ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」

ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」

いろいろな見方とコメントが見られます。videoは一見の価値はあるでしょう。

http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-546.html

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犯罪と社会に背を向けた法の関係

犯罪と社会に背を向けた法の関係

経済成長のおかげで、もはや飢餓に苦しむという人々はこの国からは消えました。様々
な理由から働いてお金を稼ぐことのできない人も、生活保護という不名誉を納得すれば、
働かなくとも死ぬまで生きていくことができる、それが現代社会です。

少子高齢化も、そんな時代の一面を物語っており、過度に法に守られた個人の自由が、
反面、社会の活力と不公正を助長していると考えてもよろしいでしょう。
何も産めよ増やせよの時代ではありませんが、働き手が少なくなり、高齢者の負担を若
者が担わなければならない時代に、少なくとも人口がどんどん減るという傾向は望ましく
ないと思います。お互いの地域とか共同社会で何かできることは、自らのリーダーシップ
ですべきだと思います。それが町内会の活動を意味していたり、道ばたに落ちているゴミ
を片づけるといった小さなことの積み重ねにおいてもです。

生涯、独身で過ごしても人に何の迷惑をかけなければそれでよいので、一々生き方まで
制約されたくはないという人々も増えています。何か寂しい考えですね。たしかに、人の
価値観は確かに千差万別で、生まれ育った時代・環境に大いに関係しますから一概にはき
めつけることはできません。ですが、ものごとにおいて感性を共有するということは社会
生活の上で大事なことだと思います。この感性が時として法律という規範に邪魔されると
いうか、法律が感性を無視しし続けるという気になる状況が現代社会で起きています。

卒爾ながら、山口県光市母子殺害事件というのをご存じかと思います。
1999年4月14日午後2時半ごろ、山口市の新妻が強姦の上、お子さんの夕夏ちゃ
ん(当時11ヶ月)ともども、自宅に侵入した犯人(当時18歳少年の被告(24)=一、
二審無期懲役)によって、首を絞められ、殺害された事件です。高裁で受けた無期懲役の
判決を不服として、遺族が極刑を求めて最高裁に控訴しておりました。
被告の弁護人が2006年3月14日の最高裁弁論に出廷しなかった問題で、被害者遺
族の本村洋さん(30)は去る3月15日、安田好弘弁護士ら2人の懲戒処分を求める文
書を、第2東京、広島両弁護士会に送りました。欠席は表向き「日弁連の会務」というこ
とだが、弁護人が死刑反対論者でサリン事件の松本被告の弁護もしたことがあるとのこと
で、信条に基づくものでもあるらしい。しかし、国選弁護人は裁判を長引かせれば長引か
せるほどその間の国費による収入に結びつくわけで、国民の税金がこういった被告に使わ
れてしまっていることも問題です。
本村さんは「弁論欠席に正当な理由はない。故意に裁判を遅らせた行為と弁護士会が判
断するなら、早急に懲戒手続きに入ってほしい」と要請。両弁護士が欠席理由としている
「日弁連の会務」が、弁論期日を無視してまで実施すべきだったかも含め回答を求めまし
た。日弁連は弁明はしましたが、懲戒には至っておりません。

豊かな社会が実効的に死刑を認めないか長引かせるかをしているいい例だと思います。
これは社会の歪みの一つであり、ある意味で仇討ちが許された時代の方が自然状態で良か
ったのではないかと思います。本村さんご本人の口述からですが、司法がこの苦しみを解
決できないのであれば、自身の手で殺人犯を殺したいともいっています。その気持ちは本
人でなければ解らないことでしょう。事実、被告人は「本村氏がマスコミに露出し調子こ
いて勝手なことを言っている」との手紙を書いていることからも解るように、この被告に
は鬼畜の類の論理はあるようだが、良心はないのかも知れません。

現実には、少年犯罪でこのようなケースは例外的ではなく、現在の司法制度では被害者
の救済措置という点で、後進国以下の状況にあると考えられても仕方ありません。総体と
して豊かな国であり国民が幸福な状態にあることは事実ですが、昭和30年代にあった、
親を敬い先生を畏怖し、世に出でては経済発展のために一致団結して上を目指したエネル
ギー、これが現代社会には欠けており、金満不節操の時代でもあります。

2006年6月20日、この殺人と強姦致死、窃盗の各罪に問われた元少年(25)に
対し、最高裁第三小法廷(浜田邦夫裁判長)は、無期懲役とした二審・広島高裁判決を破
棄し、審理を差し戻す判決を言い渡しました。第三小法廷は「元少年の責任は誠に重大で、
特に酌むべき事情がない限り死刑を選択するほかない」などと指摘した。差し戻し審で元
少年に死刑が言い渡される公算が大きくなったといえる。これが事実なら大変喜ばしいこ
とではあるが、事件から早くも7年が経過しており、本村さんの気持ちはいかなるもので
しょうか。こういった事件に7年もかけ、なお、未決というのはどうしても納得がいかな
いという心情ではないでしょうか。
第三小法廷は、元少年の犯行について、「強姦目的で主婦を殺害し、犯行発覚を恐れ、
いたいけな幼児までも殺害し悪質だ」と指摘。遺族の被害感情に対し慰謝の措置も講じら
れていないとした。
そのうえで、二審が情状酌量の対象とした(1)殺害は事前に計画していなかった(2)
矯正教育による更生可能性――の各事情について検討したとのこと。
(1)については、「強姦を計画し、反抗抑圧や発覚防止のために実行した各殺害が偶
発的とはいえない」などとし、「殺害に計画性がないことは、死刑回避を相当とする特に
有利に酌むべき事情と評価するには足りない」と判断した。
次に、(2)については、元少年が被害者を揶揄(やゆ)する内容の手紙を友人に送っ
ていることなどを踏まえ、「罪の深刻さと向き合って内省を深めていると認めることは困
難だ」とした。
判決は、結局、元少年にとって酌むべき事情は「犯行時18歳になって間もない未成年
であったこと」、「死刑を回避すべき決定的な事情とまでは言えない」と判断。二審判決
について「量刑は甚だしく不当で、破棄しなければ著しく正義に反する」と結論づけた。
また、上告審で弁護側が「殺意はなく、事実誤認がある」とした主張も当を得ていない
とした。差し戻し審では、元少年への有利な情状があるかどうかが審理されるとのこと。
元少年側の対応によって遺族の処罰感情が和らぐなどの新たな事情が加わらない限り、死
刑判決が出される可能性が高い。
浜田裁判長(退官)と上田豊三、藤田宙靖、堀籠幸男の各裁判官の4人全員一致による
結論、ということである。ならば最高裁で判決を下しても良いものと考えるが、現行の裁
判制度では差し戻しという制度になっているので、いかんともし難いというのである。法
律が国民感情を無視し続ける、病める現代です。参審制で市民が参加できるのであれば、
即刻有罪、死刑とするのが正常な社会であると思います。

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郵政民営化と国政選挙

郵政民営化と国政選挙

9月1日の読売新聞によると、郵貯貯金者の総数は計1億2511万人と、日本の人口
とほぼ同じ。郵貯の預け入れ額の内、900万円超が640万人、違法な1000万超が
198万人とあります。国民年金不払い者の逆バージョンです。儲かればなんでも有りの
観です。
「900万円超~1000万円以下」を預ける“高額”貯金者は442万人にのぼり、
預入金額の合計は205兆円で郵貯残高の5分の1を占めているそうです。
しかし67%にあたる8399万人が100万円以下の預け入れで、8割は300万円
以下の貯金者で、すべての貯金者の平均預入金額は164万円。
一方、日本銀行がまとめた今年3月末の国内の民間銀行の個人預金者数は「300万円
未満」が全体の約97%を占めており、高額貯金者の割合は郵貯の方が民間銀行より高い
といえます。
郵貯に700万円超を預けている貯金者は1076万人に達し、貯金額の合計は全体の
半分近い99兆円ある。このうち限度額を超す違法貯金者の総貯金額は21兆7572億
円で、超過分だけで約1兆9500億円に達しているそうです。
郵貯残高の総額205兆円は4大銀行グループの総額に匹敵する額を保っている。簡保
の150兆円も、性格は保険だが貯蓄性の強い預金とすれば、合計で350兆円となる。
衆院選で民主党は、郵貯簡保の廃止もしくは郵貯の規模縮小を主張し、「限度額を1人
あたり1000万円から、段階的に700万円、500万円に引き下げる」としている。
計算上は仮に700万円に引き下げて約24兆円、500万円に引き下げて約50兆円が
減ることになる。減ったところで、「たいしたこと無い」と考えれば、廃止の方が理屈は
通ることになる。
郵便貯金の内、およそ70兆円が国債購入に振り向けられています(残りは地方の公債
とかに)。これが財投を通じて、特殊法人への流れに向かっています。そのあとの乱脈運
用については、皆様方のご存知のとおりです。
1986年の中曽根内閣の頃、国債の発行残高は137兆円ありました。GDPは32
7兆円(国家歳入38兆円)、
1998年の小渕内閣の頃、国債の発行残高は257兆円ありました。GDPは500
兆円(国家歳入56兆円)、
現在は国債の発行残高540兆円、GDP520兆円(国家歳入41兆円)ということ
で、国債発行のバランスが大きく崩れています。国家予算81兆円の半分は借金です。
地方債も入れた国の債務は1000兆円を超えました。
だからこそ、政府&官僚組織は350兆のお金を何とか利用してやろうと考えるのでし
ょう。
問題は、民営化で民業を圧迫する規模の金融機関が誕生することではないでしょうか。
独禁法上の問題が議論されないのはどうしてでしょうか。一旦民営化されれば、預金制限
など、難しくなりますので、郵貯・簡保は廃止した方が、健全な金融競争という意味で理
があるのではないでしょうか。廃止すれば、民間の金融機関に資金がシフトし、よりシビ
アな運用を考え、金融機関の国際競争力も高まります。
郵政民営化によって、法人税・固定資産税で5000億円の税収が確保できる、民にで
きることは民間にというのであれば、何も居抜きで民営化するだけが選択ではないと思い
ます。郵政民営化すれば、全てかが解決するような、錯覚を国民に抱かせるのは大罪では
ないでしょうか。少数意見に属するでしょうが、個人的には郵貯簡保は廃止・国民年金も
廃止か統合論者として、政治の動きを見ております。民間にできることは民間にというこ
とは正しい考えだと思いますが、従来、民営化の名の下に看板のすげ替えを繰り返してき
た日本の政治は、既存の利権&しがらみの集団がシステムを考える限り、罪人が責任をと
らずに更なる大罪を犯してきたに等しいからです。自民党が政権を取っても、民主党が政
権を取っても、国策に大きな変化はないと思いますが、違う点が一つあるとすれば、旧弊
を打破する出発点になるということだと考えています。
民主党は、今回の選挙争点を、健全な国家財政と福祉年金の確保に絞っています。党内
が左から右の混交所帯で頼りなさそうという感じは否めませんが、戦後60年も経って、
まだ自民党という考え方はやめるときに来ているでしょう。アメリカ流の2大政党制を試
してみる良い機会と思うのですが。皆様、どのように思われますか。
http://www.hyogo-ishirenmei.jp/news/2003_07-01.html   からの抜粋ですが、
日本の国家予算は一般会計・特別会計合計で2003年度予算べ-スで232・6兆円に上
り、社会保障給付や義務教育負担として国民に直接還元されているのはこのうちの60・4
兆円にすぎなく、残りは国債などの債務償還、地方交付税交付金、国家公務員の人件費や
経費などに使われ、歳出合計の7%にあたる15・3兆円は官僚の天下り先の特殊法人、独
立行政法人、公益団体に補助金として流出しているそうです。
一般に日本の国家予算は80兆円程度と認識されているが、これは一般会計に限った話。
一般会計の数倍に上る金が特別会計にあり、その一部が官僚の天下り先となる特殊法人な
どへ補助金として流れています。都市基盤公団などは潰すべきですが、看板のすげ替えで
生き残っています。補助金をカットし、国家公務員の人件費と経費も民間企業のリストラ
並みにカットすれば、歳出を12・5兆円削減できる可能性があると指摘しています。
明細は、民間企業のリストラを参考に
(1)特殊法人や独立行政法人へ流れていると確定できる補助金等3・1兆円を廃止
(2)自治体や公益団体などへ間接的に流れる補助金12・3兆円を50%カット
(3)国家公務員の人件費7・6兆円を5%カット
(4)国家公務員の経費・施設費5・8兆円を50%カット
で12・5兆円削減できると指摘しています。
一般会計の数倍規模の予算が 事実上ブラックボックスになっています。
たとえば 自動車関連の諸税を財源とする道路整備特別会計は国土交通省が仕切り、自民
党道路族がその資金をバックに道路行政に大きな影響力を行使してきました。
公的年金についても 厚生年金特別会計 国民年金特別会計は厚生労働省が仕切ってお
り、国民の保険料などを財源に全国に保養所を造り 巨額の赤字を生んできました。国民
の財源を食いつぶして 天下りの受け皿を作ってきたのです。
ここ数年、各特別会計の見直しが叫ばれているものの 掛け声だけでほとんど進んでい
ないのが現状です。
数字で見る限り、小さな政府を声高に叫べるだけ叫んでいる小泉内閣は 実のところこ
こ数年小さな政府に向かって前進するどころか後退させているように思えてなりません。

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少子化問題

少子化問題、、、etcと憲法改正

現憲法は占領中にアメリカ流の民主主義によって作られた。その民主主義によって、今
の日本経済の繁栄がある。しかし、自由のもとに失った社会秩序、公務員(国会議員・地
方議員を筆頭に)の公僕意識低下など、正すべきことが山ほどあることに誰も反対は無い
であろう。
経済のデフレ化、政治不信をかこつ前に、日本という国のあるべき形を問い、そのため
の基礎である憲法を日本人の手で作り直し、はっきりとした将来の展望に基づいて国のあ
り方を論ずべきであることにも反対は無いであろう。
平和主義の原則を守りながら、9条2項を改め、自衛のための戦力は持てることを明記
することに対して、「自衛のための戦力を認めるという考えが侵略戦争を起こしているこ
とは、歴史的にも明らかだ。」とする意見は、間違ってはいないが、100%正しい議論
でもないことも、最近までの世論調査で明らかになっている。社民党の衰退がいい例だ。
アメリカがアメリカ流の正義感と石油権益のために起こしたイラク戦争だが、日本は国
際テロリストからの脅威、なかんずく、極東アジアにおける自国の防衛を米国に頼らざる
を得ない。そういった現状から、小泉政権はイラクへの自衛隊派遣をイラク特措法に基づ
いて実施したと考えられている。しかし、現行憲法の改憲を経ずしての解釈憲法に基づい
て行った事実は、憲法違反であると考えるのが常識的判断である。しかるが故に、先の参
議院議員選挙での自民党敗北という結果となったものと考えられる。大衆、民衆は賢なり
、のよい例だ。
また、国の財政の現状からしても、実力以上の「国際貢献」を軍事的、外交的に行うと
いうのも、国民に対して説明がつかないことだ。イラク派遣の自衛隊は即刻、撤収させ、
ほかの民間による支援活動に切り替えるべきである。外交的に理解できないほどの弱腰で
北朝鮮に臨む外務省、その言いなりで、北朝鮮に50億円もの支援物資を送る政府が、な
ぜ、イラクには軍隊の派遣なのか。我が国の総理大臣がパフォーマンス好きだからだろう
か。郵政民営化の時代だ。金食い虫の外務省など民営化したらいい。国として何も困る事
態にはならない。(外交も、通商政策も、内閣の意志のもと、民営化した方がいい知恵が
出るというものだ。)
ただ、このことは、国際社会の一員としての積極的関与を薄めるということではない。
問題は、国民的コンセンサスの上に行うべきことである。北朝鮮の拉致問題でも、同じ種
類の過ちをしている。テロ国家に対して、人道支援という名のもとに莫大な金品を拠出す
るという行為も、国民感情を逆撫でしていることに政権は気づくべきだ。政治家を筆頭に
公務員は、生産をしないが故に、何かと屁理屈をつけて税金を勝手に浪費する性癖がある。
少子化問題で、破綻に向かっている国民年金問題も、国のあり方の根本を求めずして、
対症療法的に処置しようとするならば、悪循環を繰り返すだけだ。
少子化問題と憲法改正は何らの関係がないように見えて、大いに関係があることに気づ
かねばならない。なぜ少子化なのかを考えてみるがいい。
家族制度の崩壊、学校教育の崩壊、住宅政策の貧困化(対極に住宅都市基盤公団の乱脈
経営がある)、官僚組織における自己増殖の目的化、犯罪の低年齢化、等々、例を挙げれ
ばきりがない。
こういった社会生活の上での矛盾、正義感の欠如、犯罪の増加などが少子化を含めた国
の活力をそぐ結果となっているものと考えるのが自然だ。そしてこうした意味での法秩序
の回復は、その淵源としてもとめなければいけない権利と義務の再検討として、日本国憲
法に行き着く。
「9条改悪反対、25条擁護派」に代表される護憲派も、改憲派は軍事大国化をねらって
いるなどという、単純な入り口の議論でなく、憲法全体のあり方に議論を深めるべきだ。
議員定数の問題、内閣制度の問題(議員内閣制)、参議院の機能問題、宗教分離問題など
国民生活に直結した問題を整理せずに、少子化問題など解決できるわけはない。
現行憲法の制約のもとで、だれのための憲法かを理解しない詭弁(きべん)を弄し、米国
支援の自衛隊派遣を行ったことが日本人拘束事件を起こしたことも事実である。ただちに
撤退させ、巨額の費用を真の人道援助に振り向けるべきだ。撤退させ、憲法論議を真摯に
行うならば、米国の日本に対する見方も、成熟したパートナーとして見るようになる。
失われた10年が早くも15年になろうとしている。これが、20年も続きそうな経済状
況だが、もう目覚めてもいいのではございませんか。
残念なことに、2大政党の1党を担うべき民主党の内部的矛盾を見るにつけ、こういっ
た議論が野党の間でコンセンサスを得ていないのが残念だ。岡田党首はいいセンスを持っ
ていると思うが、周りのロートル議員に惑わされないことを願う。

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厚生年金の保険料の上限18%は粉砕せよ

厚生年金の保険料の上限18%は粉砕せよ

政府・与党は12月17日午後、平成16年の年金制度改革について、厚生年金の保険
料の上限を当面、現在の年収の13.58%から平成29年度まで段階的に18.35%
に引き上げることで合意した。年収500万円の会社員なら年間約12万円、年収120
0万円なら約23万円の負担増となる。
今回の合意で、年収500万円の会社員なら、29年まで毎年約1万円ずつ保険料負担
が増える計算。年収1200万円なら毎年約1万8000円ずつ増えることになる。

一見、 無理のない値上げのように見えるが、大変な誤算である。経済成長率が将来にわたって止 まり、少子高齢化の中で、国民負担だけを上げ続けるというのは、構造改革に反する論理 だ。給付水準ならびに給付内容の見直しとセットにし、保険料の引き上げを極力回避する というのが筋論である。日本の企業の99%は中小零細企業で成り立っている。この、「中 核」企業群で働く労働者の年金保険料負担額はすでに所得税を大幅に上回っており、およ そ税金の140%にも達している。その分、所得税率が安すぎるのかというとそうではな い。右肩上がりの経済をベースに考えられたシステムを横這い、もしくは、右下がり経済 にあわせたシステムに変えることを考えない限り、この年金問題は解決しない。
現在の厚生年金の給付水準は、夫が厚生年金に40年加入し、妻が専業主婦である世帯
の場合、月23万8000円で、現役世代の平均所得の59.4%にあたる。この水準が
将来は、50.1%まで下がるということは受け入られるが(保険料か18.35%にな
ぉつたとき)、給付率を現状から20%下げても、保険料率が逆比例的に35%も上がる
ことになるという(13.58%から平成29年度まで段階的に18.35%)のは、ど
う考えてもおかしい。少子高齢化があったとしても不自然だ。厚生行政にかかわる人件費、 経費、年金積立金の見直しが何も行われていないからだと考えるのが自然だ。もしそうで ないなら、%の結果数値でなく、中身を国民の前に説明する必要がある。税金も、社会保 険料も国民への説明責任が果たされていないというのが真実のところだ。
日本経団連の奥田碩会長らは「抜本的な改革を行わないまま保険料率を引き上げること
には反対」と、保険料率の上限は16%が限度と主張してきた。このことは、正論だと思
う。年金負担率18%決着などというのは論外だ。くりかえすが、今の13.58%でも
高すぎるところに、18%にもなれば、国の成長力は決定的に削がれることは目に見えて
いる。厚生労働省に反対意見と改悪年金システムの粉砕を呼びかけるため、以下のサイト
から反対表明をしよう。それがささやかな抵抗であり、国民の義務でもある。そういった
ことの繰り返しを、国民一人一人が主体的に積み重ねていくことによって、国のあるべき
形は、ある時を境に飛躍的、不連続的に達成されるものだ。ゆでガエルにならないように。

http://www.mhlw.go.jp/getmail/getmail.html

を訪問してください。あなたの意見を述べられます。

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自衛隊イラク派遣は正しい選択にならない

自衛隊イラク派遣は正しい選択にならない

2003年3月の米軍イラク侵攻以来、日本政府の日米同盟としての選択が問われ続け
てきた。いよいよ、来年から自衛隊派遣が実施されようとしている。国民の過半数は明ら
かにこの選択に対して反対の立場だ。イラクが危険地帯であるから自衛隊を送らない方が
いいという意味だけで、国民の過半数が自衛隊の派兵に反対しているという訳ではない。
内閣、中でも総理大臣の国民に対する説明責任が欠けていることが問題なのだ。
いくら憲法の前文を引き合いに出して、「われらは、平和を維持し、国際社会において、
名誉ある地位を占めねばならない」、「いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国
を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に
従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信
ずる。」という論理は、正当に機能している政府なればこそ許される論理であるが、現代
の日本のように、役人国家で自国の国内問題を何一つ改善できない現状にあっては、背伸
びをした空虚な論理だ。財政は破綻し、生産性の全くない役人・政治家という扶養家族を
多数抱えた国民の気持ちを到底、理解しているとは思えないからだ。
自衛隊派遣の是非は、筆者の持論である日本国憲法改正問題と大いに関わってくる。
石原都知事は、自衛隊の派兵積極論者であるが、「日本がテロの攻撃にさらされたら打ち
負かしてやればよい。日本の軍隊は強いのだから」といった。いささか乱暴な表現が最近
は目立つようになった。日本が大統領制の国家のもとでは、あってもいい論理ではある。
韓国がなぜ、派兵の立場をとり続けられるか。それは、大統領制国家であるからだ。
民意から直接選ばれた大統領であるから、議会との意見の違いはあっても、国民との意識
のぶれは少ない。日本の首相が決めたことを、大多数の国民が支持しないという事実があ
りながら、国民が何も行動しないというのは、極めて、不健全かつ不条理な国家というこ
とになる。現政権は、過去から将来にかけて、財政、税、国民福祉といった国内問題を解
決する抜本的方向と何らかの成果を出しているだろうか。民主党が政権をとっても、さら
に、惨めな結果となることを国民は見抜いているが故に、あり地獄に向かってひた走って
いるというのが、現状ではないだろうか。将来の方向性をもっとも明確なことばで語ると
いうプロセスを踏まない限り、自衛隊派遣は必ず失敗する。
国民が今望んでいるのは、将来の方向性の基盤となる、憲法改正の問題(これには議員
定数の問題から、小さな政府の考え、地方自治のあり方、自衛隊の軍隊としての位置付け、
財政、福祉、国際関係に至るまでの課題解決が含まれる)を明確にするということだ。

