。その頂点が、19日朝の発
言である。したがって、内閣不信任決議案可決―内閣総辞職―首相指名投票という流れに
なった場合、4野党が一致して自民党の加藤紘一を推すことになれば「加藤首相」誕生の
可能性が浮上するが、18日、国会内で開かれた野党党首会談では、不信任案が可決した
場合の対応は「必要に応じて協議する」ことになっており、事態は流動的である。
 憲法では、不信任案が可決された場合、内閣は10日以内に総辞職するか、衆院を解散
しなければならない。衆院選は解散後、40日以内に行われることから、与党内では「1
2月24日クリスマスイブ投票説」などが取りざたされている。
 今のところ、野党4党は18日の党首会談で、20日に共同提出する内閣不信任決議案の
可決に向けて結束を確認し、不信任案が可決された場合は衆院解散・総選挙を求めること
で一致している。ただ、後継首相を選ぶ首相指名選挙で加藤氏に投票するかどうかに関し
ては、不信任案可決後に改めて党首会談を開いて調整することになる。 

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