■議院内閣制と大統領制■

現代国家では、議院内閣制もしくは大統領制を採用しているところが多い。この二つの
制度では、「三権分立」、すなわち立法、行政、司法の相互の分立面での運用の仕方が違
う。
議院内閣制の場合、行政権と立法権が不完全な分立になっている。内閣は議会の信任と構
成員によって形成される。また、内閣は与党第1党の後ろ盾を基盤とするため、議会に対
して第1党に連帯的な責任を負うという制度である。先進国の中では、イギリスや日本な
どが、この制度を採用している。2大政党制を奉ずる議員はイギリス型を模範例とするが、
中曽根大勲位等に代表される論者はアメリカ型の大統領制に近い首相公選制を信奉する。
しかし、大統領制にもさまざまな種類や形態がある。「アメリカ型」の大統領制や「フラ
ンス型」の大統領制などだ。
特にアメリカの場合、行政の首長としての大統領が絶大な権限を持つ。国民に直接的に(実
際は間接的に)選ばれた大統領が、議会や裁判所と一定の距離を置いていて、身分的にも
独立しているのが特徴である。また、アメリカ大統領は議会に議席を持っていない。議会
の解散権は持たないが、法案の拒否権を持っている。
「フランス型」の場合、大統領が国家元首であり、首相を任命する権限を持っている。流
血のフランス革命を経た後に確立したものである。大統領は首相と内閣に議会への対応や
内政を任せ、大統領自身は外国での国王・天皇に代わる外交的な役割分担が行われる場合
が多い。もちろん、首相のほうが外交的な活動を多く受け持つ国もある。フランス型の国
は、そのほかにドイツやロシアなどがある。
明治維新という、無血革命を土台とする我が国の選択は、象徴としての天皇制であるこ
とから、フランス型はあり得ない選択だ。したがって、日米の経済的社会的交流という過
去の実績から考えても、アメリカ型大統領制がもっとも自然な選択となる。

憲法改正に賛同する人も、しない人も、「平成デモクラシー」をインターネット上で上
梓いたしましたので、自由にログダウンしてお読みください(PDFファイルで1.6Mb)。
また賛同いただける方は賛同登録と兼用のメーリングリストを開設してありますので、登
録の上、ご意見など交換いただければ幸いに思います。

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平成デモクラシー

平成デモクラシー 

 3月20日にイラク攻撃前夜の日本国民の原点を確認する一つとして日本国憲法(一次
私案)を発表させていただいた。その後、限られた時間の中で、「平成デモクラシー」の
電子出版(後段参照ください)のために多くの時間を割いたことと、会社業務の繁忙さか
らメルマガの発行をぎりぎり延ばしておりました。インターネット時代では、スパムによ
る情報の氾濫が本来あるべき国のパラダイムを破壊し続けるという危険性もあり、文書に
は慎重さを期しておりました。これからは、体調などに異変がない限り定期発行ができる
ものと思います。

■国交省と藤井総裁解任■ 

 週内にも見込まれる日本道路公団の藤井治芳総裁の解任処分を巡り、国土交通省と藤井
総裁側のせめぎ合いが続いている。藤井総裁の代理人弁護士は解任手続きに必要な聴聞を
1日で打ち切ったことに抗議し、聴聞の続行を求める申立書を提出。国交省は要請に応じ
ない考えで、処分無効の行政訴訟を起こされた場合も想定した作業を急いでいる。
 藤井総裁側は申立書で「聴聞は手続きに重大明白な瑕疵(かし)があり、予定されてい
る解任処分は違法」と主張。「(解任が)強行されれば、所要の法的措置をとらざるをえ
ない」と訴訟も辞さない構えを強調した。そのうえで「聴聞の調書を閲覧したうえで、反
論・反証する緊急の必要がある」と次の聴聞期日の指定を求めている。
 そもそも世間の下世話話では、石原伸晃国交相は「親父さんと比べて歯切れが悪い、就
任時にスパッと切ればよいモノをここまで引き延ばしてしまった」、という言い分がある。
客観的に見れば、そうではないだろう。現行の国家公務員の地位保全ということから考え
れば、サラリーマン的な考えの総裁にあっては、合法的に行ってもらいたいという言い分
は手続き的には間違いではない。
 問題は総裁という立場が、時の政権の考えで総裁にふさわしくないという考えで解任で
きる制度が明確化していないからである。大きな過ちがないからということで、行政手続
き法上の法律論云々で処理を行うというのが間違いで、政権発足時に特殊法人、官僚のト
ップは続投か辞任かを政権が判断し、政権の考えで直ちに実施するというのが、国民の側
から見てもわかりやすく、かつ、機動性を持った政策の実施を行うことができる。
 日本は官僚天国の「共産主義国家」であることを考えれば、今回のようなことがあって
も不思議ではない。国民がこのままでいいという風に思ってはいないことは分かっている
が、総選挙の度に善良の市民はだまされてきたではないか。自民党であれ、民主党であれ、
議員内閣制が続く限り、経済大国化した国家の運営には限界があることを悟らねばならな
い。こういった意味で憲法改正による国体の変革は緊急の課題として取り上げねばならな
い。平和憲法の維持のみを叫び、変革を阻害する今の政党に政権担当能力がないのはおろ
か、国民の税金をむさぼるばかりで国家の衰退をひた走る愚かな指導者たちに国の行方を
託してはならない。
 憲法改正に賛同する人も、しない人も、「平成デモクラシー」をインターネット上で上
梓いたしましたので、自由にログダウンしてお読みください(PDFファイルで1.6Mb)。
また賛同いただける方は賛同登録と兼用のメーリングリストを開設してありますので、登
録の上、ご意見など交換いただければ幸いに思います。
  ◆下記のurlで、PDF版の「平成デモクラシー」を入手いただけます。
        http://www.geocities.jp/kyowaparty/heiseidemo.pdf
  ◆上記のPDF版の中にも下記の賛同登録アドレスのリンクが入っておりま。
        http://www.freeml.com/info/newconstitution@freeml.com
 ◆登録後に意見交換等を行うメーリングリスト・アドレスは以下になります。        
        newconstitution@freeml.com

 

カテゴリー: 憲法, 未分類, 社会一般 | コメントする

日 本 国 憲 法 試 案(一次案)

日 本 国 憲 法 試 案(一次案)       
イラク攻撃前夜の日本国民の原点を確認する一つとして

 アメリカ合衆国憲法は、連邦制度を樹立するために1787年の憲法制定会議で起草さ
れ、連邦制度は1789年に機能し始めた。それ以来、27回の修正条項が追加されてい
る。「権利の章典」と呼ばれる最初の十ヵ条は一七九一年に確定し、最も新しい第二十七
条は一九九ニ年に確定した。憲法自体は簡潔で短く、諸原則に関するその記述全般は具体
的で国民主権を明確に打ち出している。ひるがえって我が国の憲法は、戦後五〇年あまり
一度も改正されたことがない。このこと自体が、不磨の大典化した制度疲労とともに国の
精神的な発展を妨げる要因となっている。無為無策の元凶は国民の怠慢以外のなにもので
はないことをわれわれ自身が知るべきである。
 現在の日本国憲法は、公開英文表記と見比べて読んでみると、いかに翻訳憲法であった
か、また意図的に意訳された側面があることを知ることができる。更に、現代語表記から
かけ離れた、意味不明の誤訳に基づく憲法でもある。真の国民主権とはなにか。基本制度
として三権分立をうたいながら、議員内閣制とは立法、内閣の分立にならない憲法違反で
あることなどは序の口として、言語明瞭意味不明の玉虫色九条など、改訂すべき点はあま
た存在する。本一次案は未来の国民国家発展のために、あるべき民間の発意の一つとして
読んでいただきたい。また、意味を分かりやすくするために現代用語表記に改め、日本語
に加え、日本語の持つ曖昧さ故に明瞭さを欠くことがないように英文表記も加えた。
———————————————————————————————————————–
                                                             改訂版英訳併記
 前文

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの
子孫のために、わが国全土にわたつて自由のもたらす恩恵を確保し、政府の行為によつて
再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し、ここに主権が国民に存することを宣言
する。
 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、そ
の権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普
遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一
切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、
平和を愛する国際社会の公正と信義に基づいて、われらの安全と生存を保持しようと決意
した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、抑圧と陵辱を地上から永遠に除去しようと
努めている国際社会において、名誉ある地位を占めねばならない。われらは、全世界の国
民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないので
あつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を
維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを
誓う。
    We, the Japanese people, acting through our duly elected representatives in the National Diet, 
determined that we shall secure for ourselves and our posterity the the blessings of liberty 
throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war 
through the action of government, do proclaim that sovereign power resides with the people and 
do firmly establish this Constitution.
  Goverment is a sacred trust of the people, the authority for which is derived from the people, 
the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which 
are enjoyed by the people. This is a universal principle of mankind upon which this Constitution 
is founded. We reject and revoke all constitutions,laws, ordinances, and rescripts in conflict 
herewith.
    We, the Japanese people, desire peace for all time and deeply conscious of the high ideals 
controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, 
trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world. We desire to occupy an 
honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the 
banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from the earth. We 
recognize that all peoples of the world have the right to live in the peace, free from fear and want.
    We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are 
universal; and that obedience to such laws is incumbent uopn all nations who would sustain their 
own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.
    We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and 
purposes with all our resources.

(天皇)第一章 天皇
CHAPTER I. THE EMPEROR

第一条 天皇は、日本国の象徴であり、この地位は、主権の存する日本国民の意志に基く。

  Article 1.  The Emperor shall be the symbol of Japan , deriving his position from the will of 
the people with whom resides sovereign power.
  ▲symbol of the Stateというもともとの英訳表記は、the symbol of Japanに変更。
  以後the Stateは、the Nationに変更。
(天皇)第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところ
により、これを継承する。

  Article 2.  The Imperial Throne shall be dynastic and succeeded to in accordance with the 
Imperial House Law passed by the Diet.

 (天皇)第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、
内閣が、その責任を負う。

  Article 3.  The advice and approval of the Cabinet shall be required for all acts of the Empiror 
in matters of state, and the Cabinet shall be responsible therefor.

(天皇)第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い 、国政に関す
る権能を有しない。
2天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
    
  Article 4.  The Emperor shall perform only such acts in matters of state as are provided for in 
the Constitution and he shall not have powers related to government.
  The Emperor may delegate the performance of his acts in matters of state as may be provided 
by law.

(天皇)第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で
その 国事に関する行為を行う。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
  
Article 5.  When, in accordance with the Imperial House Law, a Regency is established, the 
Regent shall perform his acts in matters of state in the Emperor’s name. In this case, paragraph 
one of the preceding article will be applicable.

(天皇)第六条 天皇は、国民の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。
2天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
 
 Article 6.  THe Emperor shall appoint the Prime Minister as designated by the people of Japan.
  The Emperor shall appoint the Chief Judge of the Supreme Court as designated by the Cabinet.

(天皇)第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行
為を行う。
  一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
  二 国会を召集すること。
  三 衆議院を解散すること。
  四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
  五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び
    公使の信任状を認証すること。
  六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
  七 栄典を授与すること。
  八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
  九 外国の大使及び公使を接受すること。
  十 儀式を行うこと。
  
Article 7.  The Emperor, with the advice and approval of the Cabinet, shall perform the following 
acts in matters of state on behalf of the people:
    Promulgation of amendments of the constitution, laws, cabinet orders and  treaties.
    Convocation of the Diet.
    Dissolution of the House of Representatives.
    Proclamation of general election of members of the Diet.
    Attestation of the appointment and dismissal of Ministers of State and other officials as
  provided for by law, and of full powers and credentials of Ambassadors and Ministers.
    Attestation of general and special amnesty, commutation of punishments, reprieve, and
  restoration of rights.
    Awarding of honors.
    Attestation of instruments of ratification and other diplomatic decuments as provided for by
  law.
    Receiving foreign ambassadors and ministers.
    Performance of ceremonial functions.

(天皇)第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、もしくは賜与す
ることは、衆議院の議決に基かなければならない。
  
Article 8.  No property can be given to or received by the Imperial House, nor can any gifts be 
made therefrom, without the authorization of the the House of Representatives.
                                                                 
(戦争の放棄)第二章 戦争の放棄
  CHAPTER II. RENUNCIATION OF WAR

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる
戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこ
れを放棄する。
1 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、自衛のための軍隊としてのみこ
れを保持する。軍隊の最高の指揮監督権は、内閣総理大臣に属する

  Article 9.  Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese 
people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as 
means of settling international disputes.
  In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as 
other war potential, will be recognized and maintained only for self defence purpose. The Prime 
Minister shall be the Commander in Chief of the land, sea, and air forces. 

(国民の権利及び義務)第三章 国民の権利及び義務

第一O条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

CHAPTER III. RIGHTS AND DUTIES OF THE PEOPLE 

  Article 10.  The conditions necessary for being a Japanese national shall be determined by law.

(国民の権利及び義務)第一一条 国民は、すべての基本的人権の享受を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及
び将来の国民に与えられる。                       (享有は死語に近い)有
  
  Article 11.  The peole shall not be prevented from enjoying any of the fundamental human 
rights. These fundamental human rights guaranteed to the people by this Constitution shall be 
conferred upon the people of this and future generations as eternal and inviolate rights.

(国民の権利及び義務)第一二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不
断の努力によつて、これを維持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはなら
ないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。
 ( 保持という表現では弱い、無責任になりかねない)
  Article 12.  The freedoms and rights guaranteed to the people by this Constitution shall be 
maintained by the constant endeavor of the people, who shall refrain from any abuse of these 
freedoms and rights and shall always be responsible for utilizing them for the public welfare.

(国民の権利及び義務)第一三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及
び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国
政の上で、最大の尊重を必要とする。
  
  Article 13.  All of the people shall be respected as individuals. Their right to life, liberty, and 
the pursuit of happiness shall, to the extent that it does not interfere with the public welfare, be 
the supreme consideration in legislation and in order governmental affairs.

(国民の権利及び義務)第一四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、
性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されな
い。
2華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれ
を有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
  
  Article 14.  All of the people are equal under the law and there shall be no discrimination in 
political, economic or social relations because of race, creed, sex, social status or family origin.
  Peers and peerage shall not be recognized.
  No privilege shall accompany any award of honor, decoration or any distinction, nor shall any 
such award be valid beyond the lifetime of the individual who now holds or hereafter may receive 
it.

(国民の権利及び義務)第一五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固
有の権利である。
2すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関
し公的にも私的にも責任を問はれない。

  Article 15.  The people have the inalienable right to choose their public officials and to dismiss 
them.
  All public officials are servants of the whole community and not of any group thereof.
  Universal adult suffrage is guaranteed with regard to the election of public officials.
  In all elections, secrecy of the ballot shall not be violated. A voter shall not be answerable, 
publicly or privately, for the choice he has made.

(国民の権利及び義務)第一六条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は
規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、か
かる請願を後援したためにいかなる差別待遇も受けない。
        (請願の後援者の保護を明確に)
  Article 16.  Every person shall have the right of peaceful petition for the redress of damage, 
for the removal of public officials, for the enactment, repeal or amendment of laws, ordinances or 
regulations and for other matters; nor shall any person be in any way discriminated against for 
sponsoring such a petition.

(国民の権利及び義務)第一七条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたとき
は、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

  Article 17.  Every person may sue for redress as provided by law from the the Nation or a 
public entity, in case he has suffered damage through illegal act of any public official.

(国民の権利及び義務)第一八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に
因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

  Article 18.  No person shall be held in bondage of any kind. Involuntary servitude, except as 
punishment for crime, is prohibited.

(国民の権利及び義務)第一九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

  Article 19.  Freedom of thought and conscience shall not be violated.

(国民の権利及び義務)第二O条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いか
なる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

  Article 20.  Freedom of religion is guaranteed to all. No religious organization shall receive 
any privileges from the Nation, nor exercise any  political authority.
  No person shall be compelled to take part in  any religious acts, celebration, rite or practice.
  The Nation and its organs shall refrain from religious education or any other religious activity.

(国民の権利及び義務)第二一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、
これを保障する。
2検閲は、これをしてはならない。あらゆる情報通信の秘密は、これを侵してはならない。
       (単純に情報通信の秘密だけでは住基ネットのような問題を防げない)
  Article 21.  Freedom of assembly and association as well as speech, press and all other forms 
of expression are guaranteed.
  No censorship shall be maintained, nor shall the secrecy of any means of communication be 
violated.

(国民の権利及び義務)第二二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び
職業選択の自由を有する。
2何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

  Article 22.  Every person shall have freedom to choose and change his residence and to choose 
his occupation to the extent that it does not interfere with the public welfare.
  Freedom of all persons to move to a foreign country and to divest themselves of their 
nationality shall be inviolate.

(国民の権利及び義務)第二三条 学問の自由は、これを保障する。

  Article 23.  Academic freedom is guaranteed.

(国民の権利及び義務)第二四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等
の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその
  他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定さ
  れなければならない。

  Article 24.  Marriage shall be based only on the mutual consent of both sexes and it shall be 
maintained through mutual cooperation with the equal rights of husband and wife as a basis.
  With regard to choice of spouse, property rights, inheritance, choice of domicile, divorce and 
other matters pertaining to marriage and the family, laws shall be enacted from the standpoint of 
individual dignity and the essential equality of the sexes.

(国民の権利及び義務)第二五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む
権利を有する。
2国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に
努めなければならない。

  Article 25.  All people shall have the right to maintain the minimum standards of wholesome 
and cultured living.
  In all spheres of life, the Nation shall use its endeavors for the promotion and extension of 
social welfare and security, and of public health.

3(国民の権利及び義務)第二六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能
力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる
義務を負う。義務教育は、これを無償とする。

  Article 26.  All people shall have the right to receive an equal education correspondent to their 
ability, as provided by law.
  All people shall be obligated to have all boys and girls under their protection receive ordinary 
education as provided for by law. Such compulsory education shall be free.

(国民の権利及び義務)第二七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
2賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3児童は、これを酷使してはならない。

  Article 27.  All people shall have right and the obligation to work.
  Standards for wages, hours, rest and other working conditions shall be fixed by law.
  Children shall not be exploited.

(国民の権利及び義務)第二八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動
をする権利は、これを保障する。

  Article 28.  The right of workers to organize and to bargain and act collectively is guaranteed.

(国民の権利及び義務)第二九条 財産権は、これを侵してはならない。
2財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

  Article 29.  The right to own or to hold property is inviolable.
  Property rights shall be defined by law, in conformity with the public welfare.
  Private proterty may be taken for public use uopn just compensation therefor.

(国民の権利及び義務)第三O条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負
う。

  Article 30.  The people shall be liable to taxation as provided by law.

(国民の権利及び義務)第三一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命
もしくはは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

  Article 31.  No person shall be deprived of life or liberty, nor shall any other criminal penalty 
be imposed, except according to procedure established by law.

(国民の権利及び義務)第三二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれな
い。

  Article 32.  No person shall be denied the right of access to the courts.

(国民の権利及び義務)第三三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権
限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、
逮捕されない。

  Article 33.  No person shall be apprehended except upon warrant issued by a competent judical 
officer which specifies the offense with which the person is charged, unless he is apprehended 
upon the offense being committed.

(国民の権利及び義務)第三四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人
に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由が
なければ、拘禁されない。また誰からでも要求があれば、その理由は、直ちに本人及びそ
の弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

  Article 34.  No person shall be arrested or detained without being at once informed of the 
charges against him or without the immediate privilege of counsel; nor shall he be detained 
without adequate cause; and upon demand of any person such cause must be immediately shown 
in open court in his presence and the presence of his counsel.

(国民の権利及び義務)第三五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、
捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基
いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2捜索又は押収は、権限を有する裁判官が発する個別件名ごとの令状により、これを行
う。                        (司法官権では不明瞭)

  Article 35.  The right of all persons to be secure in their homes, papers and effects against 
entries, searches and seizures shall not be impaired except upon warrant issued for adequate cause 
and particularly describing  the place to be searched and things to be seized, or except as 
provided by  Article 33.
  Each search or seizure shall be made upon separate warrant issued by a competent judge.

(国民の権利及び義務)第三六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁
ずる。

  Article 36.   The infliction of torture by any public officer and cruel punishments are 
absolutely forbidden.

(国民の権利及び義務)第三七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所
の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己
のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。
  被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

  Article 37.  In all criminal cases the accused shall enjoy the right to a speedy and public trial 
by an impartial tribunal.
  He shall be permitted full opportunity to examine all witnesses, and he shall have the right of 
compulsory process for obtaining witnesses on his behalf at public expense.
  At all times the accused shall have the assistance of competent counsel who shall, if the 
accused is unable to secure the same by his own efforts, be assigned to his use by the Nation.

(国民の権利及び義務)第三八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2強制、拷問もしくはは脅迫による自白又は不当に長く抑留もしくはは拘禁された後の自白は、
これを証拠とすることができない。
3何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は
刑罰を科せられない。

  Article 38.  No person shall be compelled to testify against himself.
  Confession made under compulsion, torture or threat, or after prolonged  arrest or detention 
shall not be admitted in evidence.
  No person shall be convicted or punished in cases where the only proof against him is his own 
confession.

(国民の権利及び義務)第三九条 何人も、実行のときに適法であつた行為又は既に無罪
とされた行為については、刑事上の責任を問われない。又、同一の犯罪について、重ねて
刑事上の責任を問われない。

  Article 39.  No person shall be held criminally liable for an act which was lawful at the time it 
was committed, or of which he has been acquitted, nor shall he be placed in double jeopardy.

(国民の権利及び義務)第四O条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けた
ときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

  Article 40.  Any person, in case he is acquitted after he has been arrested or detained, may sue 
the Nation for redress as provided by law.

(国会)第四章 国会
CHAPTER IV. THE DIET

第四一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

  Article 41.  The Diet shall be the highest organ of Nation power, and shall be the sole 
law-making organ of the Nation.

(国会)第四二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。参議院の主た
る役割は立法起案機能とする。

  Article 42.  The Diet shall consist of two Houses, namely the House of Representatives and the 
House of Councillors.  The House of Councillors funcons as legislative origination entity.

(国会)第四三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2両議院の議員の定数は、衆議院300名、参議院100名を上限に法律でこれを定める。
           (21世紀に現代風のごった煮的多人数は養いきれまい)
  Article 43.  Both Houses shall consist of elected members, representative of all the people.
  The number of the members of each House shall be fixed by law with limitation of 300 for the 
House of Representatives and 100 for the House of Councillors .

(国会)第四四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、
人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

  Article 44.  The qualifications of members of both Houses and their electors shall be fixed by 
law. However, there shall be no discrimination because of race, creed, sex, social status, family 
origin, education, property or income.

(国会)第四五条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、そ
の期間満了前に終了する。

  Article 45.  The term of office of members of the House of Representatives shall be four years. 
However, the term shall be terminated before the full term is up in case the House of 
Representatives is dissolved.

(国会)第四六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

  Article 46.  The term of office of members of the House of Councillors shall be six years, and 
election for half the members shall take place every three years.

(国会)第四七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律
でこれを定める。

  Article 47.  Electoral districts, method of voting and other matters pertaining to the method of 
election of members of both Houses shall be fixed by law.

(国会)第四八条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

  Article 48.  No person shall be permitted to be a member of both Houses simultaneously.

(国会)第四九条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から適正額の歳費
を受ける。

  Article 49.  Members of both Houses shall receive appropriate annual payment from the 
national treasury in accordance with law.

(国会)第五O条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕さ
れず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなけれ
ばならない。

  Article 50.  Except in cases provided by law, members of both Houses shall be exempt from 
apprehension while the Diet is in session, and any members apprehended before the opening of 
the session shall be freed during the term of the session upon demand of the House.

(国会)第五一条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で
責任を問われない。

  Article 51.  Members of both Houses shall not be held liable outside the House for speeches, 
debates or votes cast inside the House.

(国会)第五二条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。

  Article 52.  An ordinary session of the Diet shall be convoked once per year.

(国会)第五三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議
院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

  Article 53.  The Cabinet may determine to convoke extraordinary sessions of the Diet. When a 
quarter or more of the total members of either House makes the demand, the Cabinet must 
determine on such convocation.

(国会)第五四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員
の総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
2衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の
必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後
十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。

  Article 54.  When the House of Representatives is dissolved, there must be a general election 
of members of the House of Representatives within forty(40) days from the date of dissolution, 
and the Diet must be convoked within thirty (30) days from the date of the election.
  When the House of Representatives is dissolved, the House of Councillors is closed at the same 
time. However, the Cabinet may in time of national emergency convoke the House of Councillors 
in emergency session.
  Measures taken at such session as mentioned in the proviso of the preceding paragraph shall be 
provisional and shall become null and void unless agreed to by the House of Representatives 
within a period of ten (10)days after the opening of the next session of the Diet.

(国会)第五五条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員
の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

  Article 55.  Each House shall judge disputes related to qualifications of its members. However, 
in order to deny a seat to any member, it is necessary to pass a resolution by a majority of 
two-thirds or more of the members present.

(国会)第五六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を
開き議決することができない。
2両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれ
を決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

  Article 56.  Business cannot be transacted in either House unless one-third or more of total 
membership is present.
  All matters shall be decided, in each House, by a majority of those present, except as elsewhere 
provided in the Constitution, and in case of a tie, the presiding officer shall decide the issue.

(国会)第五七条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数
で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認め
られるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなけ
ればならない。

  Article 57.  Deliberation in each House shall be public. However, a secret meeting may be held 
where a majority of two-thirds or more of those members present passes a resolution thereon.
  Each House shall keep a record of proceedings. This record shall be published and given 
general circulation, excepting such parts of proceedings of secret session as may be deemed to 
require secrecy.
  Upon demand of one-fifth or more of the members present, votes of the members on any matter 
shall be recorded in the minutes.

(国会)第五八条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2両議院は、各々その会議、手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序を
みだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二
以上の多数による議決を必要とする。

  Article 58.  Each House shall select its own president and other officials.
  Each House shall establish its rules pertaining to meetings, proceedings and internal discipline, 
and may punish members for disorderly conduct. 
However, in order to expel a member, a majority of two-thirds or more of those members present 
must pass a resolution thereon.

(国会)第五九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、衆議院ならび
に参議院で可決することが必要となる。
2衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三
分の二以上の多数で再び可決することが必要となる。
3前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求
めることを妨げない。
4参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日
以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすこと
ができる。
5衆議院および参議院を通過したすべての法案は、法律となるに先立ち、内閣総理大臣に
送付されなければならない。内閣総理大臣が承認する時はこれに署名し、承認しない時に
は拒否理由を添えて、これを発議した議院に還付する。その議院は、その拒否理由の全部
を議事録に記載し、法案を再審議する。再審議の結果、その議院の三分の二がその法案の
通過に同意した場合は、法案は内閣総理大臣の拒否理由と共に他の議院に送付され、他の
議院でも同様に再審議を行う。そして再び三分の二をもって可決された場合には、その法
案は法律となる。すべてこれらの場合に、両議院における表決は、賛否の表明によってな
され、法案の賛成投票者および反対投票者の氏名は、各議院の議事録に記載されるものと
する。もし法案が内閣総理大臣に送付されてから十日以内(日曜日を除く)に還付されない
時は、その法案は内閣総理大臣が署名した場合と同様に法律となる。ただし、国会の休会
により、法案を還付することができない場合は法律とはならない。

  Article 59.  A bill must be on passage by House of Representative and the House of 
Councillors, except as otherwise provided by the Constitution.
  A bill which is passed by the House of Representatives, and upon which the House of 
Councillors makes a decision different from that of the House of Representatives, must be 
passed a second time by the House of Representatives by a majority of two-thirds or more 
of the members present.
  The provision of the preceding paragraph does not preclude the House of Representatives from 
calling for the meeting of a joint committee of both Houses, provided for by law.
  Failure by the House of Councillors to take final action within sixty (30)days after receipt of a 
bill passed by the House of Representatives, time in recess excepted, may be determined by the 
House of Representatives to constitute a rejection of the said bill by the House of Councillors.
  Every Bill which shall have passed the House of Representatives and the House of Councillors, 
shall, before it become a Law, be presented to the Prime Minister of Japan; If he approve he shall 
sign it, but if not he shall return it, with his Objections to that House in which it shall have 
originated, who shall enter the Objections at large on their Journal, and proceed to reconsider it. If 
after such Reconsideration two thirds of that House shall agree to pass the Bill, it shall be sent, 
together with the Objections, to the other House, by which it shall likewise be reconsidered, and if 
approved by two thirds of that House, it shall become a Law. But in all such Cases the Votes of 
both Houses shall be determined by yeas and Nays, and the Names of the Persons voting for and 
against the Bill shall be entered on the Journal of each House respectively. If any Bill shall not be 
returned by the Prime Minister of Japan within ten Days (Sundays excepted) after it shall have 
been presented to him, the Same shall be a Law, in like Manner as if he had signed it, unless the 
Diet by their Adjournment prevent its Return, in which Case it shall not be a Law. 

(国会)第六O条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
2予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところによ
り、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した
予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議
院の議決を国会の議決とする。

  Article 60.  The budget must first be submitted to the House of  Representatives.
  Upon consideration of the budget, when the House of Councillors makes a decision different 
from that of the House of Representatives, and when no agreement can be reached even through a 
joint commitee of both Houses, provided for by law, or in the case of failure by the House of 
Councillors to take final action within thirty (30) days, the period of recess excluded,after the 
receipt of the budget passed by the House of Representatives, the decision of the House of 
Representatives shall be the decision of the Diet.

(国会)第六一条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用
する。

  Article 61.  The second paragraph of the preceding article applies also to the Diet approval 
required for the conclusion of treaties.

(国会)第六二条 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭
及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

  Article 62.  Each House may conduct investigations in relation to government, and may 
demand the presence and testimony of witnesses, and the production of records.

(国会)第六三条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有し
ないとにかかわらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。
  又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

  Article 63.  The Prime Minister and other Nation Ministers at any time, appear in either House 
for the purpose of speaking on bills, regardless of whether they are members of the House or not. 
They must appear when their presence is required in order to give answers or explanations.

(国会)第六四条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で
組織する弾劾裁判所を設ける。
2弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

  Article 64.  The Diet shall set up an impeachment court from among the members of both 
Houses for the purpose of trying those judges against whom  removal proceedings have been 
instituted.
  Matters relating to impeachment shall be provided by law.

(内閣)第五章 内閣
CHAPTER V. THE CABINET

第六五条 行政権は、内閣総理大臣に属する。

  Article 65.  Executive power shall be vested in the Prime Minister.

(内閣)第六六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及び
その他の国務大臣でこれを組織する。
2内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。

  Article 66.  The Cabinet shall consist of the Prime Minister, who shall be its head, and other 
Nation Ministers, as provided for by law.
  The Prime Minister and other Nation Ministers must be civilians.
  The Cabinet, in the exercise of executive power, shall be collectively responsible to the Diet.
 
   (▲首相公選制の場合、多くの変更点の中で最も重要な箇所になる。)
(内閣)第六七条 行政権は、日本国の内閣総理大臣に帰属する。内閣総理大臣の任期は
四年とし、同一任期で選任される副内閣総理大臣と共に、下記の方法で選挙される。
2各県はその県議会の定める方法により、その県から県議会に選出できる参議院および衆
議院の議員の総数と等しい数の選挙人を任命する。ただし、両議院の議員、または政府の
下で信任あるいは報酬を受ける官職にある者は、選挙人に任命されてはならない。
3選挙人は各々その県に会合し、投票によって、内閣総理大臣および副内閣総理大臣を決
定する。この二人の内、少なくとも一人は、選挙人と同じ県の住民であってはならない。
選挙人は、その投票において内閣総理大臣として投票する者を指名し、別の投票において
副内閣総理大臣として投票する者を指名する。また選挙人は、内閣総理大臣として投票さ
れたすべての者あるいは副内閣総理大臣として投票されたすべての者の表ならびに各人の
得票数の表を作成し、これらの表に署名し証明した上、封印をして参議院議長に宛て、送
付しなければならない。参議院議長は、衆参両院議員出席の下に、すべての証書を開封し、
次いで投票が計算される。内閣総理大臣として最多得票を獲得した者を内閣総理大臣とす
る。ただし、その数は任命された選挙人総数の過半数でなければならない。もし何人も過
半数を得なかった時は、内閣総理大臣として投票された者の内、三名を超えない最高得票
者の中から、衆議院が直ちに投票により内閣総理大臣を選任しなければならない。内閣総
理大臣の選任に際して、各県の衆議院議員団は一票を有するものとし、投票は県を単位と
して行う。この目的のための定足数は、全県の三分の二の県から一名またはそれ以上の議
員が出席することによって成立し、また選任のためには全県の過半数が必要である。もし
右の選任権が衆議院に委譲された場合に、衆議院が次の三週間以内に内閣総理大臣を選任
しない時は、内閣総理大臣の死亡またはその他の憲法上の不能力を生じた場合と同様に、
副内閣総理大臣が内閣総理大臣の職務を遂行する。副内閣総理大臣として最多得票をした
者を、副内閣総理大臣とする。ただし、その数は任命された選挙人総数の過半数でなけれ
ばならない。もし何人も過半数を得なかった時は、二名の最高得票者の中から、参議院が
副内閣総理大臣を選任しなければならない。この目的のための定足数は、参議院議員の総
数の三分の二とし、また選任のためには総数の過半数が必要である。しかし何人といえど
も、憲法上内閣総理大臣職に就く資格のない者は、副内閣総理大臣の職に就くことができ
ない。

  Article 67.  The executive Power shall be vested in a Prime Minister of Japan. He shall hold 
his Office during the Term of four Years, and, together with the Vice Prime Minister, chosen for 
the same Term, be elected, as follows
  Each Prefecture shall appoint, in such Manner as the Legislature thereof may direct, a Number 
of Electors, equal to the whole Number of the House of Councillors and Representatives to which 
the Prefecture may be entitled in the Diet: but no Councillors or the House of 
Representatives, or Person holding an Office of Trust or Profit under the Nation, shall be 
appointed an Elector.
  The electors shall meet in their respective prefecture and vote by ballot for Prime Minister and 
Vice-Prime Minister, one of whom, at least, shall not be an inhabitant of the same Prefecture with 
themselves; they shall name in their ballots the person voted for as Prime Minister, and in distinct 
ballots the person voted for as Vice- Prime Minister, and they shall make distinct lists of all 
persons voted for as Prime Minister, and of all persons voted for as Vice-Prime Minister, and of 
the number of votes for each, which lists they shall sign and certify, and transmit sealed to the 
Prime Minister of the House of Councillors;–The Prime Minister of the House of Councillors shall, in the presence of the 
Councillors and House of Representatives, open all the certificates and the votes shall then be 
counted;–the person having the greatest number of votes for Prime Minister, shall be Prime 
Minister, if such number be a majority of the whole number of electors appointed; and if no 
person have such majority, then from the persons having the highest numbers not exceeding three 
on the list of those voted for as Prime Minister, the House of Representatives shall choose 
immediately, by ballot, Prime Minister. But in choosing Prime Minister, the votes shall be taken 
by prefecture, the representation from each Prefecture having one vote; a quorum for this purpose 
shall consist of a member or members from two-thirds of the prefecture, and a majority of all the 
prefecture shall be necessary to a choice. And if the House of Representatives shall not choose a 
 Prime Minister whenever the right of choice shall devolve upon them, before the day of next 
third weeks following, then the Vice-Prime Minister shall act as Prime Minister, as in the case of 
the death or other constitutional disability of Prime Minister. The person having the greatest 
number of votes as Vice-Prime Minister, shall be the Vice-Prime Minister, if such number be a 
majority of the whole number of electors appointed, and if no person have a majority, then from 
the two highest numbers on the list, the House of Councillors shall choose the Vice-Prime Minister; a quorum 
for the purpose shall consist of two-thirds of the whole number of the House of Councillors, and a 
majority of the whole number shall be necessary to a choice. But no person constitutionally 
ineligible to the office of Prime Minister shall be eligible to that of Vice-Prime Minister of the 
Nation.
 
(内閣)第六八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その内少なくも適当数
は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
        (現状の議員内閣制は原則的に廃止する)
  Article 68.  The Prime Minister shall appoint the Nation Ministers. 
However, at least a few of their number must be chosen from among the members of the Diet.
  The Prime Minister may remove the Nation Ministers as he chooses.

(内閣)第六九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決
したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

  Article 69.  If the House of Representatives passes a non-confidence resolution, or rejects a 
confidence resolution, the Cabinet shall resign en masse, unless the House of Representatives is 
dissolved within ten (10) days.

(内閣)第七O条 前条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引
き続きその職務を行う。

  Article 70.  In the cases mentioned in the preceding articles, the Cabinet shall continue its 
functions until the time when a new Prime Minister is appointed

(内閣)第七一条内閣総理大臣が欠けたとき、副内閣総理大臣が内閣総理大臣の職務を遂
行する。 
  Article 71. When there is a vacancy in the post of Prime Minister, the Vice-Prime Minister 
shall act as Prime Minister. .

(内閣)第七二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び
外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

  Article 72.  The Prime Minister, representing the Cabinet, submits bills, reports on general 
national affairs and foreign relations to the Diet and exercises control and supervision over 
various administrative branches.

(内閣)第七三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行う。
  一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
  二 外交関係を処理すること。
  三  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経るこ
      とを必要とする。
  四 法律の定める基準に従い、官吏に関する事務を掌理すること。
  五 予算を作成して国会に提出すること。
  六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、
      特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
  七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

  Article 73.  The Cabinet, in addition to other general administrative functions, shall perform the 
following functions:
    Administer the law faithfully; conduct affairs of Nation.
    Manage foreign affairs.
    Conclude treaties. However, it shall obtain prior or, depending on circumstances, subsequent 
approval of the Diet.
    Administer the civil service, in accordance with standards established by law.
    Prepare the budget, and present it to the Diet.
    Enact cabinet orders in order to execute the provisions of this Constitution and of the law. 
However, it cannot include penal provisions in such cabinet orders unless authorized by such law.
    Decide on general amnesty, special amnesty, commutation of punishment, reprieve, and 
restoration of rights.

(内閣)第七四条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が
連署することを必要とする。

  Article 74.  All laws and cabinet orders shall be signed by the competent Minister of Nation 
and countersigned by the Prime Minister.

(内閣)第七五条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追され
ない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

  Article 75.  The Nation Ministers, during their tenure of office, shall not be subject to legal 
action without the consent of the Prime Minister. However, the right to take that action is not 
impaired hereby.

(司法)第六章 司法
CHAPTER VI. JUDICIARY

 第七六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁
判所に属する。
2特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うこ
とができない。
3すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘
束される。

  Article 76.  The whole judical power is vested in a Supreme Court and in such inferior courts 
as are established by law.
  No extraordinary tribunal shall be established, nor shall any organ or agency of the Executive 
be given final judicial power.
  All judges shall be independent in the exercise of their conscience and  shall be bound only by 
this Constitution and the laws.

(司法)第七七条 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司
法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
3最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することが
できる。

  Article 77.  The Supreme Court is vested with the rule-making power under which it 
determines the rules of procedure and of practice, and of matters relating to attorneys, the internal 
discipline of the courts and the administration of judicial affairs.
  Public procurators shall be subject to the rule-making power of the Supreme Court.
  The Supreme Court may delegate the power to make rules for inferior courts to such courts.

(司法)第七八条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができな
いと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処
分は、行政機関がこれを行うことはできない。

  Article 78.  Judges shall not be removed except by public impeachment unless judically 
declared mentally or physically incompetent to perform official duties. No disciplinary action 
against judges shall be administered by any executive organ or agency.

(司法)第七九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁
判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、国民
の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の際更に審査に
付し、その後も同様とする。
3前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、
罷免される。
4審査に関する事項は、法律でこれを定める。
5最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
6最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、こ
れを減額することができない。

  Article 79.  The Supreme Court shall consist of a Chief Judge and such number of judges as 
may be determined by law; all such judges excepting the Chief Judge shall be appointed by the 
Cabinet.
  The appointment of the judges of the Supreme Court shall be reviewed by the people at the 
first general election of members of the House of Representatives following their appointment, 
and shall be reviewed again at the first general election of members of the House of 
Representatives after a lapse of ten (10) years, and in the same manner thereafter.
  In cases mentioned in the foregoing paragraph, when the majority of the voters favors the 
dismissal of a judge, he shall be dismissed.
  Matters pertaining to review shall be prescribed by law.
  The judges of the Supreme Court shall be retired upon the attainment of the age as fixed by 
law.
  All such judges shall receive, at regular stated intervals, adequate compensation which shall not 
be decreased during their terms of office.

(司法)第八O条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内
閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、
法律の定める年齢に達した時には退官する。
2下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、こ
れを減額することができない。

  Article 80.  The judges of the inferior courts shall be appointed by the Cabinet from a list of 
persons nominated by the Supreme Court. All such judges shall hold office for a term of ten (10)
 years with privilege of reappointment, provided that they shall be retired upon the attainment of 
the age as fixed by law.
  The judges of the inferior courts shall receive, at regular stated intervals, adequate 
compensation which shall not be decreased during their terms of office.

(司法)第八一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか
しないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

  Article 81.  The Supreme Court is the court of last resort with power to determine the 
constitutionality of any law, order, regulation or official act.

(司法)第八二条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う。
2裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場
合には、対審は、公開しないでこれを行うことができる。但し、政治犯罪、出版に関する
犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつている事件の対審は、常にこ
れを公開しなければならない。

  Article 82.  Trials shall be conducted and judgment declared publicly.
  Where a court unanimously determines publicity to be dangerous to public order or morals, a 
trial may be conducted privately, but trials of political offenses, offenses involving the press or 
cases wherein the rights of people as guaranteed in Chapter III of this Constitution are in question 
shall always be conducted publicly.

(財政)第七章 財政
CHAPTER VII. FINANCE

第八三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければなら
ない。

  Article 83.  The power to administer national finances shall be exercised as the Diet shall 
determine.

(財政)第八四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律
の定める条件によることを必要とする。

  Article 84.  No new taxes shall be imposed or existing ones modified except by law or under 
such conditions as law may prescibe.

(財政)第八五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くこと
を必要とする。

  Article 85.  No money shall be expended, nor shall the Nation obligate itself, except as 
authorized by the Diet.

(財政)第八六条 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受
け議決を経なければならない。

  Article 86.  The Cabinet shall prepare and submit to the Diet for its consideration and decision 
a budget for each fiscal year.

(財政)第八七条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設
け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

  Article 87.  In order to provide for unforeseen deficiencies in the budget,a reserve fund may be 
authorized by the Diet to be expended upon the responsibility of the Cabinet.
  The Cabinet must get subsequent approval of the Diet for all payments from the reserve fund.

(財政)第八八条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上し
て国会の議決を経なければならない。

  Article 88.  All property of the Imperial Household shall belong to the Nation. All expenses of 
the Imperial Household shall be appropriated by the Diet in the budget.

(財政)第八九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくはは団体の使用、便益
もしくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育もしくはは博愛の事業に対し、
これを支出し、又はその利用に供してはならない。

  Article 89.  No public money or other property shall be expended or appropriated for the use, 
benefit or maintenance of any religious institution or association, or for any charitable, edicational 
or benevolent enterprises not under the control of public authority.

(財政)第九O条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣
は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

  Article 90.  Final accounts of the expenditures and revenues of the Nation shall be audited 
annually by a Board of Audit and submitted by the Cabinet to the Diet, together with the 
statement of audit, during the fiscal year immediately following the period covered.
  The organization and competency of the Board of Audit shall be determined by law.

(財政)第九一条 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財
政状況について報告しなければならない。

  Article 91.  At regular intervals and at least annually the Cabinet shall report to the Diet and 
the people on the Nation of national finances.

(地方自治)第八章 地方自治
CHAPTER VIII. LOCAL SELF-GOVERNMENT

第九二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律
でこれを定める。

  Article 92.  Regulations concerning organization and operations of local public entities shall be 
fixed by law in accordance with the principle of local autonomy.

(地方自治)第九三条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関と
して議会を設置する。
2地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団
体の住民が、直接これを選挙する。

  Article 93.  The local public entities shall establish assemblies as their deliberative organs, in 
accordance with law.
  The chief executive officers of all local public entities, the members of their assemblies, and 
such other local officials as may be determined by law shall be elected by direct popular vote 
within their several communities.

(地方自治)第九四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を
執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

  Article 94.  Local public entities shall have the right to manage their property, affairs and 
administration and to enact their own regulations within law.

(地方自治)第九五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるとこ
ろにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会
は、これを制定することができない。

  Article 95.  A special law, applicable only to one local public entity, cannot be enacted by the 
Diet without the consent of the majority of the voters of the local public entity concerned, 
obtained in accordance with law.

(改正)第九章 改正
CHAPTER IX. AMENDMENTS

第九六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の二分の一以上の賛成で、国会が、これを
発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票
又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成
すものとして、直ちにこれを公布する。
 (▲議員に限らず、民間発議条項を盛り込むことも検討課題。国民主権のあり方を明示)

  Article 96.  Amendments to this Constitution shall be initiated by the Diet, through a 
concurring vote of one-half or more of all the members of each House and shall thereupon be 
submitted to the people for ratification, which shall require the affirmative vote of a majority of 
all votes cast thereon, at a special referendum or at such election as the Diet shall specify.
  Amendments when so ratified shall immediately be promulgated by the Emperor in the name of 
the people, as an integral part of this Constitution.

(最高法規)第一O章 最高法規
CHAPTER X. SUPREME LAW

第九七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の
努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対
し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

  Article 97.  The fundamental human rights by this Consitution guaranteed to the people of 
Japan are fruits of the age-old struggle of mankind to be free; they have survived the many 
exacting tests for durability and are conferred upon this and future genatations in trust, to be held 
for all time inviolate.

(最高法規)第九八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命
令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要と
する。

  Article 98.  This Constitution shall be the supreme law of the nation and no law, ordinance, 
imperial rescript or ther act of government, or part thereof, contrary to the provisions hereof, shall 
have legal force or validity.
  The treaties concluded by Japan and established laws of nations shall be faithfully observed.

(最高法規)第九九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、
この憲法を尊重し擁護する義務を負う。

  Article 99.  The Emperor or the Regent as well as Nation Ministers, members of the Diet, 
judges, and all other public officials have the obligation to respect and uphold this Constitution.

(補則)第一一章 補則
CHAPTER XI. SUPPLEMENTARY PROVISIONS

第一OO条 この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行す
る。
2この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並
びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行うこ
とができる。

  Article 100.  This Constitution shall be enforced as from the day when the period of six 
months will have elapsed counting from the day of its promulgation.
  The enactment of laws necessary for the enforcement of this Constitution, the election of 
members of the House of Councillors and the procedure for the convocation of the Diet and other 
preparatory procedures necessary for the enforcement of this Constitution may be executed before 
the day prescribed in the preceding paragraph.

(補則)第一O一条 この憲法施行の際、参議院がまだ成立していないときは、その成立
するまでの間、衆議院は、国会としての権限を行う。

  Article 101.  If the House of Councillors is not constituted before the effective date of this 
Constitution, the House of Representatives shall function as the Diet until such time as the House 
of Councillors shall be constituted.

(補則)第一O二条 この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、
これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

  Article 102.  The term of office for half the members of the House of Councillors serving in 
the first term under this Constitution shall be tree years. Members falling under this category shall 
be determined in accordance with law.

(補則)第一O三条 この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並
びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められている者は、法律
で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失うことは
ない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命された時は、当然その地位を失う。

  Article 103.  The Nation Ministers, members of the House of Representatives and judges in 
office on the effective date of this Constitution, and all other public officials who occupy 
positions corresponding to such positions as are recognized by the Constitution shall not forfeit 
their positions automatically on account of the enforcement of this Constitution unless otherwise 
specified by law. When, however, successors are elected or appointed under the provisions of this 
Constitution, they shall forfeit their positions as a matter of course.

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憲法改正に関して

憲法改正に関して

◆憲法改正の流れ
 朝日新聞は1997年4月、憲法に関して面接方式による全国世論調査を行い、4月2
6日朝刊にその結果を載せている。それによれば、「改正する必要がある」が46%で、
「改正する必要はない」が39%になっている。
 これを世代別に見ると、20代の場合、賛成55%で反対37%。30代は賛成59%
で反対31%。40代が賛成52%、反対33%。50代で賛成44%、反対41%。6
0代が賛成36%、反対48%。70代は賛成24%、反対45%となっている。年齢が
高くなるほど反対が多くなる傾向にあるが、全体としては賛成の方向に向かっているとみ
ることができる。 
 改憲賛成派に具体的な改正点を聞いた項目があるが、その中で「国際紛争での軍事的役
割の明記」が10%で一番高い数値である。いわゆる9条問題だ。2番目が「首相公選制
や国民投票制度の新設」で8%という数字となっている。そのほかでは、「国や自治体の
情報公開」7%、「衆参二院制の見直し」6%、「自衛権の明記」5%、「プライバシーや
環境権など新しい権利」5%という数字になっている。
 政権が頻繁に交代し、サラリーマン化した政党は党利党略に狂奔し、その結果、小市民
的官僚が税金の無駄を行い、政治は国民の方を向いていない現在の日本において、国民に
直接選ばれた大統領制(首相公選)が、国家、官僚組織の総合的見直しに始まって破綻し
た財政の建て直し、いわゆる、「行革」が可能な唯一の残された選択肢となってきた。経
済の長期的右肩下がりが現実的になった今、なによりも国の根幹にわたる構造改革が急務
である。その前提が憲法改正であり、真の三権の分立であり、自衛権の明文化であり、国
民主権の明確化である。
 戦後半世紀にわたり、いたずらに平和憲法を唱え、市民社会における精神の研鑽陶冶を
怠たり、経済の発展にのみ忠実であったといっても過言でない過去の事実を直視し、かつ、
世界の安全に貢献することのなかった我が国にとって、国際社会における国民の生命の安
全と尊厳の確保のために、憲法を改正し独立した軍隊たる自衛隊の憲法上の認知を明文化
するなど、現実を直視した国家観を持たない限り、真の自立と責任を果たすことはできな
い。これは決して、戦前に戻ることにはならない。むしろ新しい「戦後」を形作ることに
なる。
 96年の安保再定義、それに基づく日米防衛協力の新ガイドライン、99年にはそれを
立法化した周辺事態法が成立した。アジア地域での米軍の戦争に自衛隊が後方支援をする
ようになった。インド洋への「情報収収集活動」のためのイージス艦霧島の派遣は、次へ
の一つのステップとなる。
 有事法制を制定する現状での狙いは、米軍がアジア地域の紛争に武力介入した際、日本
が後方支援に国民を動員する一歩進めた体制をつくることだ。このことは朝鮮半島が再び
不安定要因として台頭してきている現在、現実的な意味を持ってきているといえる。
 米国が「秩序の維持」や「人権擁護」を掲げて世界の地域的紛争に介入する背景には、
グローバルに展開する米国系多国籍企業の存在や相互依存を深めた世界経済があることは
自明の理だ。世界中で起こる地域的紛争からそれらを守ることは、米国の利益・安全でも
ある。このことを直ちに、アメリカ帝国主義と決めつけるのは短絡的で現実的ではない。
異なる文明の衝突論は紛れもない事実だが、テロ、核の脅威が存在する限り、抑止力とし
て軍事をはじめ、経済的抑止、外交とあらゆる手だてを講ずることはまた、世界の秩序の
維持という点で日本の利益・安全にもかなうことでもある。テロによる被害を恐れるあま
りになにも具体的な手だてを打たないというのでは、精神、倫理の荒廃以外の何ものでは
ないといえないだろうか。
 我が国にとって後方支援そのものが実質的な戦争行為であることは間違いない。すなわ
ち、集団的自衛権の行使だ。政府はあくまで「憲法の枠内」と言っているが、今後、更に
専守防衛の枠から自主防衛のための軍事行動を可能とすべき場面の想定を念頭に置いた場
合、憲法改正が必要不可欠となる。その場合、米国の要請如何ということではなく、我が
国の国益と世界の秩序の維持ということになる。朝鮮半島における不安定要因が増加し、
拉致問題が我が国の現実に解決しなければならない問題として、国民の関心が高くなって
いる現状を考えれば、なおさらである。
  これらの歴史的認識は、<村山談話>以降の国民の憲法改正に向けての声なきコンセン
サス形成の流れに符合するように思われる。
 戦後50年を迎えた95年8月15日、村山首相は「我が国は遠くない過去の一時期、
国策を誤り、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し
て多大の損害と苦痛を与えた」とし、植民地支配と侵略を「疑うべくもない歴史の事実」
と明言。改めて反省と謝罪を表明する談話を発表した。談話はその後続いた首相らも踏襲、
村山談話に沿った「おわびと哀悼」を語っている。事実としての歴史認識を背景に置き、
将来を見据えるという姿勢がなによりもこれからの歴史には必要なことである。
 植民地支配と侵略について反省とおわびを表明した「村山談話」とその中で自衛隊を合
憲と認めたことは、日本の政治のターニングポイントである。その後の政治で保守、革新
が対立軸たりえず、野党が凋落傾向を強めたのは当然の結果である。
 勢いを得た自民党が、ここぞとばかりに政治的攻勢をかけるのも当然である。すなわち、
「核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」について、憲法改正
の話も出てくるような時代になったからには、積極的に国際情勢や国民が『(核を持つべ
きだ』ということにならないまでも、核保有を全否定する時代感覚でもなくなってきてい
る」、との解釈も政府首脳の中に出てきている。現に、福田官房長官は、大陸間弾道ミサ
イル(ICBM)や核兵器の保有について「憲法上、法理論的に持ってはいけないと書い
てはいないと思う。積極的に政策判断として持つのはやめようというのが非核三原則だ」
といっている。そのこと自身は誤った見解でもない。また、安倍官房副長官が早大での講
演で「憲法上は原子爆弾の保有も問題ではない」と発言したとするなどの週刊誌報道もあ
る。
 日本の政治の本来果たさなければいけない大対立軸は、改憲、構造改革、国民主権、地
方自治の4分野であると思うが、これが戦後50年を経て、議院内閣制による罠ともいう
べき政治の大停滞を引き起こしているところに、最大の問題点がある。
 
◆首相公選論
 首相公選の仕組みについては、さまざまな提案がある。公選を戦後早くから唱えてきた
中曽根康弘元首相の案は、(1)直接の国民投票で過半数を得た候補を天皇が首相に任命
する(2)立候補には国会議員30人ないし50人の推薦か、有権者50万人ないし10
0万人の推薦署名を必要とする(3)任期は4年で2期まで(4)首相は国会を通過した
予算案や法案に対する拒否権を持つ、などの内容だ。
 厳密な意味で、世界で首相公選を採用しているのはイスラエルだけだ。1996年から
実施され、大統領とは別に有権者が直接選ぶ。立候補するには、10人以上の国会議員か
5万人以上の有権者の推薦署名が必要だ。だが、大統領制ならば、世界の半数以上がそれ
に該当する。日本で大統領制と呼ばないのは、天皇の存在を意識しての首相公選制という
ことで、実質的には大統領制と考えて問題はない。 
 公選実現には憲法改正が必要だ。「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、
これを指名する」(67条)などを変えねばならない。3権の分立ということからいえば、
国会議員の中から国会の議決で、これを指名するというのは、行政権の独立を侵す憲法違
反でもあるからだ。その場合、国会を「国権の最高機関」と定めている41条の改正も必
要だ。国会議員の信頼度が20%を切ってしまった現在ではなおさらのことである。

◆公選論の背景 
 2002年1月6日からの中央省庁再編では、首相官邸のスタッフを強化したほか、副
大臣・政務官制度なども導入され、「官僚主導に代わる政治主導の政策決定」がいわれて
いる。しかし一層の政治主導を実現するには首相公選しかなかろう。
 学者や経済人らのグループ「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調、亀井正夫
会長)が2001年秋に実施した国会議員アンケート(衆参両院議員のうち48.3%が
回答)では、全体の54.1%が首相公選を「前向きに検討すべきだ」と答え、「現時点
では必要はない」の30%を大きく上回った。自民党では「前向き」が42.6%にとど
まったが、民主党では73.6%にのぼっている。97年の朝日新聞世論調査と同一の軌
道にある。 
国会議員アンケート「首相公選論は検討すべきか」に対して 
(1)前向きに検討すべきである(2)現時点で、その必要はない(3)どちらともいえ
ない(4)不明 への回答は 
国会議員全体 54.1  30.0  15.3  0.6 
自民党    42.6  38.5  18.9   
民主党    73.6  12.4  12.4  1.6 
公明党    65.5  13.8  20.7   
共産党     88.9  11.1   
社民党       33.3  44.4  22.2   
自由党       14.3  71.4  14.3   
保守党    50.0  50.0     
 東京都の石原慎太郎知事も衆院の憲法調査会で参考人として出席した際、首相公選につ
いて「行政のトップに立つ内閣総理大臣を国民が選ぶというのは、現代ではごくごく妥当
な方法だ」と述べている。石原氏以外でも、長野県の田中康夫知事や高知県の橋本大二郎
知事らも首相公選論者である。 
 民間でも2001年11月に市民グループが「首相公選の会」(小田全宏代表)を設立。
討論会などを開く一方、国民の1割に当たる約1200万人の署名集めを進めている。ホ
ームページでの案内があるが、若干、渋滞状況にあることは否めない。
 その理由はいろいろあるが、自民党では中曽根氏に加え山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎
各氏の「YKK」が首相公選論者でありながら積極的に唱えてこなかった経緯がある。ま
た、民主党では元鳩山由紀夫代表が公選論者でありながら、前述市民グループとの連携を
一切とっていないという、鈍感さが災いしている。新代表の菅直人も更に鈍感だ。
 このほか、反対論では小沢一郎氏の元首との関係での否定論、共産党の「独裁的な強権
政治の基盤になる危険がある」(94年の党見解)、社民党の「議院内閣制を形がい化し、
行政優位の官僚制や危機管理対策をますます強めることになる」、などの理由にならない
論がある。首相公選問題は政党内、政党間の意見集約では絶対に不可能だ。議院内閣制と
いう魔法の杖の前で踊っている人たちが決められる範囲のこことではない。
 さらに首相公選とは、憲法改正を伴うものであり、現在の憲法では、衆参両院で3分の
2以上の賛成で発議され、さらに国民投票で過半数の賛成がなければできない。このよう
にハードルの高い憲法は、日本国民を変革という目標からすると、隷従に止まらせる難物
化したものものである。ゆえに、クーデターか憲法廃止新制定の立法化措置を経ない限り、
達成はできない。つまり、強大な国民運動が必要なのである。
 日本の政治は、リクルート事件など相次いだ政治スキャンダルを受けてこの10年余り
は選挙制度や政治資金制度の改革に取り組んできた。「衆院に小選挙区制を導入すれば、
政治主導の政策決定が実現できて政治の質も向上する」といった見通しも語られてきた。
だが、現状ではケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)事件に見られるように、
政治とカネをめぐるスキャンダルは絶えず、小選挙区制の導入で政治の質が高まっている
ようにも見えない。
 戦後の議院内閣制は、戦争の反省を踏まえて、特定の人物や機関に権力を集中させては
いけないという判断から導入された。
 廃墟の中から立ち上がるために、内閣が国会のコンセンサスの上に行政を進め、与野党
のエネルギーを右肩上がりの経済の中で吸収し、半世紀にわたる巨大官僚組織の経済支配
網の拡大を許す結果となった。日本の官僚組織はたとえていうと、中国共産党の組織と組
織論という点では同一であり、日本は行き詰まった自由主義共産主義国家である。
 現時点で議院内閣制は明確な憲法違反であるという、(3権分立の精神から)視点を国
民が共有する必要があるといえる。内閣は各省庁の寄せ集めであり、首相が行政を束ねる
段階に至っていない。政策決定は内閣とは別に自民党政務調査会などで進められている。
議院内閣制を鍛え直すためにも、憲法改正、首相公選を達成しなければならない。3権分
立論からいえば、現在の議院内閣制は、国会が行政府の上にあるという点で憲法違反だ。
 81兆円の国家予算をあがなうに、半分もの赤字国債を発行してまかなうなどというこ
とは、会社経営の感覚からいって、とんでもない話だ。有事ならバ、即刻、為政者の首を
飛ばさねばならない事態にある。                 次はいよいよ、憲法改正試案です。
つづく

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不良債権処理に関して

不良債権処理に関して
 
 不良債権処理を巡っての迷走は、いつになったら終わるのだろうか。
 およそ政党の体をなしていない保守党でさえ、自信が参加している内閣を独裁政権と毒
づき、公明党は、与党間でよく話し合って(旧態依然とした根回し論)といい、自民党幹
部は不良債権問題など、景気が良くなれば存在しない話だとうそぶく始末。
 野党はこともあろうに竹中大臣の問責決議案の提出で一致という迷走ぶり。不良債権処
理をするなということではないだろうが、きわめて解りにくい永田町論理だ。与党なのか
野党なのかスタンスが明確でない政党群の乱立は政治のカオス以外の何ものでもない。
 唯一まともなのは、国民だけとも言えない。渦中の銀行頭取達の慇懃無礼なふてぶてし
さも問題だ。このデフレ時代に過酷なリストラの末、2期連続黒字達成の日産自動車の社
員平均給与は674万円である。これに対して、出来の悪い三井住友でさえ818万円、
銀行平均では、軒並み1,000万円を超えている。利益#1のトヨタでさえ794万円
だ、NECも780万円。こんな例はいくらでも上げられるが、銀行は非常識が通る世界
でもあるため、独裁といわれるくらいの政策を打たなければどうにもならないのである。
 酒を飲んでバスを運転する輩、親父狩りだと親のすねをかじる若年パラサイト族の横
行、テレビをオンすれば、アホなドタバタ番組の氾濫、あまりにも非生産的浪費が多すぎ
るが、これらと根本では同一のところでエリート集団といわれる銀行、官僚が動いてい
る。豊かさが生んだ性悪族の跋扈からくる結末といえば悲しい。
 利益の追求のためには何をしてもかまわないという風潮はいまだ矯正されていない。具
体例の一つとして、便利かどうかは知らないが、ケータイ使用の中学生が、画像のやりと
りで月額10万円もの利用料を平気で親に払わせ、親も何とも思っていないなどというの
は、親も親なら子も子、メーカーもメーカーだ。こんな調子で年末が来て年が明けるとし
たら、来年は未曾有の経済社会の混乱となることだろう。
 北朝鮮による日本人拉致問題にからんで、一時帰国しているご本人たちが家族達と永住
帰国した後、こんな日本と知ったなら落胆するのではないだろうか。それとも、経済的豊
かさに埋没してしまうだけなのか、いよいよ責任ある者は声を大にし、道を照らすという
責任を問われることになる。そういう意味で政権の責任は重大だ。
 日本の国の外交、経済、政治の貧困という問題は、基本的にエスタブリッシュメントで
ある自民党(所得とか支配非支配層の区分けで支持層の色分けができない)の分断が進ま
ないというところにある。小沢一郎はそれをやろうとして十分な方法論の吟味なしに行っ
たために失敗した。本人の力量の問題といってしまえばそれまでだが、より根元的には、
彼が首相公選論を否定した議員内閣制に固執しているところに問題がある。首相公選とい
うと、天皇制の位置づけ議論を避けることが出来なくなるため、大抵の体制派的議員は心
理的にリザーブしてしまうことになる。そこに守旧派的政治家の限界がある。
 現状の憲法の下で2大政党制は達成し得ないことは、戦後の歴史で証明されていること
で国民はもはや気づく必要がある。一時期、55年体制の崩壊で政界の構図が変わるかも
知れないという期待期があったが、今にしてみれば、根元は何も変わっていない。野党に
も、民主党の党首以下の幹部に、同様の問題点があり、友愛の精神はいいのだが、どこに
背骨が通っているのかが分からない状況では、国民が右往左右するだけだ。
 このような不毛の政治を延々と繰り返していくと、いよいよ体力を消耗し、2,3年の
内に日本は3流国家に凋落することになる。
 1999年3月末における国の貸借対照表(バランスシート)によると、国が保有する
資産、すなわち土地、建物などの固定資産や有価証券、貸付金などを合計した額はたった
658兆円だった。これに対し、国債や郵便貯金の残高など、国が支払いの義務を負う負
債は、公的年金の将来の支払額をすべて計上した場合で1435兆円に達している。負債
が資産を上回る債務超過額は、776兆円にのぼっている。(2000年10月6日報道)
 このような報道がなされてから、早くも2年経過。国の機構面、制度面で、具体的な政
策がとられたのか。殆どノーである。新聞をかざる話題は、すべてその場しのぎの事なか
れ、無責任のオンパレードだ。
 こんなニュースも出てきている。「政管健保、過去最大の4710億円の赤字 パート
の健保加入を拡大・厚労省検討」2002.10.20 
 「中小企業サラリーマンが加入している政府管掌健康保険の2001年度決算は471
0億円と過去最大の赤字だった。赤字は9年連続。企業のリストラなどの影響で保険料収
入が落ち込んだうえ、高齢者の医療費負担が増えたことが響いた。」ということだそうだ。
 「収入は前年度比1.8%増の7兆2217億円にとどまった。が、保険料を納める加
入者数とその平均月収がともに前年度を下回り保険料収入が落ち込んだことが響いた。一
方で支出は高齢者医療費を賄うために支払う拠出金が大幅に増えたため同6.1%増の7
兆6927億円。この結果、赤字額は前年度の約3倍に膨らんだ。医療費などの支払いに
備える積立金残高は同年度末時点に5071億円と前年度末に比べ1654億円減った。」
 だからパートの健保加入を拡大ということならば、まるで、素人の発想だ。こんなこと
で飯を食っている連中は、張りつけにする価値もないが、税金で養っている国民が何も文
句も言わない、マスコミも問題にしないのも実状だ。
  積立金>赤字額の構図が10年目にして積立金<赤字額ということだが、無い袖を振れ
ないから更に徴収するというのは、江戸時代の悪代官の発想だし、悪あがきを国民が許し
ておくのもいい加減にしないと問題だ。
 常識的に考えても、10年間全くの赤字であれば、その事業は完全破綻であるので、本
来、解散すべきである。しかし厚生労働省はパートタイム従業員の健康保険加入を増やす
などということしか考えられない。したがって、「政府管掌健康保険などの加入基準を2
004年度をメドに変更し、週20時間以上働いているか、年収65万円以上のパートに
加入を義務付ける、これによってパートを雇用する企業の保険料負担が重くなるほか、配
偶者がパートで働くサラリーマン世帯の多くは負担増となる。」ということになる。保険
料収入を増やし、悪化した医療保険財政を安定化するというねらいだが、少子化し、経済
成長の止まった現在だからこそ、それに見合ったシステムに変えるのが先決で、規模を縮
小するか、解散するかのどちらかが理にかなっているはずだ。そうでないと永遠に官吏の
生活保護のために国民が肩代わりをすることになる。成績の悪い稼ぎのない官吏は民間に
払い下げるのが経済原則。働かざる者食うべからずとは昔よく使われたが、現在は死語に
なってしまっているものの、その意味を今一度、問い直すべきだ。
  現状では、一事が万事、発想の貧困さから行政改革は全く進まない。むしろ行政機構は
焼け太りの体をなしている。格好ばかりで実行力を伴わない政府。これら一連の究極の問
題点は何か。理由は読者の方の心の底では分かっている。日本の国体の変革を行う強いリ
ーダーシップを持った宰相が欠落しているということだ。言葉を換えると、近代革命を起
こすエネルギーを国民が欠いているということだ。無知で、刹那的、自己中で他人との連
帯意識がない、隣に住んでいる人が何をして人なのかも分からない。そういったことの当
然の帰結である。
 リーダーと目されている政治家・銀行家が、景気が良くなれば今の問題はすべて解決す
ると考えているのは、全くの幻想であることに一般国民は気づいているはずだ。ここまで
くれば、解決法はただ一つ、憲法改正と、それに伴う、首相公選もしくは大統領制という
ことになる。
                                 (つづく)

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(住基ネット)導入に関して (2)

住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)導入に関して
 ※官僚びいきの政権が官僚にそそのかされて行う天下の愚策※
 税金を節約することを考えず、消費し、食い潰すシステムを稼働させるかどうか、それ
はあなたの問題なのです。前回に続き、今回は具体的な反対運動の実状と、反対集会計画
についての概要、ならびに備考に住基法の転載と少々長文です。

★「国民共通番号制に反対する会」
代表: 櫻井よしこ(ジャーナリスト) 
幹事: 三枝成彰(作曲家)、 田中康夫(長野県知事)、 山田宏(杉並区長)、 斎藤貴男(ジャ
ーナリスト)、 伊藤穰一(ネオテニー代表) 
事務局長: 清水勉(弁護士) 
連絡事務: さくら通り法律事務所内
160-0003 東京都新宿区本塩町12 四谷ニューマンション309
TEL 03-3353-3399 
FAX 03-5363-9856 

 収入、借金、買い物履歴、図書館やレンタルビデオでの借り出し記録、電話やメールの
やり取り、本籍、家族構成、学歴、病歴、結婚歴、妊娠・出産歴等々。こうした個人情報
が、一元管理されるプライバシー・クライシスが、目の前まで来ています。 

全国の自治体のコンピュータがネットワーク化されるという、一見便利な「改正住民基本
台帳法」が、1999年成立しました。今年8月の施行で、国民一人ひとりに11桁の番
号が与えられます。どこの自治体の窓口でも住民票を取得できるようになるなど、行政の
効率化ばかりが喧伝される同法は、国民総背番号制にほかなりません。 

国が強調する完全なセキュリティなどありえません。データは永久に残り、差別や偏見が
システム化されてしまう恐れもあるのです。それは単なるデータの管理を超えたプライバ
シーの監視であり、絶えずストーカーにつきまとわれているような不安な社会です。 

アメリカでは否決されました。ドイツでは、人間の尊厳という裁判所判決により、廃案に
なりました。韓国、台湾、ハンガリー、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、
アイスランド、フィリピンなどでも、断念されています。そんな愚法が、日本は今、施行
へ秒読みの段階です。基本的人権を守るためにも、共に声を大にして、廃止を実現しまし
ょう。 

Q & A 詳細

Q1: 住民基本台帳ネットワークシステムってなあに? 
1999年8月に住民基本台帳法(「住基法」)の一部改正として成立し、今年8月から
スタートする新システムです。日本に住んでいて住民登録している日本人全員に他の人と
重複しない11桁の住民票コードを割り当て、この番号と住民基本台帳に記載された個人
情報(氏名・性別・生年月日・住所)を全国の都道府県や市区町村を結んだコンピュータ
・ネットワークに流通させ、全国どこででも本人確認ができる仕組みです。 

そんなわけで、今年8月までにあなた用の11桁の番号を書いた通知文が市区町村役場か
ら封書で郵送されてきます。狂牛病対策で牛の識別のために10桁の番号がつけられたる
ように、人間は1桁多い11桁で管理するというわけです。 

Q2: 誰が、どのように運用するの? 
市区町村と都道府県と総務省(旧自治省)の外郭団体である財団法人地方自治情報センタ
ー(「地方自治情報センター」)です。市区町村で集めた本人確認情報(氏名・生年月日
・性別・住所・住民票コード等)は市区町村から都道府県や他の市区町村へ提供され、都
道府県は国の機関や他の都道府県や市区町村へ提供されます。住基法は、この都道府県の
仕事を地方自治情報センターが肩代わりすることを予定しています。このセンターは、政
府の国民総背番号制度導入の検討が進んだ1970年に設立され、総務省と一体となって
国民共通番号制を準備してきました。理事長は総務省OB(小林實・元自治省事務次官)
です。「国とは別の民間団体が中心になっている」という説明は、形式的にはそうですが、
実態は国が深く関わっていると言えそうです。 

Q3: 住基ネットで何ができるの? 
政府の説明では次のような内容です。  

市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務の処理 
法律で定める国の行政機関等に対する本人確認情報の提供 
住民基本台帳カード(「住基カード」)の活用 
1は住基カードによる本人確認ができることで住民票の交付を受ける際の窓口での待ち時
間が短縮されること、住民票の広域交付といって、住基カードを利用すれば住民登録をし
ていない自治体でも住民票を取れるようになること、です。 

2は恩給の支給や雇用保険、不動産鑑定士や宅地建物取引主任者の登録など、住民の居住
確認が必要な10省庁所管の93事務(近日中に100くらいふえる予定。その後、さら
にどれくらいふえるかは予想がつきません)に利用できること、です。 

3はQ5で説明します。 

Q4: え、これが便利の内容なの? 
1、2が大金をかけてやるほどすばらしいことでしょうか。1の待ち時間の短縮化が全国
で切実な問題になっているなんて聞いたことがありません。あるとしても、問題になって
いる自治体だけが独自に取り組めばよいことです。住民票の広域交付を切実に望んでいる
人が全国にたくさんいるなんて信じられません。旅先で突然、住民票がほしくなる人なん
ていません。 

2は国のお役人の都合です。これまで各自治体が管理していた住民の個人情報を国が取得
しやすく管理しやすくなるということで、さまざまな個人情報が国に集積されることにな
るという問題があります。 

Q5: 住基カードのおまけ? 
11桁の住民票コードをつけられた住民は、千数百円を払えば、自分の住んでいる自治体
から8000字(ただし技術的には更にはるかに多くの字数が入るようにできます。)の
情報が入るICカードを交付してもらえます。これが住基カードです。4桁の暗証番号と
あわせて使います。2003年8月、スタート予定です。 

強制ではないので、使うつもりのない人は交付を受けなくてかまいません・・・が、ひと
りひとりの人の判断でどこまで断れるかはわかりません。それぞれの自治体の取り組み方
にも左右されるでしょう。住基法では、各自治体の条例で独自にさまざまな機能を住基カ
ードに盛り込んでよいとしており、あたかも自治体の事由にまかせているかのようですが、
たとえば経済産業省では、健康保険証や公的年金カード、運転免許証、パスポート、近い
将来に導入されるであろう納税者番号に関わる納税関連、印鑑登録証明、図書館や駐車場
など公的施設の利用者証といった行政分野、さらには社員証や学生証などの身分証明書、
キャッシュカード、クレジットカード、定期券、各種プリペイドカード、会員券、病院の
診察券等々、民間分野の機能に至るまでを1枚のICカードに集約するという構想を明ら
かにしています。 

経済産業省の職員が書いた『ICカード革命』(オーム社)でも、「行政部門における世
界最大規模のIC事業ということで、今後とも目が離せません。」と指摘しています。 

Q6: 住基カードは安全なの? 
住基カード内にさまざまな個人情報を詰め込んでいるわけではないので、住基カードをな
くしたり盗まれたりしても、それですぐに不正利用されるということはありません。 

本人は4桁の暗証番号とセットで住基カードを使うので、他人が簡単に不正なアクセスを
することはできません・・・というのですが、だれもが自分の暗証番号をだれにも秘密で
いられるでしょうか。暗証番号を生年月日にしたり、自宅の電話番号にしたり、という人
はいるでしょう。他人の暗証番号を知ることはそれほどむずかしいことではありません。

住基ネットを端末で管理運用している数万人の自治体職員と民間業者はどうでしょう。こ
の人たちのなかにひとりでも不正使用する人がいたら大変なことになりますが、これを絶
対的に防止する仕組みもありません。たとえば、96年8月には大阪国税局が職員の個人
信用情報を入手していたことが判明しましたが、入手方法についてはウヤムヤのまま。2
000年7月には京都の名簿業者が全国70数社の貸金業者などから190万人分の債務
者リストを手に入れ、千数百社の貸金業者に売っていたことが発覚しましたが、関係者は
だれも処罰されませんでした。 

ハッカーはどうでしょう。米国のある病院ではハッカーによって患者の血液型が全部書き
換えられてしまったという事件が起こっています。住基ネットを通じてアクセスできる個
人情報が抹消されたり書き換えられたりする危険を、絶対に防げる保証はありません。 

Q7: 立ち上げ・維持費は? 
総務省は1999年の国会答弁で、ネットワーク構築に約400億円、運用費に毎年約2
00億円と説明していましたが、現実はそんなものではありません。この見積もりには、
1億2500万人に住民票コード番号を知らせる通知の切手代(100億円)も、ひとり
ひとりの住民が「買わされる」住基カードの代金(1700~1800億円)も、地方自
治体が独自に住基カードを活用する場合の経費も含まれていません。国民の利益を基準と
した費用と効果のバランスという考え方などそっちのけ。ムダな公共事業のパターンがこ
れです。 

Q8: 市区町村から反対・疑問・不安の声がたくさん出ているって本当? 
本当です。変な制度を運用して住民から真っ先に抗議されるのは自治体です。 

昨年11月、日本弁護士連合会が全国3247の市区町村を対象にアンケート調査をした
結果、1824通の回答(回収率約56%)がありました。地方自治体のこの制度に対す
る関心の高さを示しています。住基ネットはメリットが大きいと答えた自治体は324で、
回答した全自治体の約19%、全自治体の10%でした。他方、デメリットが大きいと答
えた自治体は219もありました。すでに成立している法律についてこれほど多くの自治
体がはっきり否定意見を言うことはとてもめずらしいことです。市区町村、とくに町村は、
仕事や出費の増加(年間数百万円~数千万円)を強いられる一方で、住民のメリットがほ
とんどないことに強い不信感を抱いています。デメリットが大きいと答えた自治体のうち
153がプライバシー侵害が心配と答えています。住基ネットの担当職員がはっきり反対
と言っている自治体でも、自治体の回答としては「どちらとも言えない」と答えているも
のもありました。

アンケートの詳しい内容は日本弁護士連合会のホームページ
http://www.nichibenren.or.jp/jp/nichibenren/nichibenren/iinkai/question/index.htmlをごらんくだ
さい。 

Q9: 対策を立てている自治体はあるの? 
完璧な対策というのはむずかしいですが、住民のプライバシーを守るために努力している
自治体はあります。東京都杉並区では、「杉並区住民基本台帳に係る個人情報の保護に関
する条例」をつくり、区民の基本的人権が侵害されるおそれがあるときは、区長が必要な
調査をしたり、住基ネットの接続をストップしたりできることにしています。また東京都
中野区では、個人情報保護条例を改正し、個人情報のデータベースを結合することについ
て区議会の議決を要するとしたり、個人情報保護審議会の意見を聞くことにしたり、個人
情報の流通に慎重を期するようにしています。詳しくはそれぞれの自治体のホームページ
をごらんください。 

Q10: 私たちはどうしたらいいの? 
住基ネットはすでに法律として成立していますが、国民総背番号制も法律として一旦成立
したあとに廃止になりました。この制度に反対している自治体も多数あります。「住民の
便利のためにつくった」法律なら、全国民が「いらない!」とはっきり言えば廃止できる
はずです。全国的に関心が高まれば、国会議員も動かざるを得ません。そうすれば国会で
住基法を改正させ、住基ネットを廃止させることができます。 

このような状況をつくるには、住基ネットの問題をより多くの人に知ってもらうことが大
事です。私たちの会の活動に多方面から賛同者が集まっているのも、「知らなかった。ひ
どい制度だね」とだれもが問題を理解してくれたからです。この問題関心を一気に全国に
広げましょう。 

そのために全国各地で住基ネット反対の街頭宣伝や市民集会、報道などをしてください。
私たちの会でもできるだけ協力します。私たちのちらしも無料でお送りしますので、ぜひ
活用してください。詳しくは事務局までお問合せください。
 
 「防衛庁が情報公開請求者のリストを作成していた」という報道がありましたが、8月
5日に稼働予定の住民基本台帳ネットワーク(国民総背番号制)や今国会で審議中の「個
人情報保護法案」の持つ危険な側面が露呈したものです。これは氷山の一角と言えます。
通信傍受法=盗聴法では、すでに警察に電話・FAX・メールの盗聴装置を渡してしまっ
ているのです。こうした情報管理・監視社会化にNOをつきつけたいと思います。ぜひ下
記実行委員会にご参集ください。
 今年8月5日、ついに住民基本台帳ネットワーク(国民総背番号制)が本格稼働します。
現実に、私たち一人ひとりに対して11桁の番号が割り振られるのです。この日以降、私
たちの社会は、一人ひとりが名前や顔を持つ人間としてではなく、「番号」として扱われ、
管理される時代へ突入していくことになります。
 人間に固有番号を付けることもさることながら、住基ネットには、システム、セキュリ
ティ、コストパフォーマンスなど、この間具体的な運用の面からも様々な問題が指摘され
ています。現実に、多くの自治体職員から「準備が間に合わない」という声が上げられて
いますし、東京都内の自治体をネットワークで結ぶ結合テストでは、2つの区が参加でき
なかったことも明らかになっています。準備不足、技術的問題から、住基ネットに「みず
ほ銀行」と同じ問題が発生する危険性も指摘されています。
 来年8月からは、住民に対するICカードの配布も始まります。カードが様々な情報管
理・監視システムと結びつけば、私たちの生活は丸裸にされ、超監視国家が現実のものと
なります。
 BSE(牛海綿状脳症)緊急対策として導入が決まっている「家畜個体識別システム」
では、全国すべての家畜に10桁の識別番号が割り振られます。私たちは牛同様、番号で
識別され、どこにも逃げられず、「情報」という名の檻の中に閉じこめられた家畜同然に
扱われようとしています。絶対に住基ネットの稼働をくい止めなければなりません。
 8月5日実施をくい止めるために、私たちは下記のような運動を計画し、そのための実
行委員会の発足を呼びかけます。第一回目の会議を6月5日に開催します。あらゆる思想
・信条を超えて、「住基ネット8月5日を許さない」1点で集まることができる広範なグ
ループにお集まり頂くことを期待しています。ぜひとも、会議にご参加頂きますよう、お
願いします。

★7月20日 「住基ネット8月5日を許さない」大集会 & パレードの開催。
 労働スクエア東京 午後1:30から(パレード出発 午後4:00ころ)
◆この集会には、どなたでも参加できます◆
◆最寄り駅◆
 営団地下鉄有楽町線:新富町駅(5番出口)徒歩7分
 営団地下鉄日比谷線・JR京葉線:八丁堀駅(A3番出口)
 会場住所:東京都中央区新富1-13-14 
 会場電話:Tel.03-3552-9131
◆◆ プログラム ◆◆  
◆ 報告 :  実行委員会 
◆ スピーチ   
  <自治体議会>
   亀倉順子さん:国分寺市議
   岡崎茂夫さん:かまがやの地方自治をつくっていく会
  <自治体の現場から>
   江原昇さん:東京・練馬
  <国会議員>
   川田悦子さん:衆議院(予定)
   北川れん子さん:衆議院(予定)
  <ネットワーク、セキュリティの専門家>
   山根信二さん:CPSR(社会的責任を考えるコンピューター専門家の会)日本支部代表
  <メディア関係者>
   有田芳生さん:ジャーナリスト
   斎藤貴男さん:ジャーナリスト
  <弁護士・研究者>
   石村耕治さん:白鴎大学教授
   二関辰郎さん:弁護士・日弁連情報問題対策委員会事務局
  <市民>
   佐藤文明さん:戸籍制度研究者
   マッド・アマノさん:パロディスト
   三橋順子さん:トランスジェンダー
   板垣竜太さん:朝鮮研究者
   JCA-NET:市民プロバイダー 
◆ 集会宣言/8月行動の提案: 実行委員会(いずみ・宮崎) 
◆ 演奏 :  生田卍 & SOSO 
◆ 参加費 :  700円 
  ただし、当日  バーコードTシャツ  を着用して来場の方
  または会場で購入された方は 
  参加費を 500円 に割引  の特典があります!
◆ パレード・コース(予定) :  会場(八丁堀)→銀座→数寄屋橋→日比谷公園 
◆◆実行委員会連絡先◆◆
 日本消費者連盟(担当:吉村)Tel.03-3711-7766 Fax.03-3715-9378  report@jca.apc.org
 プライバシー・アクション(担当:白石)Tel.090-2302-4908
 やぶれ! 住基ネット市民行動(担当:宮崎)m-toshio@mve.biglobe.ne.jp
◆◆賛同団体(2002. 7. 3現在)◆◆
一矢の会/監視社会に反対するネットワーク/個人情報保護法案拒否!共同アピールの会
/コンピューター合理化研究会/ JCA-NET/「STOP!改憲」市民ネットワーク/市民じ
ゃ~なる/テロにも報復戦争にも反対! 市民緊急行動/東京都学校事務職員労働組合/
盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会/盗聴法に反対する市民連絡会
/都政を革新する会/日本キリスト教協議会/日本消費者連盟/ネットワーク反監視プロ
ジェクト/破防法・組対法に反対する共同行動/フォーラム平和・人権・環境/プライバ
シー・アクション/やぶれっ!住基ネット市民行動/郵政による4.28首切りを許すな!
赤羽局「池田さん・斎藤さん」とともに闘う会/ほか(個人参加多数) 
================================================================== 
★備考:  住民基本台帳法
(昭和四十二年七月二十五日法律第八十一号)
最終改正:平成一三年七月四日法律第一〇一号

 第一章 総則(第一条―第四条)
 第二章 住民基本台帳(第五条―第十五条)
 第三章 戸籍の附票(第十六条―第二十条)
 第四章 届出(第二十一条―第三十条)
 第四章の二 本人確認情報の処理及び利用等
 第一節 住民票コード(第三十条の二―第三十条の六)
 第二節 都道府県の事務等 (第三十条の七―第三十条の九)
 第三節 指定情報処理機関 (第三十条の十―第三十条の二十八)
 第四節 本人確認情報の保護(第三十条の二十九―第三十条の四十三)
 第五節 住民基本台帳カード(第三十条の四十四)
 第五章 雑則(第三十一条―第四十一条)
 第六章 罰則(第四十二条―第五十二条)
 附則

第一章 総則 
(目的) 
第一条  この法律は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)において、住民の居住関係
の公証、選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の
住所に関する届出等の簡素化を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため、
住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度を定め、もつて住民の利便
を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする。

(国及び都道府県の責務) 
第二条  国及び都道府県は、市町村の住民の住所又は世帯若しくは世帯主の変更及びこ
れらに伴う住民の権利又は義務の異動その他の住民としての地位の変更に関する市町村長
(特別区の区長を含む。以下同じ。)その他の市町村の執行機関に対する届出その他の行
為(次条第三項及び第二十一条において「住民としての地位の変更に関する届出」と総称
する。)がすべて一の行為により行われ、かつ、住民に関する事務の処理がすべて住民基
本台帳に基づいて行われるように、法制上その他必要な措置を講じなければならない。

(市町村長等の責務) 
第三条  市町村長は、常に、住民基本台帳を整備し、住民に関する正確な記録が行われ
るように努めるとともに、住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を
講ずるよう努めなければならない。
 2  市町村長その他の市町村の執行機関は、住民基本台帳に基づいて住民に関する事
務を管理し、又は執行するとともに、住民からの届出その他の行為に関する事務の処理の
合理化に努めなければならない。
 3  住民は、常に、住民としての地位の変更に関する届出を正確に行なうように努め
なければならず、虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしては
ならない。
 4  何人も、第十一条第一項に規定する住民基本台帳の一部の写しの閲覧又は住民票
の写し、住民票に記載をした事項に関する証明書、戸籍の附票の写しその他のこの法律の
規定により交付される書類の交付により知り得た事項を使用するに当たつて、個人の基本
的人権を尊重するよう努めなければならない。

(住民の住所に関する法令の規定の解釈) 
第四条  住民の住所に関する法令の規定は、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)
第十条第一項 に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはなら
ない。

第二章 住民基本台帳 

(住民基本台帳の備付け) 
第五条  市町村は、住民基本台帳を備え、その住民につき、第七条に規定する事項を記
録するものとする。

(住民基本台帳の作成) 
第六条  市町村長は、個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成して、住民基本台帳を
作成しなければならない。
 2  市町村長は、適当であると認めるときは、前項の住民票の全部又は一部につき世
帯を単位とすることができる。
 3  市町村長は、政令で定めるところにより、第一項の住民票を磁気ディスク(これ
に準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)
をもつて調製することができる。

(住民票の記載事項) 
第七条  住民票には、次に掲げる事項について記載(前条第三項の規定により磁気ディ
スクをもつて調製する住民票にあつては、記録。以下同じ。)をする。
 一  氏名
 二  出生の年月日
 三  男女の別
 四  世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主と
の続柄
 五  戸籍の表示。ただし、本籍のない者及び本籍の明らかでない者については、その

 六  住民となつた年月日
 七  住所及び一の市町村の区域内において新たに住所を変更した者については、その
住所を定めた年月日
 八  新たに市町村の区域内に住所を定めた者については、その住所を定めた旨の届出
の年月日(職権で住民票の記載をした者については、その年月日)及び従前の住所
 九  選挙人名簿に登録された者については、その旨
 十  国民健康保険の被保険者(国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)第
五条 及び第六条 の規定による国民健康保険の被保険者をいう。第二十八条 及び第三十
一条第三項 において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定め
るもの
 十の二  介護保険の被保険者(介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第九条 の
規定による介護保険の被保険者(同条第二号 に規定する第二号 被保険者を除く。)をい
う。第二十八条の二 及び第三十一条第三項 において同じ。)である者については、その
資格に関する事項で政令で定めるもの
 十一  国民年金の被保険者(国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)第七条 
その他政令で定める法令の規定による国民年金の被保険者(同法第七条第一項第二号 に
規定する第二号 被保険者及び同項第三号 に規定する第三号 被保険者を除く。)をいう。
第二十九条 及び第三十一条第三項 において同じ。)である者については、その資格に関
する事項で政令で定めるもの
 十一の二  児童手当の支給を受けている者(児童手当法 (昭和四十六年法律第七十三
号)第七条 の規定により認定を受けた受給資格者をいう。第二十九条の二 及び第三十一
条第三項 において同じ。)については、その受給資格に関する事項で政令で定めるもの
 十二  米穀の配給を受ける者(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律 (平成六
年法律第百十三号)第八十三条第一項 の規定に基づく政令の規定により米穀の配給が実
施される場合におけるその配給に基づき米穀の配給を受ける者で政令で定めるものをい
う。第三十条 及び第三十一条第三項 において同じ。)については、その米穀の配給に関
する事項で政令で定めるもの
 十三  前各号に掲げる事項のほか、政令で定める事項

(住民票の記載等) 
第八条  住民票の記載、消除又は記載の修正(第十八条を除き、以下「記載等」という。)
は、政令で定めるところにより、この法律の規定による届出に基づき、又は職権で行うも
のとする。

(住民票の記載等のための市町村長間の通知) 
第九条  市町村長は、他の市町村から当該市町村の区域内に住所を変更した者につき住
民票の記載をしたときは、遅滞なく、その旨を当該他の市町村の市町村長に通知しなけれ
ばならない。
 2  市町村長は、その市町村の住民以外の者について戸籍に関する届書、申請書その
他の書類を受理し、又は職権で戸籍の記載若しくは記録をした場合において、その者の住
所地で住民票の記載等をすべきときは、遅滞なく、当該記載等をすべき事項をその住所地
の市町村長に通知しなければならない。

(選挙人名簿の登録等に関する選挙管理委員会の通知) 
第十条  市町村の選挙管理委員会は、公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)第二十二
条第一項 若しくは第二項 若しくは第二十六条 の規定により選挙人名簿に登録したとき、
又は同法第二十八条 の規定により選挙人名簿から抹消したときは、遅滞なく、その旨を
当該市町村の市町村長に通知しなければならない。
第十一条  何人でも、市町村長に対し、当該市町村が備える住民基本台帳のうち第七条
第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事項(同号に掲げる事項については、住所とす
る。以下この項において同じ。)に係る部分の写し(第六条第三項の規定により磁気ディ
スクをもつて住民票を調製することにより住民基本台帳を作成している市町村にあつて
は、当該住民基本台帳に記録されている事項のうち第七条第一号から第三号まで及び第七
号に掲げる事項を記載した書類。以下この条及び第五十条において「住民基本台帳の一部
の写し」という。)の閲覧を請求することができる。
 2  前項の請求は、請求事由その他総務省令で定める事項を明らかにしてしなければ
ならない。ただし、総務省令で定める場合には、この限りでない。
 3  市町村長は、第一項の請求が不当な目的によることが明らかなとき又は住民基本
台帳の一部の写しの閲覧により知り得た事項を不当な目的に使用されるおそれがあること
その他の当該請求を拒むに足りる相当な理由があると認めるときは、当該請求を拒むこと
ができる。

(住民票の写し等の交付) 
第十二条  何人でも、市町村長に対し、住民票の写し(第六条第三項の規定により磁気
ディスクをもつて住民票を調製している市町村にあつては、当該住民票に記録されている
事項を記載した書類。以下同じ。)又は住民票に記載をした事項に関する証明書(以下「住
民票記載事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
第十二条  前項の請求は、請求事由その他総務省令で定める事項を明らかにしてしなけ
ればならない。ただし、総務省令で定める場合には、この限りでない。
 3  市町村長は、第一項の住民票の写しの交付の請求があつたときは、特別の請求が
ない限り、第七条第四号、第五号及び第九号から第十四号までに掲げる事項の全部又は一
部の記載を省略した写しを、第二項の住民票の写しの交付の請求があつたときは同条第四
号、第五号、第九号から第十二号まで及び第十四号に掲げる事項の全部又は一部の記載を
省略した写しを交付することができる。
 4  市町村長は、第一項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒
むことができる。
 5  第一項の請求をしようとする者は、郵便により、同項の住民票の写し又は住民票
記載事項証明書の送付を求めることができる。
第十二条の二  前項の請求は、請求事由その他総務省令で定める事項を明らかにしてし
なければならない。ただし、総務省令で定める場合には、この限りでない。

(住民基本台帳の脱漏等に関する委員会の通報) 
第十三条  市町村の委員会(地方自治法第百三十八条の四第一項 に規定する委員会をい
う。)は、その事務を管理し、又は執行するに当たつて、住民基本台帳に脱漏若しくは誤
載があり、又は住民票に誤記若しくは記載漏れがあると認めるときは、遅滞なく、その旨
を当該市町村の市町村長に通報しなければならない。
(住民基本台帳の正確な記録を確保するための措置) 
第十四条  市町村長は、その事務を管理し、及び執行することにより、又は第十条若し
くは前条の規定による通知若しくは通報若しくは第三十四条第一項若しくは第二項の調査
によつて、住民基本台帳に脱漏若しくは誤載があり、又は住民票に誤記若しくは記載漏れ
があることを知つたときは、届出義務者に対する届出の催告その他住民基本台帳の正確な
記録を確保するため必要な措置を講じなければならない。
 2  住民基本台帳に記録されている者は、自己又は自己と同一の世帯に属する者に係
る住民票に誤記又は記載漏れがあることを知つたときは、市町村長に対してその旨を申し
出ることができる。

(選挙人名簿との関係) 
第十五条  選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するも
のについて行なうものとする。
 2  市町村長は、第八条の規定により住民票の記載等をしたときは、遅滞なく、当該
記載等で選挙人名簿の登録に関係がある事項を当該市町村の選挙管理委員会に通知しなけ
ればならない。
 3  市町村の選挙管理委員会は、前項の規定により通知された事項を不当な目的に使
用されることがないよう努めなければならない。

第三章 戸籍の附票 

(戸籍の附票の作成) 
第十六条  市町村長は、その市町村の区域内に本籍を有する者につき、その戸籍を単位
として、戸籍の附票を作成しなければならない。
 2  市町村長は、政令で定めるところにより、前項の戸籍の附票を磁気ディスクをも
つて調製することができる。

(戸籍の附票の記載事項) 
第十七条  戸籍の附票には、次に掲げる事項について記載(前条第二項の規定により磁
気ディスクをもつて調製する戸籍の附票にあつては、記録。以下同じ。)をする。
 一  戸籍の表示
 二  氏名
 三  住所
 四  住所を定めた年月日

(戸籍の附票の記載事項の特例等) 
第十七条の二  戸籍の附票には、前条に規定する事項のほか、公職選挙法第三十条の六 
の規定に基づいて在外選挙人名簿に登録された者については、その旨及び当該登録された
市町村名を記載しなければならない。
 2  市町村の選挙管理委員会は、公職選挙法第三十条の六第一項 の規定により在外選
挙人名簿に登録したとき、又は同法第三十条の十一 の規定により在外選挙人名簿から抹
消したときは、遅滞なく、その旨を当該登録され、又は抹消された者の本籍地の市町村長
に通知しなければならない。

(戸籍の附票の記載等) 
第十八条  戸籍の附票の記載、消除又は記載の修正は、職権で行うものとする。

(戸籍の附票の記載の修正等のための市町村長間の通知) 
第十九条  住所地の市町村長は、住民票の記載等をした場合に、本籍地において戸籍の
附票の記載の修正をすべきときは、遅滞なく、当該修正をすべき事項を本籍地の市町村長
に通知しなければならない。
 2  前項の規定により通知を受けた事項が戸籍の記載又は記録と合わないときは、本
籍地の市町村長は、遅滞なく、その旨を住所地の市町村長に通知しなければならない。
 3  本籍が一の市町村から他の市町村に転属したときは、原籍地の市町村長は、遅滞
なく、戸籍の附票に記載をしてある事項を新本籍地の市町村長に通知しなければならない。

(住民票の写しの交付に関する規定の準用) 
第二十条  第十二条第一項、第二項、第四項及び第五項の規定は、戸籍の附票の写し(第
十六条第二項の規定により磁気ディスクをもつて戸籍の附票を調製している市町村にあつ
ては、当該戸籍の附票に記録されている事項を記載した書類。第四十四条において同じ。)
の交付について準用する。この場合において、第十二条第二項中「総務省令」とあるのは、
「総務省令・法務省令」と読み替えるものとする。
第四章 届出 

(住民としての地位の変更に関する届出の原則) 
第二十一条  住民としての地位の変更に関する届出は、すべてこの章に定める届出によ
つて行なうものとする。

(転入届) 
第二十二条  転入(あらたに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場
合を除く。以下この条において同じ。)をした者は、転入をした日から十四日以内に、次
に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
 一  氏名
 二  住所
 三  転入をした年月日
 四  従前の住所
 五  世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主と
の続柄
 六  国外から転入をした者その他政令で定める者については、前各号に掲げる事項の
ほか政令で定める事項
 2  前項の規定による届出をする者(同項第六号の者を除く。)は、住所の異動に関
する文書で政令で定めるものを添えて、同項の届出をしなければならない。

(転居届) 
第二十三条  転居(一の市町村の区域内において住所を変更することをいう。以下この
条において同じ。)をした者は、転居をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町
村長に届け出なければならない。
 一  氏名
 二  住所
 三  転居をした年月日
 四  従前の住所
 五  世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主と
の続柄

(転出届) 
第二十四条  転出(市町村の区域外へ住所を移すことをいう。以下同じ。)をする者は、
あらかじめ、その氏名、転出先及び転出の予定年月日を市町村長に届け出なければならな
い。

(世帯変更届) 
第二十五条  前三条の場合を除くほか、その属する世帯又はその世帯主に変更があつた
者(政令で定める者を除く。)は、その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変
更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない。

(世帯主が届出を行なう場合) 
第二十六条  世帯主は、その世帯に属する他の者(次項において「世帯員」という。)に
代わつて、この法律の規定による届出をすることができる。
 2  世帯員がこの法律の規定による届出をすることができないときは、世帯主が世帯
員に代わつて、その届出をしなければならない。

(届出の方式) 
第二十七条  この法律の規定による届出は、政令で定めるところにより、書面でしなけ
ればならない。

(国民健康保険の被保険者である者に係る届出の特例) 
第二十八条  この法律の規定による届出をすべき者が国民健康保険の被保険者であると
きは、その者は、当該届出に係る書面に、その資格を証する事項で政令で定めるものを附
記するものとする。

(介護保険の被保険者である者に係る届出の特例) 
第二十八条の二  この法律の規定による届出をすべき者が介護保険の被保険者であると
きは、その者は、当該届出に係る書面に、その資格を証する事項で政令で定めるものを付
記するものとする。

(国民年金の被保険者である者に係る届出の特例) 
第二十九条  この法律の規定による届出をすべき者が国民年金の被保険者であるときは、
その者は、当該届出に係る書面に、その資格を証する事項その他必要な事項で政令で定め
るものを附記するものとする。
(児童手当の支給を受けている者に係る届出の特例) 
第二十九条の二  この法律の規定による届出をすべき者が児童手当の支給を受けている
者であるときは、その者は、当該届出に係る書面に、その受給資格に関する事項で政令で
定めるものを附記するものとする。

(米穀の配給を受ける者に係る届出の特例) 
第三十条  この法律の規定による届出をすべき者が米穀の配給を受ける者であるときは、
その者は、当該届出に係る書面に、米穀の配給に関する事項で政令で定めるものを付記す
るものとする。
第五章 雑則 

(国又は都道府県の指導等) 
第三十一条  国は都道府県及び市町村に対し、都道府県は市町村に対し、この法律の目
的を達成するため、この法律の規定により都道府県又は市町村が処理する事務について、
必要な指導を行うものとする。
 2  主務大臣は都道府県知事又は市町村長に対し、都道府県知事は市町村長に対し、
前項の事務に関し必要があると認めるときは、報告を求め、又は助言若しくは勧告をする
ことができる。
 3  主務大臣は、前項の規定による助言又は勧告をしようとするときは、国民健康保
険の被保険者、介護保険の被保険者、国民年金の被保険者及び児童手当の支給を受けてい
る者に関する事項については厚生労働大臣、米穀の配給を受ける者に関する事項について
は農林水産大臣に協議するものとする。
 4  都道府県知事は主務大臣に対し、市町村長は主務大臣又は都道府県知事に対し、
第二項の規定による助言又は勧告を求めることができる。

(行政手続法 の適用除外) 
第三十一条の二  この法律の規定により市町村長がする処分については、行政手続法 (平
成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章 の規定は、適用しない。

(不服申立て) 
第三十一条の三  この法律の規定により市町村長がした処分に不服がある者は、都道府
県知事に審査請求をすることができる。この場合においては、異議申立てをすることもで
きる。

(不服申立てと訴訟との関係) 
第三十二条  前条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求の裁
決を経た後でなければ、提起することができない。

(関係市町村長の意見が異なる場合の措置) 
第三十三条  市町村長は、住民の住所の認定について他の市町村長と意見を異にし、そ
の協議がととのわないときは、都道府県知事(関係市町村が二以上の都道府県の区域内の
市町村である場合には、主務大臣)に対し、その決定を求める旨を申し出なければならな
い。
 2  主務大臣又は都道府県知事は、前項の申出を受けた場合には、その申出を受けた
日から六十日以内に決定をしなければならない。
 3  前項の決定は、文書をもつてし、その理由を附して関係市町村長に通知しなけれ
ばならない。
 4  関係市町村長は、第二項の決定に不服があるときは、前項の通知を受けた日から
三十日以内に裁判所に出訴することができる。

(調査) 
第三十四条  市町村長は、定期に、第七条に規定する事項について調査をするものとす
る。
 2  市町村長は、前項に定める場合のほか、必要があると認めるときは、いつでも第
七条に規定する事項について調査をすることができる。
 3  市町村長は、前二項の調査に当たり、必要があると認めるときは、当該吏員をし
て、関係人に対し、質問をさせ、又は文書の提示を求めさせることができる。
 4  当該吏員は、前項の規定により質問をし、又は文書の提示を求める場合には、そ
の身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければなら
ない。

(秘密を守る義務) 
第三十五条  住民基本台帳に関する調査に関する事務に従事している者又は従事してい
た者は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(住民に関する記録の保護) 
第三十六条  市町村長の委託を受けて行う住民基本台帳又は戸籍の附票に関する事務の
処理に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た事項をみだりに
他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。

(住民票に記載されている事項の安全確保等) 
第三十六条の二  市町村長は、住民基本台帳又は戸籍の附票に関する事務の処理に当た
つては、住民票又は戸籍の附票に記載されている事項の漏えい、滅失及びき損の防止その
他の住民票又は戸籍の附票に記載されている事項の適切な管理のために必要な措置を講じ
なければならない。
 2  前項の規定は、市町村長から住民基本台帳又は戸籍の附票に関する事務の処理の
委託を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

(苦情処理) 
第三十六条の三  市町村長は、この法律の規定により市町村が処理する事務の実施に関
する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。

(資料の提供) 
第三十七条  国の行政機関又は都道府県知事は、それぞれの所掌事務について必要があ
るときは、市町村長に対し、住民基本台帳に記録されている事項に関して資料の提供を求
めることができる。
 2  国の行政機関は、その所掌事務について必要があるときは、都道府県知事に対し、
保存期間に係る本人確認情報に関して資料の提供を求めることができる。

(指定都市の特例) 
第三十八条  地方自治法第二百五十二条の十九第一項 の指定都市(次項において「指定
都市」という。)に対するこの法律の規定の適用については、政令で定めるところにより、
区を市と、区の区域を市の区域と、区長を市長とみなす。
 2  前項に定めるもののほか、指定都市に対するこの法律の規定の適用については、
政令で特別の定めをすることができる。

(適用除外) 
第三十九条  この法律は、日本の国籍を有しない者その他政令で定める者については、
適用しない。

(主務大臣) 
第四十条  この法律において、主務大臣は、総務大臣とする。ただし、第九条第二項の
規定による通知に関する事項及び第三章に規定する戸籍の附票に関する事項については、
総務大臣及び法務大臣とする。

(政令への委任) 
第四十一条  この法律の実施のための手続その他その施行に関し必要な事項は、政令で
定める。

第六章 罰則 

第四十二条  第三十条の十七第一項若しくは第二項、第三十条の三十一第一項若しくは
第二項又は第三十条の三十五第一項から第三項までの規定に違反して秘密を漏らした者
は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第四十三条  第三十条の二十五第二項の規定による本人確認情報処理事務等の停止の命
令に違反したときは、その違反行為をした指定情報処理機関の役員又は職員は、一年以下
の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十四条  第三十条の四十三第五項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲
役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十五条  第三十五条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は三
十万円以下の罰金に処する。
第四十六条  次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定情報処理
機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
 一  第三十条の二十一の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳
簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
 二  第三十条の二十三第一項又は第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報
告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
 三  第三十条の二十四第一項の規定による許可を受けないで本人確認情報処理事務等
の全部を廃止したとき。
第四十七条  第三十四条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、
又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、二十万円以下の罰金に
処する。
第四十八条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従事者が、そ
の法人又は人の業務に関して第四十四条又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を
罰するほか、その法人又は人に対し各本条の罰金刑を科する。
第四十九条  第三十四条第三項の規定による質問に対し、答弁をせず、若しくは虚偽の
陳述をし、又は文書の提示を拒み、妨げ、忌避し、若しくは虚偽の文書を提示した者は、
五万円以下の罰金に処する。
第五十条  偽りその他不正の手段により、第十一条第一項の規定による住民基本台帳の
一部の写しの閲覧をし、第十二条第一項若しくは第二項の住民票の写し若しくは住民票記
載事項証明書の交付を受け、第十二条の二第一項の住民票の写しの交付を受け、第二十条
第一項の戸籍の附票の写しの交付を受け、又は第三十条の三十七第二項の規定による開示
を受けた者は、十万円以下の過料に処する。
第五十一条  第二十二条から第二十四条まで又は第二十五条の規定による届出に関し虚
偽の届出(第二十四条の二第一項若しくは第二項又は第二十八条から第三十条までの規定
による付記を含む。)をした者は、他の法令の規定により刑を科すべき場合を除き、五万
円以下の過料に処する。
 2  正当な理由がなくて第二十二条から第二十四条まで又は第二十五条の規定による
届出をしない者は、五万円以下の過料に処する。
第五十二条  前二条の規定による過料の裁決は、簡易裁判所がする。

附則 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める
日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第十五条の規定はこの法律の公布
の日から起算して二年をこえない範囲内において政令で定める日から、附則第十一条(地
方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第八条第一項の改正部分を除く。)の規定は
昭和四十五年一月一日から施行する。

(住民登録法及び住民登録法施行法の廃止)
第二条 住民登録法(昭和二十六年法律第二百十八号)及び住民登録法施行法(昭和二十
七年法律第百六号)は、廃止する。

(住民登録法の廃止に伴う経過措置)
第三条 施行日前にした旧住民登録法の規定に基づく届出その他の行為は、この法律の相
当規定に基づいてされたものとみなす。
2 施行日前にした旧住民登録法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、
なお従前の例による。
3 前二項に定めるもののほか、住民登録法の廃止に伴い必要な経過措置は、政令で定め
る。

(戸籍の附票に関する経過措置)
第五条 旧住民登録法の規定による戸籍の附票は、この法律の規定による戸籍の附票とみ
なす。

(介護保険法の被保険者に関する特例)
第七条 当分の間、第七条第十号の二の規定の適用については、同号中「介護保険法(平
成九年法律第百二十三号)第九条」とあるのは「介護保険法(平成九年法律第百二十三号)
第九条及び介護保険法施行法(平成九年法律第百二十四号)第十一条第一項」と、「同条
第二号」とあるのは「介護保険法第九条第二号」とする。

附則 (昭和四四年五月一六日法律第三〇号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十四年七月二十日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によ
る。

附則 (昭和四六年五月二七日法律第七三号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十七年一月一日から施行する。

附則 (昭和五三年七月五日法律第八七号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各
号に定める日から施行する。
一 第六十四条の四第一項、第六十六条、第六十七条、第六十八条第一項、第二項及び第
四項、第六十九条並びに第六十九条の二第二項の改正規定、第六十九条の三の次に一条を
加える改正規定、第七十条第一項及び第三項の改正規定、同条を第七十一条とする改正規
定並びに第七十二条を削り、第七十一条を第七十二条とする改正規定 昭和五十四年一月
一日
二 第十八条の八、第二十二条第二項及び第二十二条の三第二項の改正規定、第七十八条
第六号を削る改正規定、第八十条第一号及び第八十一条の改正規定、第八十二条第二項の
表の改正規定(淡水区水産研究所の項を削る部分に限る。)、第八十三条の改正規定、同
条の次に一条を加える改正規定並びに第八十七条の改正規定 昭和五十四年三月三十一日
までの間において、各規定につき、政令で定める日
三 第十八条第三項、第十八条の三第二項及び第二十一条第二項の改正規定 昭和五十五
年三月三十一日までの間において、各規定につき、政令で定める日

附則 (昭和五六年六月一一日法律第八一号) 抄 

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日か
ら施行する。

(経過措置)
5 この法律の施行前にした行為及び附則第二項の規定により従前の例によることとされ
る旧法第三条第一項の規定に違反する行為でこの法律の施行後にしたものに対する罰則の
適用については、なお従前の例による。

附則 (昭和五八年一二月一〇日法律第八三号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(その他の処分、申請等に係る経過措置)
第十四条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条
及び第十六条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許
可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律
の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行
為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこ
れらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条
までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関す
る規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の
適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請
等の行為とみなす。

附則 (昭和六〇年五月一日法律第三四号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十一年四月一日(以下「施行日」という。)から施行する。

附則 (昭和六〇年六月二五日法律第七六号) 

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日か
ら施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する過料に関する規定の適用については、なお従前
の例による。

附則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法
第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相
当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他
の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にか
かわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例に
よる。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不
利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係
法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な
経過措置は、政令で定める。

附則 (平成六年六月二九日法律第六七号) 抄 

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日か
ら施行する。

附則 (平成六年一二月一四日法律第一一三号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。

附則 (平成九年一二月一七日法律第一二四号) 抄 

 この法律は、介護保険法の施行の日から施行する。

附則 (平成一〇年五月六日法律第四七号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。

附則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定
は、当該各号に定める日から施行する。
二 第二百条の規定並びに附則第百六十八条中地方自治法別表第一国民年金法(昭和三十
四年法律第百四十一号)の項の改正規定、第百七十一条、第二百五条、第二百六条及び第
二百十五条の規定 平成十四年四月一日

(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務について
は、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲
げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点
から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できる
よう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経
済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条 政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理
の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理
の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所
要の措置を講ずるものとする。

附則 (平成一一年八月一八日法律第一三三号) 抄 

(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 次項の規定 公布の日
二 目次の改正規定、第二条、第三条及び第十一条の改正規定、第四章の次に一章を加え
る改正規定(第四章の二第一節、第三十条の七(第三項から第十項までに限る。)、第三
十条の八、第三十条の九、第三十条の十(第四項及び第五項に限る。)、第三十条の十一、
第三十条の十五、第三十条の二十九、第三十条の三十、第三十条の三十二から第三十条の
四十まで、第三十条の四十二、第三十条の四十三及び同章第五節に係る部分を除く。)、
第三十一条の改正規定、第三十六条の次に二条を加える改正規定、第六章中第四十六条を
第五十二条とする改正規定、第四十五条第一項の改正規定(「五千円」を「五万円」に改
める部分に限る。)、同条第二項の改正規定(「五千円」を「五万円」に改める部分に限る。)、
同条を第五十一条とする改正規定、第四十四条の改正規定(「若しくは第三項」を削る部
分、「住民基本台帳の閲覧若しくは住民基本台帳若しくはその」を「住民基本台帳の」に
改める部分及び「五万円」を「十万円」に改める部分に限る。)、同条を第五十条とする
改正規定、第四十三条を第四十九条とし、同条の前に三条を加える改正規定(第四十六条
に係る部分に限る。)、第四十二条の前の見出しを削る改正規定、同条の改正規定、同条
を第四十五条とする改正規定並びに第六章中同条の前に三条を加える改正規定(第四十二
条(第三十条の三十五第一項から第三項までの規定に係る部分を除く。)及び第四十三条
に係る部分に限る。)並びに附則第六条及び第七条の規定、附則第八条の規定(附則第二
条から第五条までに係る部分を除く。)並びに附則第九条及び第十二条の規定 公布の日
から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
三 第九条に一項を加える改正規定、第十二条の次に二条を加える改正規定(第十二条の
二に係る部分に限る。)、第二十四条の次に一条を加える改正規定、第二十五条及び第二
十六条の改正規定、第四章の次に一章を加える改正規定(第四章の二第五節に係る部分に
限る。)、第四十五条第一項の改正規定(「第二十二条から第二十五条まで」を「第二十二
条から第二十四条まで又は第二十五条」に、「第二十八条」を「第二十四条の二第一項若
しくは第二項又は第二十八条」に改める部分に限る。)、第四十五条第二項の改正規定(「第
二十二条から第二十五条まで」を「第二十二条から第二十四条まで又は第二十五条」に改
める部分に限る。)並びに第四十四条の改正規定(「住民票記載事項証明書の交付を受け」
の下に「、第る。)並びに附則第十条及び第十一条の規定 公布の日から起算して五年を
超えない範囲内において政令で定める日
2 この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やか
に、所要の措置を講ずるものとする。

(転入届に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に住民基本台帳に記録された
ことがある者であって施行日以後いずれの市町村(特別区を含む。以下同じ。)において
も住民基本台帳に記録されていなかったもの(この法律の施行の際現に住民基本台帳に記
録されていた者であって政令で定めるものを含む。附則第四条において「施行日以後住民
基本台帳に記録されていなかった者」という。)が施行日以後最初にこの法律による改正
後の住民基本台帳法(以下「新法」という。)第二十二条第一項の規定による届出をする
場合における同項の規定の適用については、同項中「いずれの市町村においても住民基本
台帳に記録されたことがない者にあつては」とあるのは、「いずれの市町村においても住
民基本台帳に記録されたことがない者及び住民基本台帳法の一部を改正する法律(平成十
一年法律第百三十三号)附則第二条に規定する施行日以後住民基本台帳に記録されていな
かった者にあつては」とする。

(住民票コードの記載に関する経過措置)
第三条 市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、施行日に、この法律の施行の
際現に住民基本台帳に記録されている者(政令で定める者を除く。)に係る住民票に新法
第三十条の七第一項の規定により都道府県知事から指定された新法第七条第十三号に規定
する住民票コード(以下「住民票コード」という。)のうちから選択するいずれか一の住
民票コードを記載するものとする。この場合においては、市町村長は、当該記載に係る者
以外の者に係る住民票に記載した住民票コードと異なる住民票コードを選択して記載する
ものとする。
第四条 市町村長は、新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者につき住民票
の記載をする場合において、その者が施行日以後住民基本台帳に記録されていなかった者
であるときは、新法第三十条の二第一項の規定にかかわらず、その者に係る住民票に新法
第三十条の七第一項の規定により都道府県知事から指定された住民票コードのうちから選
択するいずれか一の住民票コードを記載するものとする。この場合においては、市町村長
は、当該記載に係る者以外の者に係る住民票に記載した住民票コードと異なる住民票コー
ドを選択して記載するものとする。
第五条 市町村長は、前二条の規定により住民票コードを記載したときは、速やかに、当
該記載に係る者に対し、その旨及び当該住民票コードを書面により通知しなければならな
い。

(指定情報処理機関に関する経過措置)
第六条 施行日前に指定情報処理機関の指定がされた場合においては、指定情報処理機関
は、新法第三十条の十第一項の規定にかかわらず、施行日の前日までの間は、同項第三号
から第七号までに掲げる事務を行わないものとする。

(本人確認情報の処理及び利用等の準備行為)
第七条 市町村長、都道府県知事及び指定情報処理機関は、施行日前においても、新法第
四章の二に規定する事務の実施に必要な準備行為をすることができる。

(指定都市の特例)
第八条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定
都市に対する附則第二条から第五条まで及び前条の規定の適用については、政令で特別の
定めをすることができる。
(その他の経過措置の政令への委任)
第九条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過
措置は、政令で定める。

附則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

附則 (平成一三年七月四日法律第一〇一号) 抄 

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。

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住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)導入に関して

住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)導入に関して
 ※官僚びいきの政権が官僚にそそのかされて行う天下の愚策※
 税金を節約することを考えず、消費し、食い潰すシステムを稼働させるかどうか、それ
はあなたの問題なのです。今回は、少し難しい問題なので2回に分けます。
  
★住基ネット導入の経緯
 毎日新聞の2月24日付記事で、2002年8月の住民基本台帳ネットワークシステム
(住基ネット)導入を前に、政府が個人データの利用範囲を大幅に拡大しようとしている
ことが報じられた。政府は、住基ネット導入のため99年に改正した住民基本台帳法(未
施行)を再度改正する方針で、今国会にも法案を提出する意向だった。住基ネットは、住
民基本台帳に記載される▽氏名▽住所▽生年月日▽性別▽住民票コード▽変更――の6種
類の情報をコンピューターで一元管理する。国民全員に11ケタの住民票コードが割り当
てられる一方、情報の利用範囲は、10省庁93件の事務に限定されるとしていた。
 
 衆院内閣委員会は5月22日午前、個人情報保護法案の質疑を行っている。福田康夫官
房長官は、政府が同法制定を急ぐ理由に挙げている住民基本台帳ネットワークシステムに
ついて「法律に決まっており8月5日から実施する」と明言した。河村たかし氏(民主)
は同システム導入を決めた99年、当時の小渕恵三首相が「システムは個人情報保護法を
前提としている」と答弁していることや、改正住民基本台帳法の付則にも個人情報保護法
制制定が盛り込まれていることを取り上げ、法案が成立しない場合はシステム実施を見送
るべきだと主張した。福田長官は「システム実施は改正住基台帳法に『公布から3年以内』
と明記されている。実施に際し個人情報保護法案が成立していることが望まれるが、法律
上は条件とされていない」と指摘。小渕元首相の答弁については「小渕氏の政治姿勢を示
したものだ」と述べるにとどまった。更に福田康夫官房長官は29日の衆院内閣委員会で、
個人情報保護法案と8月5日実施予定の住民基本台帳ネットワークシステムとの関係につ
いて、「法案の成否にかかわらず、法律でシステムの施行は義務づけられている」と説明。
法案成立がシステム実施の前提にはならないとの政府見解を明らかにした。
 
 総務省は5月30日、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の対象事務を
大幅に拡大する内容を盛り込んだ電子政府関連法案を自民党総務部会に提示、同党は了承
した。同省は同日、対象事務数が現行法の93から171増え、264になるだけでなく、
国が利用できる事務数は全体の約6割を占める。国の利用範囲が拡大され、国による個人
情報の管理が一層進められた形だ。

 法案によると、新たに加えられた対象事務は171で、パスポートの発給申請や司法試
験の受験手続きなど、住民票の写しの提出にかかわるものが含まれている。利用拡大につ
いて、片山虎之助総務相は、29日の衆院内閣委で「地方自治体の要望に基づいた拡大だ」
と答弁している。しかし、実際には国の利用範囲が拡大されたことになる。

 また、追加事務には、職業安定事業、労働者派遣事業など民間の活動と密接に結び付く
ものも含まれている。住基法は、国民に割り振られた住民票コード(番号)と、銀行口座
など民間の個人識別番号とのリンクを禁じている。しかし、こうした分野への拡大は、住
基法の趣旨を逸脱する危険もはらむ。

★新たな電子政府関連3法案の動き
 以上の流れの中で、政府は6月7日の閣議で、住民基本台帳ネットワークシステム(住
基ネット)の対象事務を現行法の93から171増やし264に大幅拡大する内容を盛り
込んだ電子政府関連3法案を決定した。与党3党は今国会で個人情報保護法案の成立が困
難視されることに伴い「8月の住基ネット実施状況を踏まえ十分に審議する」ことを条件
としており、本格審議は次期国会以降になる。片山虎之助総務相は7日の会見で「(成立
が遅れた場合)特に02年度分の電子政府計画に影響が出る」と述べた。
 同3法案は電子政府・自治体構想の一環として、03年度までに各種の行政手続きをオ
ンラインで原則可能とする内容で、行政手続オンライン化法案、同整備法案、本人確認の
電子証明書を発行するための公的個人認証サービス法案。整備法案に住民基本台帳法改正
案が含まれる。オンラインを通じできる行政手続きは、本人確認に慎重を期すための90
0事務を除く約4万5000事務。住民票の写しを持参せずに済ませるなどの理由で、旅
券申請や自動車登録など住基ネットの対象事務を拡大した。264事務のうち国の所管事
務は約6割にあたる。
 政府は、住基ネット導入を図った改正住民基本台帳法の審議で「住民票コードの利用は
法律で限定されている」として、一つの番号で個人情報を一元管理する「国民総背番号制」
との違いを強調してきた。ところが、今回の法案はまだ住基ネットが稼働していない段階
で、「限定」していたはずの利用範囲を広げるというものだ。将来のなし崩し的な拡大に
疑念をもたれても仕方がない。
 
★住基ネット導入延長論
 以上のような経緯、導入ありきの動きに対し、各界から疑問の動きがあるので主立った
ものを抜粋してみた。  
?自治労(6/6)
  全日本自治団体労働組合(自治労)は、8月5日に予定されている住民基本台帳ネッ
トワークシステム(住基ネット)の稼働延期を政府に求めていく方針を決めた。
 自治労は、住基ネット稼働の条件として、実効性のある官民両分野を対象にした包括的
個人情報保護法の整備などを条件としていた。しかし、政府が示した個人情報保護法制は、
表現の自由・知る権利を制約する恐れがある▽本籍、病歴など「センシティブ情報」の収
集制限規定がない▽省庁間で個人情報が自由に利用できる▽不服審査会の独立性が不十分
――などの点で「条件を満たしていない」と判断した。
?野党4党が凍結で合意 改正法案提出へ(6/14)
 民主、自由、共産、社民の野党4党は6月14日、政策責任者会議を開き、改正住民基
本台帳法で定められた住基ネットワークシステムの8月スタートを凍結する法案を提出す
ることで合意した。
 野党は今国会に提出されている行政機関等個人情報保護法案について、行政機関に対す
る罰則規定がないなどとして廃案を求めており、個人情報保護に関する法制が未整備なま
までのネット稼働は、国民のプライバシー侵害に対応できないと判断した。
?国立市が延期要請 首相と総務相に意見書(6/14) 
 東京都国立市の上原公子市長は14日、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネッ
ト)の今年8月5日稼働の延期を求める意見書を小泉純一郎首相と片山虎之助総務相に送
った。国分寺市も12日に提出しており、地方自治体の延期を求める声は大きくなりそう
だ。意見書は「個人情報保護法案は今国会での成立が危ぶまれ、法案そのものに不備があ
るとの世論が高まっている。個人情報を保護する措置が十分でない」と指摘している。
 一方、自民党は同日、都道府県のIT(情報技術)化担当者を集めた会合を党本部で開
催。麻生太郎政調会長は「予定通り稼働させる」と言明した。
?稼働延期を 地方議会初の意見書採択 高知県十和村議会(6/18) 
 高知県十和村議会は6月18日までに、8月5日に予定されている住民基本台帳ネット
ワークシステム(住基ネット)の稼働の延期を求める意見書を全会一致で採択した。小泉
純一郎首相と片山虎之助総務相あてに提出した。総務省によると、地方議会による延期を
求める意見書の採択は初めて。
 意見書は「住基ネットに関連してプライバシー侵害が危惧(きぐ)されている。十分な
個人情報保護対策を政府は確約したが、国会で審議されている行政機関個人情報保護法案
は、地方自治体の条例と比べても不十分な内容だ」として、政府案の修正とともに、住基
ネットの稼働延期を求めている。
?8月の稼働延期すべき 亀井・前政調会長(7/4) 
 自民党の亀井静香・前政調会長は4日、政府・与党が個人情報保護法案の今国会での成
立を断念したことを受け、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の8月5日
稼働を延期すべきだとの考えを表明した。亀井氏はまた、各界の著名人でつくる「国民共
通番号制に反対する会」(桜井よしこ代表)がまとめた住基ネットの稼働を3年間延期す
る改正住民基本台帳法の再改正案(凍結法案)に署名した。
 「反対する会」は4日、東京・永田町の衆議院第2議員会館で集会を開き、凍結法案を
議員立法で提出するよう与野党の議員に求めた。
 亀井氏は席上、「個人情報保護法案がどうなるか分からない段階で、住基ネットが施行
されていくのは矛盾だ。それぞれ各党が問題意識を広げていくべきである。私もそれなり
の問題提起をしたい」と語った。
 集会には、亀井氏のほか中川昭一衆院議員、阪上善秀衆院議員ら自民党議員22人をは
じめ民主29人、自由3人、社民9人、共産5人の与野党計68人の国会議員(代理を含
む)が出席。このうち、自民党の6人を含む15人が署名した。21人以上の署名があれ
ば、そのまま法案として国会に提出できる。法案が衆院(議員数477人)で成立するに
は、野党4党の議員に加え、与党から五十数人の賛成を得る必要がある。
 桜井さんは「今月11日に凍結法案に署名した賛成議員の数を集約したい」と話した。
?中田市長 住基ネットに否定的(7/5日) 
  横浜市の中田宏市長は3日、来月から一部が稼働する住民基本台帳ネットワークについ
て「国民総背番号制になるなら反対だ。(衆院議員時代に)国会でも反対した」と否定的
な見方を示した。各地の自治体で稼働延期を求める声が出ているが、市長も「どうするか、
今よく考えている」と含みを持たせた。すべての住民に11けたの番号をつけるなどの市
側の準備作業は、順調に進んでいるという。
?杉並区長もとうに反旗(2000年8月17日)
 東京都の杉並区長は、『区議会や住民の同意が得られれば、(ネットへの)参画の是非
を問う住民投票実施も辞さない』との意見を表明している。 
 この、山田宏杉並区長は、「全国どこでも住民票が取れる、という程度のことしか出来
ないくせに、投資額が膨大である」、(なんと624億円、さらにその後は毎年の経費が
200億円とされている)、「納税者番号などにも使われるならペイするが、それは『国
民総背番号制』であって、リスクが大きい」としている。山田区長は前衆議院議員の若手
気鋭の政治家である。「国民共通番号制に反対する会」(桜井よしこ代表)のメンバーで
もある。唯一住民番号を納税者番号として利用しているスウェーデンの、データ検査院長
官でさえ、1996年に来日した際のコメントは「(国民総背番号制は)プライバシー侵
害の脅威の象徴になった。導入は勧めない」であった。 

★住基ネット(国民総背番号制)8月5日を許さない実行委員会へご参加下さい
  平成不況の悪代官どもに勝手を許してはならない。実行委員会はいくつか立ち上がって
いるが、その中の抜粋を以下にご紹介する。  
「防衛庁が情報公開請求者のリストを作成していた」という報道がありましたが、8月5
日に稼働予定の住民基本台帳ネットワーク(国民総背番号制)や今国会で審議された「個
人情報保護法案」の持つ危険な側面が露呈したものです。これは氷山の一角と言えます。
通信傍受法=盗聴法では、すでに警察に電話・FAX・メールの盗聴装置を渡してしまっ
ているのです。こうした情報管理・監視社会化にNOをつきつけたいと思います。ぜひ下
記実行委員会にご参集ください。
 今年8月5日、ついに住民基本台帳ネットワーク(国民総背番号制)が本格稼働します。
現実に、私たち一人ひとりに対して11桁の番号が割り振られるのです。この日以降、私
たちの社会は、一人ひとりが名前や顔を持つ人間としてではなく、「番号」として扱われ、
管理される時代へ突入していくことになります。
 人間に固有番号を付けることもさることながら、住基ネットには、システム、セキュリ
ティ、コストパフォーマンスなど、この間具体的な運用の面からも様々な問題が指摘され
ています。現実に、多くの自治体職員から「準備が間に合わない」という声が上げられて
いますし、東京都内の自治体をネットワークで結ぶ結合テストでは、2つの区が参加でき
なかったことも明らかになっています。準備不足、技術的問題から、住基ネットに「みず
ほ銀行」と同じ問題が発生する危険性も指摘されています。
 来年8月からは、住民に対するICカードの配布も始まります。カードが様々な情報管
理・監視システムと結びつけば、私たちの生活は丸裸にされ、超監視国家が現実のものと
なります。
 BSE(牛海綿状脳症)緊急対策として導入が決まっている「家畜個体識別システム」
では、全国すべての家畜に10桁の識別番号が割り振られます。私たちは牛同様、番号で
識別され、どこにも逃げられず、「情報」という名の檻の中に閉じこめられた家畜同然に
扱われようとしています。絶対に住基ネットの稼働をくい止めなければなりません。
 8月5日実施をくい止めるために、私たちは下記のような運動を計画し、そのための実
行委員会の発足を呼びかけます。第一回目の会議を6月5日に開催します。あらゆる思想
・信条を超えて、「住基ネット8月5日を許さない」1点で集まることができる広範なグ
ループにお集まり頂くことを期待しています。ぜひとも、会議にご参加頂きますよう、お
願いします。
●7月20日(土)「住基ネット8月5日を許さない」大集会の開催。労働スクエア東京
 詳細は来週号で報じます。
■連絡先
住基ネット8月5日を許さない実行委員会準備会
*日本消費者連盟(吉村)
TEL03-3711-7766 FAX03-3715-9378 report@jca.apc.org
*プライバシー・アクション(白石)
TEL090-2302-4908
*破れ!住基ネット・市民行動(宮崎)
m-toshio@mve.biglobe.ne.jp

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電力「競争」時代を読む

電力「競争」時代を読む
 
 東京電力が家庭用を含めた電力小売り自由化を受け入れる体勢を固めつつあることで、
エネルギー競合する都市ガス小売りともども、全面自由化への歯車がゆっくりと回り始め
た。自由化の道筋が決まれば、新規参入や業態を超えた相互参入が進み、業務用、家庭向
け料金の値下げとサービス競争の時代が本格的にやってくる。電力業が変わればこの国は
変わるという具合に、基幹中枢事業であるだけに大いに期待したいところだ。
 地方の電力会社を回って、現状の断片的印象ではあるが、この東電の動きに対しての他
地方電力会社の反応はまだ鈍い。問題は料金のみならず、付随のサービス、電気供給約款
の取り扱い等で地方の電力会社が出遅れている感を否めない。長年、節電業界で問題とし
てきた最大需要電力による基本料金の課金方式について、負荷設備容量の変化があった場
合に基本料金を見直すことが出来る制度を新たに導入したのも、まだ東京電力だけだ。
 自由化で先行する海外では、米国ならびに、英国・独などがすでに電力、ガスとも部分
ならびに全面自由化をしている。EU(欧州連合)全体としても2005年の電力・ガス
の全面自由化の方向にある。自由化は様々なアイディアと川下の論理の受け入れを可能に
してきているといえる。 
 電力自由化は一部の間違った表現として、electric democratizationなどという表現
をしているサイトを散見することが多いが(自由化を直訳するとそうなるのかもしれない
が)、海外の表現は、electric deregulationで、「電力規制の撤廃」という方が正し
い。規制の撤廃ということから考えれば、料金は競争原理の導入、電気保安に関しての競
争原理の導入、事業者に対する過剰な規制届け出規制の撤廃ということであって、政治的
用語である民主化とか自由化という意味とはいささか違うように思う。そういった意味で
本当の自由化を志向してもらいたいものだ。
 1999年に家庭用まで自由化した英国では、電力会社のホームページで顧客が住所を
入力すると電気代が表示され、気に入れば契約を申し込める。家庭用の電気代は、送電コ
ストなどが部分自由化された1990年から下がっていることもあり、2000年までの
10年で22%下がった。日本でも関東近辺ではお客様無料コールセンターに電話をすれ
ば、選択約款に基づく契約種別の変更などは、営業所に出向かなくても電話1本で受け付
ける体制を東京電力が部分的にスタートした。順次、供給区域内の全てに広げる方向であ
ると聞いている。電力会社の営業所窓口まで出向かないとなかなか話が進まないというこ
とも、だんだん解消されるようになるのではないだろうか。ただ、顧客サービスの一環だ
けで考えたとしたら本末転倒であり、発電、送電、配電の何らかの形での蓋然性あるコス
トに裏付けられた透明で説得力のある分離、ならびに送電コストを主管する複数の事業主
体への分離を伴わないと、競争市場を構成するための経済合理性に欠けることになる。本
来の「電力自由化」とはそういうことだと認識をしている。 
 今回、2002年4月1日から東京電力が本格料金改定を行ったが、過去の時系列を追
った料金値下げは以下のとおりである。
                   9電力平均(%)  東京電力(%)
1988/1/1  17.83     19.16
1989/4/1   2.96      3.11
1996/1/1   6.29      5.39
1998/2/10  4.67      4.20
2000/10/1  5.42      5.32
 今改訂では、基本料金が据え置きであるので、全体の値下げ幅は約半分程度の7%であ
るので割り引いて見る必要があるものの、使用量単位料金の引き下げは、相当な努力をし
たと評価できるのではないか。具体的には、以下のような単位料金の値下げ率となってい
る。従来、商店、業務用の工場用用途とと比べた場合の「料金格差」はほぼ解消されたと
いってもいいレベルということができる。

業務用 17.6%
高圧A  3.5%
高圧B  5.0%
低圧   6.2%
電灯C  6.0%
低圧高負荷新設 19.1% (低圧・電灯C契約比)
業務用WE2  9.2%
業務用WE  19.7%
業務用2   19.5%
季節別時間帯別業務用  20.8%
季節別時間帯別業務用2 23.8%
高圧A WE2  2.4%
高圧A WE   2.3%
高圧A 2    3.7%
季節別時間帯別高圧A  4.6%
季節別時間帯別高圧A2 4.9%
高圧B WE2  4.4%
高圧B WE   4.0%
高圧B 2    5.2%
季節別時間帯別高圧B  6.4%
季節別時間帯別高圧B2 7.1%
 
 関電の藤洋作社長は「料金改定については白紙だ」と言い続けてきたが、「実施は秋以
降、4.2%前後今年中には下げたい」としている。九州電力の鎌田迪貞社長も2001
年末に「今後五年間で10%程度値下げしたい」と明言している。さらに東北電力が7月
に5.7%、中部電力が9月に5-6%と表明している。
 東電が7%値下げすると年間売上高が約3500億円減る。全国に波及した場合1兆
円の値下げ規模であり、産業連関表上、これはマーケットに2から3兆円の新たな需要を
生み出す。南社長はこれからはコスト削減で原資を作って値下げするのではなく、下げ幅
にあわせて何が何でもコストを切りつめると断言している。社内の余剰人員もどんどん減
るであろう。電力自由化で新規参入業者などとの競争が始まり、値下げしなければ客を取
られてしまうからだ。
 3月7日朝日の夕刊で報じられた「小売り全面自由化へ 東電の容認で」の記事につい
て、翌日、南社長は内容を否定するコメントを発表している。これは電力小売り自由化の
今後について、国の電気事業分科会においてまだ論点整理すら終わっていない段階である
と述べたうえで、全面自由化はもとより自由化の範囲等について、電力業界内あるいは東
京電力社内で意向を固めたということは全くないという表向きの発言である。正式に決ま
ってはいないわけであるから、当然の反応ではあろうが、腹は固まっているということで
読めばよい。日本企業の置かれている世界での位置づけからいっても、経済競争力の強化
という点で今後は人肌もふた肌も脱いで文字通り脱皮することになるものと読んでいる。
政治は遅れをとっているものの、経済界では高人件費、高家賃、高物価を是正する方向に
すべての企業の歯車が回り、構造改革へと突き進んでいるのが現代であるからだ。

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2002年の幕開けに

2002年の幕開けに臨んで

《景気指標と株価の行方は、 前半土砂降り、後半持ち直しか》

●国内卸売物価
   日銀が12月17日発表した12月上旬の国内卸売物価指数(1995年平均=10
0)は、ガソリンや軽油などの燃料油を中心に129.9と大きく落ち込んだ。 
 このほかの品目では、食料用農畜産物が97.1、スクラップ類も国内電炉メーカーか
らの需要が一服気味で63.0、ヒノキなどの非食料農林産物も国内の住宅市場の低迷を
受け82.6、非鉄金属では銅の主要生産国で減産の発表があったほか、為替相場が円安
に振れたことなどから、銅地金を中心に93.7となった。そのほか、化学製品100.
3、鉄鋼90.1などとなっている。12月上旬の為替相場は1ドル=124円35銭。
 2000年秋口からの景気後退期は、これで1年と4半期続いていることになる。

●鉱工業生産動向
 経済産業省が12月27日発表した11月の鉱工業生産動向(速報)は、生産指数(1
995=100,季節調整値)が前月比1.8%低下の90.9となり、3カ月連続で低
下した。指数は1987年11月以来、14年ぶりの低い水準。米景気減速で北米向けの
ゲーム機や乗用車の生産が減少した。また、国内の消費低迷で情報技術(IT)関連や鉄
鋼など多くの業種で企業の生産が減少した。北米の200万台乗用車需要減の影響が今後
大きなインパクトを与えてくることが予想される。 
 業種別にみると、ゲーム機のクリスマス商戦向け需要が一段落したことを受けて「その
他工業」が8.4%低下、輸送機械工業は普通自動車の北米向け輸出が減少したほかトラ
ックが国内外とも不振で2.7%の低下、一般機械工業は半導体製造装置が落ち込み3.
3%の低下だった。一方、非鉄金属工業では電力、通信向けの光ファイバー製品が好調で
2.3%上昇した。 
 出荷指数は前月比1.4%低下の93.5となり、94年1月以来の低水準となった。
在庫指数は1.5%低下の95.3で、経産省は「在庫調整は一部業種で進展している」
とみている。出荷に対する在庫の割合を示す在庫率指数は0.3%低下の113.9とな
り、2カ月連続で低下したものの、まだ水準的には高いといえる。 

●新車販売台数 
 日本自動車販売協会連合会が1月7日発表した2001年の新車登録台数は、前年比0.
9%減の405万9046台となり、2年ぶりに減少した。車種別内訳では、乗用車が同
1.3%増の301万6485台で、うち普通乗用車が同3.7%減の74万1489台、
小型乗用車が同3%増の227万4996台。商用車では普通貨物車が同1.9%減の8
万3038台だった。
 同時に発表した2001年12月の新車登録台数は、前年同月比7.6%減の29万6
881台となり、4カ月連続で減少した。車種別内訳では、乗用車が同1.5%減の23
万3259台で、うち普通乗用車が同9.5%減の5万7229台、小型乗用車が同1.
4%増の17万6030台。商用車では普通貨物車が同1%減の5797台だった 
 前回ならびに前々回の不況時における新車販売台数の対前年比15%以上の期間が1年
以上続いた経験と小型車需要の一巡からいって、本年度内に新車需要が大きく伸びる要素
は全くないといって良いのではないか。

●日経景気インデックス
 日本経済新聞社が12月28日公表した11月の日経景気インデックス(日経BI、速
報値)は前月比マイナス0.4%と5カ月連続で低下し、97.1(1995年平均=1
00)となった。10月の確報は速報段階から0.1ポイント下方修正になり、97.5
となった。景気の水準と勢いを示す日経BIは鉱工業生産、商業販売額、有効求人倍率、
所定外労働時間の4指標に共通する「景気の波」を取り出し、指数化したもので、日経B
Iは昨年末から急降下を続けており、今回の落ち込み幅4.3ポイントは前回後退期の4.
5ポイントに迫ってきた。 
 11月の日経BIが低下したのは構成4指標のうち、鉱工業生産、有効求人倍率、所定
外労働時間の3指標が低下し、商業販売額も横ばいにとどまったことによる。 
 鉱工業生産は前月比マイナス1.8%と3カ月連続で低下した。普通乗用車や電子応用
玩具などの減産が大きかった。生産予測調査によると12月と1月はともに上昇を見込ん
でいるものの、経済産業省は実績が予測を下回る状況が続いていることなどから「生産は
引き続き低下傾向」と慎重な見方を取っている。 
 有効求人倍率は前月から0.02ポイント低下し、0.53倍となった。有効求人数が
前月比1.7%減となったうえ、有効求職数も1.2%増えたため。失業率は11月に最
悪の5.5%となり、新規求人も前年同月比7.1%減るなど、雇用情勢は一段と厳しさ
を増している。 
 所得の変動を間接的に示す所定外労働時間指数は6カ月連続で減少した。生産活動の低
迷から製造業で13カ月連続の減少となったことが響いている。 
 需要面の動きを表す商業販売額は前月比横ばいとなった。衣料品関係の販売などが伸び
た小売業ではプラスとなる一方、企業間取引を示す卸売業の販売額が家具や建築材料など
の販売不振により減少したことによる。
 97年夏から98年末まで続いた景気後退期の経験からすると、そろそろ底入れが近づ
いているという見方もできるが、どうであろうか。

●月例経済報告 
 竹中平蔵経済財政担当相は12月17日、12月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出
した。景気の現状について「悪化を続けている」との見方を示し、基調判断を2カ月ぶり
に据え置いた。企業収益や物価の判断は下方修正したが、全体の景気認識を変えるほどで
はないと判断した。
 個別項目で判断を下方修正したのは企業収益と物価。7―9月期の法人企業統計で電気
機械などの経常利益が大幅に減少したことを受けて、前月まで「減少している」としてい
た企業収益は、「製造業を中心に大幅に減少している」に変更。国内卸売物価は「下落幅
をやや拡大している」とし、下方修正した。
 
●OVER VIEW
 企業の現金収支は電機大手5社合計で今期1兆3,000億円の赤字といわれる昨今、
景気が底入れするためには、一段のリストラと構造改革が必要な事態となっている。株価
の高いソニーとて現金収支では1,6000億円の赤、トヨタ、ホンダが良くて他は全部
だめというに等しい現況は、まさに異常である。こういう状況では、よほど真剣に我が身
を削ってでも構造改革を、という企業家ならびに政治家が動かない限り、「見えざる手で
経済が回復する」などということはあり得ない。
 銀行の行き場を失ったマネーはリスクをおそれて国債に向かい、国内銀行が99年1月
に保有していた国債残高30兆円から2001年末には「80兆-90兆円」(日銀筋)
にも達している模様である。銀行に資本注入などやったところで、行き場のないマネーは
不良運用資金化をしているだけだ。
 また株式市場には、連日のように6-7億株以上の取引が続いている。前回不況時の3
億4億レベルのときと比べると明らかに取引量が増えてはいるが、証券業界の収益改善に
つながっているかというと、手数料の自由化のおかげでさほど潤っているわけではない。
問題は一日の取引株数が20億前後というのがあたり前になるくらいの人気を作り出せる
かどうかであるが、当面、一般投資家は無理をしない方がよい。
 株式の売り買いのタイミングを計る手法の一つに、ストキャスティックス法というのが
あるが、個別銘柄に当てはめてみてみると面白いことが解る。株のプロという人たちはこ
ういったことを参考にしながら、売買を行っているわけであるが、日経のスーパーチャー
トというのがある。これなどは一見の価値があると思う。
株式はあくまで個別銘柄の物色であるが、余談ながら、1,2月には一段の下げがあるも
のと予想される。その時期をみて買うことが構造改革路線にかなっているのではないであ
ろうか。
 http://superchart.nikkei.co.jp/servlets/Query?SRC=indiv/superChart
ストキャスティックス法の解説をしたwebとしては、
 http://www.toyokeizai.co.jp/data/chartcd/weekly_chart/03stchas.html
 http://www.sankishoji.co.jp/sakimono2/tek/technical10.html
 http://www.sankishoji.co.jp/sakimono2/tek/technical11.html
で分かりやすく解説をしているが、簡単なので以下に引用をしておく。

ストキャスティックス法とは

 もともと「確率」や「推計」という意味で、オシレーター系指標。
コンセプトは%Rとほぼ同じで、異なるのは%Kと%Dと呼ばれる2本のラインを用いる
ところで、米国ではポピュラーな存在。分析のポイントは、%Kと%Dの位置関係(買わ
れ過ぎ・売られ過ぎ)を図り、%Dの位置と価格を比較すること。
 過去のある期間の株価をもとに、現在の株価の上昇/下降の可能性を探るもので、%K 
および %D の2つの指標があり、それぞれ次の算出式で求められる。 

%K =(C-Lk)/(Hk-Lk)x 100 
    C=直近の終値 
    Hk=過去k期間の最高値
    Lk=過去k期間の最安値 

%D = Pd/Wd x 100
    Pd=過去d期間の(C-Lk)の合計
    Wd=過去d期間の(Hk-Lk)の合計 

%K式のCにHkを代入すると100になり、またLkを代入すると0になることから容易
に推測できるように、%K は任意に定める(直近の過去)k期間につけた、株価最高値を
レベル100(変動幅の上限)、最安値をレベル0(変動幅の下限)とする値幅レンジで、現
在値(直近の終値)がどのレベルにあるかを % で示すものだ。上限に近い株価は上昇余
地が少なく下落の可能性が高い、また下限に近い株価は下落よりも上昇する可能性の方が
高いだろうと考える。 
さてこの %K を時系列に並べてみると、かなり細かい変動が多いことに気がつく。そこ
でこの変動による“ダマシ”を少なくしようとしたのが %D だ。%D では %K の分母、
分子ともに期間dだけ合計しており、これをプロットすると移動平均線に似た平滑線を得
ることができる。 

ストキャスティックスの特徴

  ストキャスティックスにはより敏感なファーストと、ファーストをさらに3日平均した
スローの2種類がある。

長所
「逆行現象」によりトレンドの転換を確認できるため、売買シグナルの信頼度は高い。

短所
%Kと%Dの関係が重要であるため70%以上では売り、30%以下は買いというよう
な表面的な数値のみの判断は禁物。

また、ファースト・ストキャスティックスの場合、%Kと%Dのクロスによるシグナル
は3回繰り返すと信頼度がアップするとされているが、スロー・ストキャスティックスの
場合は敏感さに欠けるため、クロス3回の法則は採用すべきではない。

特徴
0~100%までの間で上下する%Kと%Dが、それぞれ70%以上であれば直近レンジ
のレジストライン(上昇抵抗値)に近づいていることを表し、30%以下であれば、直近
レンジのサポートライン(下値)に近づいていることを示す。
こうした状況にあることを前提に
(1)%Kが先に方向転換して%Dとクロスした場合
(2)%Dが%Kに遅行して方向転換し、%Kとクロスした場合を売買サインとする。
(1)と(2)では(2)の方がサインとしての信頼性があるが、さらに信頼度の高い売買
サインは、%Dと価格との「逆行現象」が起きた時に現れる。
つまり、(A)%Dが70以上で価格が上昇しているとき、%Dが下げ始めた時、相場は
頭打ち、トレンドは弱気に転換。
(B)%Dが30以下で価格が下落中に%Dが上げ始めたとき、相場は底入れ、トレンド
は強気に転換。
こうした動きの後、前述の(2)のケースとなればその売買サインはかなり信頼できる。

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チャレンジングな事件続きの2001年

チャレンジングな事件続きの2001年

 暫く定期的に刊行をすることを控えさせていただいていた。あまりに暗いニュースの連
続と、行き先の解らない日本経済の方向を”超”客観的に考えてみるためにである。
 9月4日の新聞に以下のような記事が載っていた。
◇厚生年金、パート加入へ要件緩和検討・厚労省
 厚生労働省の「女性の年金問題に関する検討会」は3日、女性が多いパートタイム労働
者への厚生年金の適用を拡大する方向で検討に入った。労働時間が正社員の4分の3以上
といった厚生年金の加入要件を緩め、より多くのパート労働者が加入するよう促す。パー
ト収入から自分で保険料を負担する主婦を増やす狙いがある。 
 現行制度では厚生年金や公務員共済に加入しているサラリーマンの夫に扶養されている
主婦は「3号被保険者」として保険料を免除されている。専業主婦でなくパートで働いて
いても、勤務時間・日数が正社員の4分の3未満で年収が130万円未満なら厚生年金にも
国民年金にも加入せずに済み、保険料負担なしで老後に定額の基礎年金を受け取ることが
できる。このため「保険料を負担しない3号被保険者は優遇されている」という指摘や、
パート勤めの主婦が保険料負担のない「3号被保険者」にとどまろうと勤務時間や年収を
低く抑え、女性の社会進出を妨げているという批判がある。◇ 
 また10/14日の日本経済新聞にも下記の記事がある。
◇厚生年金、パート加入を拡大・厚労省検討
 厚生労働省は2004年の公的年金の改革で、企業の正社員を主な対象とする厚生年金
制度を見直し、パート労働者の加入を増やす方向で検討する。パートで働く人が増えてい
るので、加入対象者を広げて制度の空洞化を防ぐ。同省では、パート年収が65万円以上
の人すべてを加入させる案などが浮上。実現すれば、公的年金の保険料が免除されている
パート年収130万円未満の主婦の一部に負担が生じることになる。
 厚生年金は企業の従業員のために、定年後に国民年金に上乗せして支給する公的年金。
正社員は全員加入するが、パート従業員については、週の就業時間と1カ月の勤務日数が
正社員の4分の3以上の人だけが加入する仕組みだ。 
 これ以外のパートは国民年金に加入する。ただし、会社員や公務員の配偶者に扶養され、
パート年収が130万円未満の主婦らは、国民年金保険料の支払いを免除されている。雇
用の多様化で、雇用者全体に占めるパートの比率が約2割に上昇。このままでは厚生年金
の保険料を負担する人が減る恐れがあるため、厚労省はパートの加入基準見直しを検討し
始めた。◇
 小出しの情報で様子を見ながら、「大胆な」改革を目論んでいる様子がうかがわれる。
  同様に健康保険料の算定についても、ボーナス含め年収基準に持っていくことが決って
いるそうである。すなわち、サラリーマンが月給から天引きされている健康保険料につい
て、厚生労働省は、2003年度からボーナスも含めた年収を基準に計算する「総報酬制」
を導入することを決めた。年収が同じでもボーナスが多いほど保険料が割安になる、とい
った不公平を是正するのがねらいで、ボーナスが高い大企業に勤めるサラリーマンの保険
料負担は増える可能性が高い。
 現行の医療保険制度では、サラリーマンは月々の給料に各種手当などを含めた月収をベ
ースに、支払う保険料額が計算されている。中小企業の従業員らが加入する政府管掌健康
保険政管健保は保険料率が8.5%(会社と本人で折半)。大企業の社員が中心の組合健
康保険では、組合によって料率は違うが、平均約8.5%(原則として会社と本人で折半)
となっている。
 ボーナスについては政管健保が1%を保険料として徴収、組合健保も1%以内で賦課(い
ずれも会社負担あり)できるが、8割以上の健保組合は賦課していない。実際には年収に
占めるボーナスの比率が高い人ほど、納める保険料は割安となっている。このため同省は、
ボーナスを含めた総報酬制にすれば、ボーナスの多寡による不公平感が解消されると判断
した。総報酬制にすれば、ボーナスからも保険料を取る分、保険料率を下げる余地が生ま
れるが、財政がひっ迫する政管健保については、もともと料率の引き上げが避け難い情勢
で、料率は総報酬制の導入とあわせて検討する。
 小さな政府論、大きな政府論というのがあるが、この時代に大政府論とはいただけない
話である。やはりお役所は、どんな時代になっても、どこかの視点が狂っているとしか云
いようがないということか。いよいよ、自己防衛の時代に突入といったところである。ぼ
やぼやしていると、どこまで吸い取られることになるやら。 
★国債公債不買運動を進めよ
 経済の成長が恒常的に止まった現在、”扶養家族”としての公務員、国会議員、地方議
員等の数を減らさずに考えれば当然の浅知恵で、この国の人口の家族をも含めたおよそ4
%の非生産人口の所得を、その所得を受け取っている当人たちが決めていくという仕組み
が変わらない限り、当然の帰結として国の衰退が待っている。ローマ帝国の崩壊にも似た
過程となる。危機意識に乏しく、何らの指導力を持たず、税金を消費することを仕事と考
えている公的分野の増長は、死んだゾンビが生き返る各種特殊法人のありようと重なる。
 民間企業の経営者も、従業員も、懸命に働いて、税金を払い”扶養家族を”養うことに
大いなる誇りは持っている。がしかし、放蕩息子を養う義務は国民にはない。国民の財布
をねらう公的分野の人たちがこのまま増え続けるとどういうことになるか。一つのシナリ
オは良い意味でのクーデターである。昔からクーデターは軍部が起こすものと決まってい
るが、サラリーマン化した自衛隊にその力はあるまい。大企業は、中堅企業は、ますます
精鋭部隊の社員だけで仕事を行うようになる。はじき出された人たちは皆、無能というわ
けではないので、独立事業家となって働くように追い込まれる。そうなると、諸経費等の
組み入れ増加ということから、税収の基となる所得は減収となり、税金はますます集まら
なくなる。税収不足は国債、公債で埋め合わせることができるかというと、ある局面で、
できなくなる。国民の義務と思い、千万単位で数年前に購入した人たちの満期国債の償還
がこれから急上昇をしてくる。しかし、およそ2005年以降には再購入できる人、する
人が激減する。この国の将来を皆が信じない風潮が決定的になるであろうからである。具
体的のノーといえる国民が、そのころには一般化するように思える。これがよい意味での
クーデターというわけだ。
 国民が利口になり、独立意識を持って行動するようになると、会社、公的分野にすがり
ついていることができなくなるので、本来の人間の生活環境に戻り不労所得者は激減する。
とどのつまり、青色申告者が増えて税額控除が増えるから税収は必ず減ることになる。つ
まりは小さな国家を目指すことになる。これも自然なクーデターだ。サラリーマンとして
働いて、訳の分からない税体系のもとに勝手に給料天引きされることにノーを表示するも
っとも早い確実な方法は会社生活をやめることだ。
 筆者が経営する小社も、青色申告程度の小規模会社であるが、もとを正せば10年以上
前1人で始めた。自己責任のもとで、死ぬような思いをした苦しい時期もあった。だが、
起業というものはそんなものだ。大成功はしなくとも、自己完結型に経営できる自分の会
社を持つ人間が多くなってはじめて、この国を変えていくことができるし、それがこれか
らの独立企業家の使命なのではなかろうか。京都のMKタクシーはそのいい例だ。全く行
政の云うことを聞かずに、思うように事業展開をしている。その方向性は、消費者の方に
目を向け、役所のご都合には一切耳を貸さないという、気持ちのいいものである。どの業
界にも、そういった改革面から業績を伸ばしてくる企業がこれからのトレンドの中心にな
る者と考えられる。そういった意味で、前々から述べている、住宅土地問題もこれから本
格的に転機を迎えることになるであろう。既得権、既存の体系に、仕組み、値段等にあぐ
らをかいているととんでもないことになりそうだ。
 読者の方から、本業の節電とか、省エネのことを書いてくれという依頼もあるが、その
ことに関しては、筆者の本を買って読んでほしいと申し上げたい。ただ、省エネに関して
ひとことを書くと、どうも、日本の場合、節電意識がまだ低いように思える。節電はエス
コ事業ということで、外国では一般化しているが、日本の場合、節電装置の導入に消極的
である。単純にいうと、お金をかけずに節電することを節電と思っている人が多い。節電
とは、お金をかけて節電装置を導入し、同時に装置メーカーならびに施工業者の所得を賄
い、経済を循環型に扶養させる(昔から風が吹けば桶屋が儲かるというが)ことを指して
いる。ただ使わないというのは経済の停滞を意味し、経済成長としての乗数効果はゼロ。
乗数効果がない国に景気回復などあるわけはなく、いかに効果的にお金を使って、国民の、
会社の購買力を高めるか、それが節電であると考えている。節電は、3方両得(電気を使
うもの:料金が安くなる、売るもの:発電所固定費の削減になる、メーカー・工事会社・
金融会社:所得増)の優れた側面を持っているため、特徴あるビジネスモデルを組み上げ
れば、大きな仕事にもなる。、これにようやく理解を示し始めてきているという状況かも
しれない。一方、もっともらしく、お金をかけずに契約だけを変更するという手法で、多
大なフィー、ロイヤリティーを請求する変なビジネスモデルを売り物にしている不遜な業
者とか、電気主任技術者を1件の顧客に派遣して、代金を1,800円しか払わないなど
というたこつぼ式派遣業者も暗躍しているようで、そういった仕組みに巻き込まれないよ
うにHP等で情報発信をしていく必要性もあるように感じている。
 このメルマガも、書き始めて、データ重視の内容を追って続けてきたが、今後は今回同
様、不定期にメリハリを付けて発行していきたいと思っている。

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